【ツユ】の
「ロックな君とはお別れだ」について
歌詞の意味を徹底的に
考察および解説していきたいと思います。
これまたメッセージ性が深く、歌を聴くリスナー次第で色を変えてくる感慨深いナンバーに仕上がっています。
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楽曲の基本情報
本楽曲の構成は以下。
- 作詞作曲編曲:ぷす
- Vocal:礼衣
- イラスト:おむたつ
- 映像:AzyuN
今回紹介する「ロックな君とはお別れだ」は、ツユとして制作された5作目のオリジナル楽曲。ロックにお別れを告げるタイトルに反して、唸り狂うギターはまさにロック。まるで少女の「なりたい」を代弁しているように感じさせる。それくらい音楽面は「ロック」という言葉が似あう。
音楽を担当したぷすさんは
と楽曲についてコメントを残している。
この背景ですが、ぷすさんはもともと「歌い手」として活動をしていて、2019年の5月23日に歌い手としての活動を終了、そして翌月に「ツユ」を結成しています。
・これからツユに注力していくこと
これらの想い、ひいては「けじめ」が本楽曲に込められている。
つまり
「何かを捨てて前に進んでいく」
といった題材が本楽曲の背景には存在するのです。
俺はこのネットでの活動を振り返った時に失敗したこと、悔しかったことのほうが多かったように思う
いつも中途半端で誰かと自分を比べて、それで小手先ばかりに逃げていた弱いやつだったかも知れない
俺が何をしたいのかが分からない人も多いと思う
その全てを「ツユ」で取り返していきます
本気だ— ぷす (@Pusu_kun) October 16, 2019
上記はぷすさん本人のツイートなのですが、こういった前向きな気持ちが「ロックな君とはお別れだ」にも投影されているのではと筆者は感じました。
前置きが長くなりましたが、本楽曲に込められた熱い想いが十分に伝わってきたのではないでしょうか。
では本題の楽曲考察に移っていきます。
まずはタイトルに着目。
楽曲名「ロックな君とはお別れだ」とは
タイトルやMVの情景から連想される情景は
- 別れ
- 失恋
- 決意
といったものではないかと思います。
「ロックな君」とありますが、
本楽曲におけるロックは
- 自らの意志のままに生きること
- かっこよく生きてていること
といったニュアンスで使われています。
よく「あの人ロックだ」とか「ロックに生きる」とか言いますが、そういった反権力的な人、己の道を進む人を指す言葉の類です。
人を形容する際の「ロック」に定義はありません。しかし誰もが共通認識でロックの意味を感じ取ることができる。これって凄いことだなとふと思いました。これもロックじゃん。
少し話が少し逸れましたが、上記の意を含む
“ロックな君”とのお別れ
を描く物語であるとタイトルから解釈できる。
語尾の「だ」からは
決意のような強い気持ち
を感じますが、果たしてどのように歌詞と絡み合ってくるのでしょうか。
本題の歌詞に迫っていきましょう。
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歌詞
ロックな君とはお別れだ
だから!
僕に目もくれないで先ばかり行って
君のその才能に僕は嫉妬して
馬鹿にすんなよ 傍迷惑だロックな君とはお別れだ
ずっと僕は君に囚われたまま
いつだって其処に憧れて
でも芯が折れていたから
全部、中途半端になってロックな君とはお別れだ
ずっと僕は紛い物と笑われ
いつまでもダサい姿晒して
ロックじゃないね ロックに生きたいね
そう、だからお別れだ
じゃあね才能豊かに生きてきたつもりだった
優等生ぶっていたボロだらけの劣等生だ
直感だけど何とかなる気がしていた
真っ当なんかじゃないけど特別になりたかった走ってるよ 走ってるよ
磨いてるよ 磨いてるよ
光ってないね
言葉じゃ何とでも言えるからさロックな君とはお別れだ
ずっと僕は君に離されたまま
いつの日か其処に追いつきたい
でも角が欠けていたから
全部、中途半端になってロックな君とはお別れだ
ずっと僕は卑怯者と笑われ
いつからか全て見えなくなって
ロックじゃないね ロックに生きたいね
そう、だからお別れだ
じゃあね変わったから 変わったから
悟ったから 悟ったから
わかってないね
言葉じゃ何とでも言えるからさ僕なんてたかが知れた程度に×
君の足元に縋る程度に×
泣いたって君は絶対振り向かないよな
もう全部わかってるよロックな君とはお別れだ
ずっと僕は君に囚われていた
いつだって其処に憧れて
でも芯が折れていたから
全部、中途半端になってロックな君とはお別れだ
きっと僕は花にはなれないけど
雑草の如く転んでも踏まれても立ち上がる
ロックに生きたいね
そう、だからお別れだ
じゃあね君が居たから僕は此処に立っている
僕は此処に立っているロックな君とはお別れだ
作詞:ぷす
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歌詞の意味・解釈
はじめに
はじめにお話ししますが、実は本楽曲には2パターンの仮説があります。
まず1つ目は
ロックな君=彼
だと捉えて、
- 届かない想い故に擦り減っていくさま
- そこから抜け出して自分らしく歩くさま
が描かれているという仮説。
これはMVを軸に考察を組み立てていく、いわゆる王道パターンの解釈ですね。
そして2つ目は
ロックな君=過去の自分
だと捉えて
- 過去の自分(夢)に囚われるさま
- そこから卒業して新しい道を開くさま
が描かれているという仮説。
こちらはぷすさんの制作意図や楽曲に込めた想いを汲み取って考察を行ったパターンの解釈です。
敢えて2パターンに分けたのですが、どちらの意も噛みしめながら視聴することで、楽曲の味が更に濃くなること間違いなしです。
ただ両方の解説を行っていくと尺を取り過ぎてしまうので、今回は1つ目の仮説で述べた王道パターンの解釈で解説を行っていきます。
1番
ロックな君とはお別れだ
だから!
僕に目もくれないで先ばかり行って
君のその才能に僕は嫉妬して
馬鹿にすんなよ 傍迷惑だ
ロックな君とはすなわち
主人公が想いを寄せる君
であり、別れを伝えないといけない相手。
“君のその才能に僕は嫉妬”とあるように、優れている彼に魅力を見出していることが分かる。優れている彼だからこそ魅力的だったのかもしれません。
心理学的に人は自分より優れている人に好意を抱く、そして「認められたい」と願う習性があります。
しかし彼と自分を比べることで劣等感を感じてしまうため“傍迷惑だ”と本音が綴られている。
『敬愛心に比例して大きくなる劣等感』
これに主人公は苦悩しているのです。
ロックな君とはお別れだ
ずっと僕は君に囚われたまま
いつだって其処に憧れて
でも芯が折れていたから
全部、中途半端になってロックな君とはお別れだ
ずっと僕は紛い物と笑われ
いつまでもダサい姿晒して
ロックじゃないね ロックに生きたいね
そう、だからお別れだ
じゃあね
“ロックに生きたいね”とあるように、自分のままに生きたいという欲望が主人公には存在した。しかし彼に好意を抱くあまりに『よく思われたい』という欲望が、当初主人公の中にあった欲望と絡み合い、苦悩させている。
この欲望の絡み合いこそが歌詞中の
- “芯が折れていた”
- “全部、中途半端になって”
という部分にあてはまる。
また紛い物とは
本物そっくりに似せて作ったもの
を表す言葉で、彼に気に入られようと取り繕う主人公を対比するのにピッタリであることが分かる。
これ以上、彼に囚われて自分を失いたくないから
『ロックな君とはお別れだ』
と何度も自分に言い聞かせているのです。
2番に続きます。
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