【Creepy Nuts】の「Bling-Bang-Bang-Born(読み方:ブリング バン バン ボーン)」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✓ 「マッシュル」の世界観にマッチした歌詞
✓ R指定の圧倒的なボースティング
✓ 散りばめられた言葉遊びの数々
世界的な大流行を巻き起こした話題作。そのリリックについて、背景知識も含めて細かく解説していきます。
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アニメ「マッシュル」OP曲
今回紹介していく「Bling-Bang-Bang-Born」は、アニメ「マッシュル-MASHLE-」第二期OP主題歌として書き下ろされた楽曲です。
アニメのOP映像をきっかけに、一度聴いたら耳から離れないサビと、印象的なダンスがTikTokを中心に大流行。
日本のヒットチャート1位は勿論、世界各国のHiphopチャートで1位に輝き、Spotifyの全世界・全ジャンルの楽曲を対象としたTop Songs Globalでも100位以内にランクインするなど、世界の音楽チャートを席巻しています。
この大ヒットにはCreepy NutsのDJ松永さんも、自身のXにて「ええええ!!やばい!!!」「なんか色々すごいことになってる??笑」と驚きの声を挙げていました。
「マッシュル-MASHLE-」は『週刊少年ジャンプ』にて連載された、甲本一原作の人気マンガ作品。
誰もが当たり前のように魔法を使える「魔法界」で、全く魔法を使えない主人公・マッシュが、鍛え上げたその身一つで躍進する姿が描かれています。
Creepy NutsのR指定さんは楽曲について、
マッシュルOP主題歌を、Creepy Nutsが担当させていただく事になりました!
おこがましい話ですが。魔法が当たり前の世界で、何の魔法も使えないマッシュが生身のまま全てを蹴散らして行く姿…どうしてもHIP HOPにおける自分達と重ねてしまい、今回の楽曲が誕生しました。「Bling-Bang-Bang-Born」は造語というか勝手に作った呪文ですが、歌詞を見てもらえたら意味が分かると思います!
凄く元気の出るおまじないです! 自信作ですので、アニメ共々お楽しみください!!
とコメントされています。
作中のマッシュと同じく、鍛え上げたスキルだけでHIP HOP界での絶対的な地位を築き上げてきたCreepy Nuts。
そんな彼らの生き様が詰まった楽曲を、この記事では分かりやすく解説していきます。
「Bling-Bang-Bang-Born」の意味やCreepy Nutsの境遇、英語のスラングなどについても、記事中で詳しく説明いたします!
歌詞
チート、Gifted、荒技、Wanted
禁忌、禁じ手、明らか盲点
反則、異次元、この世の中のもんでは無いです
無理ゲー、それ聞いてないって…
Ay ライバル口を揃えて
Wow ライバル口を揃えて
バグで、まぐれ、認めねーゼッテー
マジで?コレおま…全部生身で?It’s 生身 It’s 生身 yeah-yeah-yeah-yeah
Bling-bang-bang, bling-bang-bang-born
Bling-bang-bang, bling-bang-bang-born実力を発揮し切る前に
相手の方がバックれてくらしい
上がり切るハードル Very happy
あきらかにダントツでピカイチ
相変わらず脱皮してる毎日 (Bling-bling-bling)
誰の七光も要らないお前のiceよりicy (Icy)
俺、パッと見出来ない事ばっかりだけど Very happy
あ、キレてる…呆れてる周り
恵まれてる家族友達 (Happy)
もう反則的立ち位置、皆俺に任せとけば良い (Bang-bang-bang)
教科書に無い、問題集に無い
超badな呪い Listen鏡よ鏡答えちゃって
Who’s the best? I’m the best! Oh yeah
生身のまま行けるとこまで
To the next, to the 1番上Now singin’
Bling-bang-bang, bling-bang-bang, bling-bang-bang-born
Bling-bang-bang, bling-bang-bang, bling-bang-bang-born
Bling-bang-bang, bling-bang-bang, bling-bang-bang-born
To the next, to the 1番上Ey-day 俺のままで居るだけで超 Flex
Ey-day 誰も口を挟めない (Don’t test)
Ey-day 俺のままで居るだけで超 Flex
Ey-day 誰も口を挟ませない (Don’t test)Yeah, yeah, yeah
学歴も無い前科も無い余裕で Bling-bling
この存在自体が文化財な脳味噌 Bling-bling
高級車は買える免許は無い愛車 Green, green
全国各地揺らす逸品
このベロが Bling-bling
バレットなら満タン
関西訛り生身のコトダマ
音楽、幸運、勝利の女神、今宵も三股 Bang bang
漫画みたいな輩とまんまで張りあえてしまってる漫画
圧倒的チカラこの頭と口からこの身体 Tattoo は入って無い
このツラに傷もついて無い
繰り返しやらかしてくダメージが
イカつい年輪を刻む皺
Bling-bang-bang, bling-bang-bang, bling-bang-bang-born
俺のままで Blingして Bangして Bangする為に Bornして来たニッポン鏡よ鏡答えちゃって
Who’s the best? I’m the best! Oh yeah
生身のまま行けるとこまで
To the next, to the 1番上Now singin’
Bling-bang-bang, bling-bang-bang, bling-bang-bang-born
Bling-bang-bang, bling-bang-bang, bling-bang-bang-born
Bling-bang-bang, bling-bang-bang, bling-bang-bang-born
To the next, to the 1番上Ey-day 俺のままで居るだけで超 Flex
Ey-day 誰も口を挟めない (Don’t test)
Ey-day 俺のままで居るだけで超 Flex
Ey-day 誰も口を挟ませない (Don’t test)作詞:R指定
歌詞の意味・解釈
1番
チート、Gifted、荒技、Wanted
禁忌、禁じ手、明らか盲点
反則、異次元、この世の中のもんでは無いです
無理ゲー、それ聞いてないって…
Ay ライバル口を揃えて
Wow ライバル口を揃えて
バグで、まぐれ、認めねーゼッテー
マジで?コレおま…全部生身で?
