【Mr.Children(通称:ミスチル)】の「turn over?(ターンオーバー)」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✔ タイトル「turn over?」の意味
✔ ドラマに寄り添った世界観
✔ ミスチルが描く圧倒的なスケール
ミスチルだからこそ描き出せる “究極の愛の歌”。是非最後までご堪能ください…!
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ドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」主題歌
今回紹介していく「turn over?」はドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」主題歌として書き下ろされた楽曲です。
「おカネの切れ目が恋のはじまり」は正反対の価値観を持つ2人を描いたラブコメディ作品。
先日亡くなられた三浦春馬さんが主要キャストとして登場しており、全8話予定だった物語は全4話に短縮されました。予期されていた形では決してなかったものの、いわゆる”遺作”として大きな注目を集める作品となっています。
ドラマのプロデューサーを務めた東仲恵吾さんは楽曲について
主題歌は、Mr.Childrenが楽曲を提供してくれました。玲子と慶太の恋愛、そして二人がちょっとずつ成長していく様に寄り添い、後押しをしてくれる曲はMr.Childrenしかいないと思い、まだ何もない段階で先走ってオファーし、快諾してもらいました。最初に曲を聞いた時、その尊さに心が震えました。爽やかで前向きな曲なのに、涙が出てくる。人と人との出会いの愛おしさ、人を想う気持ちを桜井さんが切なくも力強く歌い上げている、まさに“究極の愛の歌”でした。
とコメントされています。
爽やかで軽快でありながら、“究極の愛の歌”と言わしめるほどの深みを抱える楽曲。
当記事ではその魅力を紐解いていきます。
余談ですが、「turn over?」は記事執筆時点でミスチルのシングル曲史上最も演奏時間が短い楽曲となっています(3分25秒)。
楽曲名「turn over?」とは
「turn over」は「逆さになる、ひっくり返す、向きを変える、めくる、etc…」といった具合に様々な意味を持つ言葉でが、今回の楽曲の場合、個人的には「逆さになる」的な意味合いが強いのではないかと考えております。
ドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」で描かれているのは、金銭感覚が両極端な二人の恋愛模様。
また歌詞の中では、《誰かしら泣いてんだよ 栄光と美談の裏で》《懲り懲りだって思うけど キミ無しじゃ辛い》など、相反する様々な状況が描かれています。
歌詞の中で直接「turn over」という言葉が使われることはありませんが、こうしたアンビバレントなドラマ・楽曲の世界観から連想して「真逆?」的な意味合いでこのタイトルがつけられたのではないでしょうか。
タイトルについて確認したところで、早速本題の歌詞を見ていきましょう…!
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歌詞
明け方の東京はしらけた表情で
眠れないボクのことを見下ろしてるこんなスタートで今日を迎えてしまうのは
「誰のせいなんだ!?」って言いたくもなるキミは今どう思っているの?
すれ違いの日々を映画じゃ 躓いても立ち直っていくってストーリー
散々観たろう?だけど現実は違う
誰かしら泣いてんだよ 栄光と美談の裏で
だからさ よく考えてみて
機嫌直してよ頭の中 妄想が渦を巻いている
悪いことばかりを考えてしまうキミに必要な理解者
今こそなろうと思います子供らの聖歌隊 その歌声のように
どこまでも透き通っていて嘘はない
forever love
I’ll make you smile
叫びたいくらいだダーリン
我が人生で最愛の人は
そう キミ一人地球は回る 僕らとは無関係で
それもそうさ いろんなカタチの愛があって
今日も生まれては消えてく面倒臭くて手に負えないな
この愛という名の不条理
懲り懲りだって思うけど キミ無しじゃ辛い
forever love
I’ll make you smile
叫びたいくらいだダーリン
この人生で最大の出会いと悟ったんだ
我が人生で最愛の人は
そう キミ一人
ただ一人
作詞:桜井和寿
歌詞の意味・解釈
1番
明け方の東京はしらけた表情で
眠れないボクのことを見下ろしてるこんなスタートで今日を迎えてしまうのは
「誰のせいなんだ!?」って言いたくもなる
ラブコメディの主題歌である今作ですが、《明け方の東京は…》という一見すると到底ラブソングとは思えないような歌詞から楽曲は始まります。
短い歌詞ではありますが、もたらされる情報量は膨大。
主人公は東京の街に住んでいて、明け方まで眠ることのできない苦しい夜を過ごしています。
そして明け方の東京が自分を見下ろしていると感じるくらいには、今の自分の日常に誇りを持てていません。
一体どうしてそうなっているんだろう。
「誰のせいなんだ!?」
そんなリスナーの疑問を代弁しつつ、極めて自然に歌詞は進行していきます。
キミは今どう思っているの?
すれ違いの日々を
ここで「誰のせいなんだ!?」という問いに何となくの答えが与えられるとともに、ようやくラブソング的な要素が姿を現します。
主人公は《キミ》とどうやら恋愛関係にあるものの、すれ違いの日々に苦しんでいる様子。
眠れずに悩んでいるくらいだから中々上手くはいっていないのでしょう。
それこそドラマで描かれている恋愛をそのまま反映しているようにも見えますね。
一通り楽曲の主人公の境遇が見えてきたところで、1番のサビに移ります。
サビ1
映画じゃ 躓いても立ち直っていくってストーリー
散々観たろう?だけど現実は違う
誰かしら泣いてんだよ 栄光と美談の裏で
だからさ よく考えてみて
機嫌直してよ
ここまでの主人公の境遇を描いたパーソナルな歌詞から打って変わって、サビの歌詞は唐突に《誰かしら泣いてんだよ 栄光と美談の裏で》という俯瞰的な内容へと飛躍します。
映画みたいに上手く行くわけないんだから一旦落ち着こうよ、と《キミ》に諭す主人公。
こうした話題の飛躍はミスチルの楽曲では割とよく見かけますし、あまりに当たり前のように移り変わるものだから今更なんとも思わなくなりつつありますが、冷静に考えてみるとかなり非凡なことを桜井さんはやってのけているように思います。
さっきまで《キミは今どう思っているの?》なんてパーソナルなことを歌っていたのに、急に《栄光と美談の裏で》って。
代表曲でいえば「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」でも《愛想無しの君が笑った》という歌い出しから《恋なんていわばエゴとエゴのシーソーゲーム》という伝説的な歌詞まで飛んでいくわけですが、展開としては結構衝撃的です。
それをいとも簡単に、ごくふつうの事としてやり遂げてしまう桜井さん。
えげつないです。
2番
頭の中 妄想が渦を巻いている
悪いことばかりを考えてしまう
今後の二人の関係について、頭の中で悪い想像ばかりしてしまう。
スケールの大きな話となったサビは終わり、2番では再び主人公の恋愛のパーソナルな部分に焦点が戻ってきます。
楽曲の根底にあるのは、やはりドラマの様な価値観の大きく異なる二人の恋愛模様。
簡単に上手く行くはずもなく、すれ違いの日々の中で主人公は苦しんでいます。
キミに必要な理解者
今こそなろうと思います
すれ違う二人ですが、あくまで主人公は「キミ」のことを理解しようと努めています。
結局のところ二人は愛し合っているのです。
ここまでの歌詞の二人は終始上手く行っていなくて、傍から見れば「じゃあなんで付き合ってるんだろう…」といった印象を受ける内容でした。
ここからの歌詞では、これまで描かれてこなかった「キミ」を想う主人公の気持ちが一気に溢れ出してきます。
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