【オレンジスパイニクラブ】の「キンモクセイ」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✔ 実はめちゃくちゃ切ないラブソング
✔ 当てはまり過ぎる金木犀の花言葉
✔ 深読みしがいのある巧みな歌詞
屈託のない歌詞が印象強い楽曲ですが、実はめちゃくちゃ切ない楽曲なのです… 是非最後までお読み下さい!
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オレンジスパイニクラブの代表曲
今回紹介していく「キンモクセイ」は、「ザ・童貞ズ」から改名を行い近年大ブレイクを果たした「オレンジスパイニクラブ」の代表曲。
これぞ青春とも言えるメロや歌詞が若者に刺さり、動画投稿サービスTikTokを筆頭に「エモい動画」の挿入歌として大人気を誇る楽曲です。
YouTube上に楽曲が公開されたのは2018年であるにも関わらずここ2020年になって圧倒的に伸びてきています…!
ここまで人気楽曲としての地位を確立させることができたのは、TikTokなどの影響だけではなく、屈託のない歌詞や癖になるリズム、程よいアンニュイ感が要因としてあるのでしょう。
本記事では特に「タイトル名」や「歌詞」から読み取れる楽曲のメッセージ性に注目していきます。キンモクセイのさらなる魅力を一緒に探っていきましょう!
楽曲名「キンモクセイ」とは
「キンモクセイ(金木犀)」とは
- モクセイ科モクセイ属の常緑小高木樹。
のことを示します。秋を象徴する上図の黄色い花です。
歌詞中では「君のイメージ金木犀よ」と綴られており、好意を寄せる相手の印象を「キンモクセイ」と表していることが分かります。
そしてタイトル名に着目するにあたって一番紹介したかったのがキンモクセイの花言葉。実は以下の複数の意味があります。
- 謙遜
- 気高い
- 真実
- 初恋
- 誘惑
- 陶酔
全ての意味が当てはまるような気がしますが、歌詞考察を終えたうえで先にお話しさせて頂くと、本楽曲においては赤字で塗りつぶした恋に関連する花言葉がかなり重要な意味を担っています。
楽曲を聴き込んでいるファンの方はこの時点でピンと来ているのではないでしょうか。それでは本題の歌詞に迫っていきましょう!
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歌詞
溜まりに溜まって、また迷惑かけて
無邪気が過ぎた僕を叱ってああでもないこうでもない
君に愚痴吐いて生き間に合ってる
坂道の途中でぶちまけたサイダー
襟をつまんで揺らしてる 生ぬるい風で汗は乾いてく信号のない十字路2人で話した
日が暮れるくらい 呆れるくらい
信号のない十字路
君は反対方向を見ていた ずっと見ていたやっぱビビッときてるよ 君のイメージ金木犀よ
香りまで妄想しちゃうなんてバカね
夏の終わりの初夏の気温は 気持ちをとっくにのせてた
最高 あんた最高
グッときた心臓バンっと割れる前髪で隠さないで君はいつも言う
目つきの悪い僕の目 みるのは少し斜め
ゴミで溢れた部屋で思った
握ってたいのはスマホじゃない あんたの右手だ言うことは単純だけど 今じゃ出来てるアイコンタクト
体温すらも 一目で分かる
夏の終わりが寂しいなんては とっくのとっくに消えてた
最低 すら最高
ギュッとなる心臓パっと晴れるハルが酔ってみているような 黄色っぽい映画のその先を
君の歩いたスピードを 思い褪せて焦っていく空やっぱビビッときてるよ 君のイメージ金木犀よ
香りまで妄想しちゃうなんてバカね
夏の終わりの初夏の気温は 気持ちをとっくにのせてた
最高 あんた最高
グッときた心臓弾け飛んだやっぱビビッときてるよ 君のイメージ金木犀よ
香りまで妄想しちゃうなんてバカね
夏の終わりが寂しいなんては とっくのとっくに消えてた
最高 もう最高
グッときた心臓バンっと割れる溜まりに溜まって、また迷惑かけて
無邪気が過ぎた僕を叱って作詞:スズキナオト
歌詞の意味・解釈
1番
溜まりに溜まって、また迷惑かけて
無邪気が過ぎた僕を叱って
実はこの歌い出しが楽曲の世界観を構成するのに重要な役割を担っています。
ちなみに冒頭歌詞は歌い出しだけではなく最後の歌詞にも起用されています。
つまりこの後に続いていく歌詞を「本歌詞」だとすると、この部分は「序章・終章」の部分になります。
無邪気が過ぎた僕を叱って…
と綴られていることからも分かるように、本楽曲の中身は主人公の回想。
しかも花言葉から察するに「初恋の相手との過去」を想起しているようです。
実体験のように綴られていくのに、どこか俯瞰的な歌詞だった理由は、ここにあります。あくまでも回想だったからです。
これを把握しておくだけでも楽曲の見方が変わってきますよね。それでは回想の中身をのぞいていきましょう。
ああでもないこうでもない
君に愚痴吐いて生き間に合ってる
坂道の途中でぶちまけたサイダー
襟をつまんで揺らしてる 生ぬるい風で汗は乾いてく
サイダーや風が汗を乾かす情景など、回想の舞台は「君がいた夏」といったところ。
生き間に合っているという聞き慣れない言葉は造語であり「生きるのに十分だ」といった意味を持っているのでしょう。
君に愚痴を吐きながら他愛ない会話を繰り返す。
何となく流れていくこの景色だけで、主人公は満たされていた。生き間に合っていた。
信号のない十字路2人で話した
日が暮れるくらい 呆れるくらい
信号のない十字路
君は反対方向を見ていた ずっと見ていた
具体的な情景表現で歌詞が構成されているため、二人の登場人物が織りなす景色を鮮明に思い浮かべることができるのではないでしょうか。
そしてとにかく伝わるのは、主人公が君に夢中であること。
君が反対方向を向いていることに切なさを感じさせるトリックが仕掛けられているのですが、ここは金木犀の花言葉にもあるように「陶酔」している主人公の色がとにかく強い。
サビ1
やっぱビビッときてるよ 君のイメージ金木犀よ
香りまで妄想しちゃうなんてバカね
夏の終わりの初夏の気温は 気持ちをとっくにのせてた
最高 あんた最高
グッときた心臓バンっと割れる
「君のイメージ金木犀よ」という鮮烈な歌詞が目立つサビ1。色々深堀りしがいのある歌詞ですが、個人的に特筆して伝えたいポイントが2つあります。
1つはシンプルに面白いと思った歌詞のフレーズ「夏の終わりの初夏の気温」です。
夏の終わりの初夏…なんて一見矛盾しているようにしか感じませんが、おそらくは夏の終わりである僕らの舞台と初夏のように熱中している僕の想いを比喩しているのでしょう。
過去の恋愛を想起していることを念頭に置いて考えると、この温度差は切なさを孕んでいることに気付くことができます。
そして2つ目は「君のイメージ金木犀よ」と言ってしまう主人公の心情です。
これに関しては、金木犀の花言葉が刺さるから。
という結論を持って解釈を終えることもできるのですが、主人公の立場になって考えると、花言葉の意味どうこうというよりは「君を想起しているときに金木犀の花の匂いが漂ってきた」という単純な理由が大きいのではと思っています。
ただこの単純なカラクリには実はすごく切ない背景が隠されています。というのも金木犀が咲く季節は秋なんですよね。
この時点で「あっ」と気付いた方も多いかと思いますが、回想の舞台は夏です。
主人公は夏の終わりの初夏の気温にいたはずです。それなのに君のイメージは金木犀。
つまり一緒にいたときに「君のイメージ金木犀」と感じたわけではなく、夏が過ぎ去って君がいなくって「君のイメージ金木犀」というのが定着してきたといった感じです。
すごくポジティブなノリで歌われているのですが、実はすごく切ない心情を爽やかに歌い上げているのです… 2番以降の情景も必見です。一緒に後を追っていきましょう!
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