先述したように、マンガ「マッシュル-MASHLE-」において、主人公マッシュは誰もが当然のように扱える魔法を使うことができません。なのに、鍛え上げられその体だけでライバルを蹴散らしてしまう圧倒的な存在。
《反則、異次元、この世の中のもんでは無いです 無理ゲー、それ聞いてないって…》
負けて悔しいとかそんな感情ではなくて、自分の常識では到底理解できない生身のマシュルの実力に対し、ライバルたちは畏怖の念を抱くほかありません。
《バグで、まぐれ、認めねーゼッテー マジで?コレおま…全部生身で?》
冒頭の歌詞は、これまでに蹴散らされてきたライバルたちからの捨て台詞と思しき言葉が羅列されています。
一方で、Creepy NutsもHIP HOPの世界ではどちらかと言えば異端の存在です。
薬物、犯罪歴、不良としての武勇伝がものを言うアンダーグラウンドの世界で、不良でもなければイカつい肉体があるわけでもないのに、そのトップオブトップに君臨し続ける絶対的王者。
HIP HOPカルチャーでは、自分ががいかに優れているかを詩に込める「ボースティング」と呼ばれる文化があります。
今回の楽曲「Bling-Bang-Bang-Born」では、マッシュに姿を重ねながら、生身で頂点に駆けあがってきたCreepy Nutsのボースティングがこれでもかと綴られていきます。
一度聴いたら耳から離れないジャージー・クラブのトラックも最高です。
実力を発揮し切る前に
相手の方がバックれてくらしい
上がり切るハードル Very happy
あきらかにダントツでピカイチ
相変わらず脱皮してる毎日 (Bling-bling-bling)
誰の七光も要らないお前のiceよりicy (Icy)
早速、自分がいかにヤバいかを綴ったボースティング。
《実力を発揮し切る前に 相手の方がバックれてくらしい》
圧倒的なスキルで敵なしのCreepy Nutsの境遇が、作中のマッシュに重ねています。
バラエティーやTikTokなどで彼らを知った方にはあまりそのイメージは無いのかもしれませんが、R指定さんは日本一のバトルMCを決める『ULTIMATE MC BATTLE』にて、前人未到の3連覇を成し遂げたフリースタイルラップの絶対王者。
相方のDJ松永さんもDJの技術を競う世界大会「DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIPS 2019」に日本代表として出場し、世界一を勝ち取ったNo.1 DJ です。
《上がり切るハードル Very happy あきらかにダントツでピカイチ》
別に親の七光りがあるわけでも、不良としての伝説を持っているわけでもなんでもないのに、磨き上げたスキルで上がり切ったハードルの上を越え続けてきた彼らの生き様が語られています。
言葉遊びやライミングも最初から全開。
HIP HOPで用いられるスラングで、「bling bling」は自分の富や名声を見せつけるような高価な所持品のことを指します。宝石とか車とか。
更に補足すると、HIP HOPでは「ice」は宝石、「icy」はイケてる(宝石)という意味。
よってこの部分のリリックは「脱皮してる毎日」→「bling bling(脱皮の擬音とスラングのWミーニング)」→「お前のice(bling blingから連想、宝石のこと)よりもicy(イケてる)」という、いくつもの意味や繋がりのある言葉が重なったフレーズとなっています。
更に「発揮」「happy」「脱皮」「icy」のように [a-i] の音で踏み続け、「毎日」「ピカイチ」という近い音がそれに追随しているので聞き心地も抜群です。
俺、パッと見出来ない事ばっかりだけど Very happy
あ、キレてる…呆れてる周り
恵まれてる家族友達 (Happy)
もう反則的立ち位置、皆俺に任せとけば良い (Bang-bang-bang)
教科書に無い、問題集に無い
超badな呪い Listen
この部分の歌詞は「魔法が使えない」「陰キャ」といったマッシュの負の側面に触れるような歌詞になっていますが、この部分もCreepy Nutsの境遇と重なる部分があります。
《あ、キレてる…呆れてる周り》
R指定さんは遅刻魔として有名で、仕事の時間に遅れることも多く、きっちりした日常生活を送るのはかなり苦手。一方の松永さんも近年では相方の遅刻癖が伝染したようで、度々仕事に遅刻。また、歯に衣着せぬ発言でトラブルを招くこともしばしば。
そんなパッと見出来ない事ばかりの彼らですが、一度マイクを握れば、ターンテーブルに針を落とせば、誰もその分野で彼らを止めることはできません。
「魔法が使えない」「不良ではない」「遅刻常習犯」そんな教科書通りに行けば上手く行くはずのない彼らの、常識では説明できない成功っぷりがこの楽曲では綴られているのです。
韻に注目すると、先ほどから引き続いて「出来ない」「ばっかり」「happy」「まわり」「友だち」「立ち位置」「ば良い」「無い」「まじない」で [a-i] の韻を継続しつつ、「出来ない」と「very happy」、「あ、キレてる」と「呆れてる」などの固いライミングも披露されています。
鏡よ鏡答えちゃって
Who’s the best? I’m the best! Oh yeah
生身のまま行けるとこまで
To the next, to the 1番上
この部分の歌詞は有名なグリム童話「白雪姫」のワンシーンからのサンプリング。
「白雪姫」においては悪役である母が鏡に「世界で一番美しいのは誰?」と尋ね、鏡が「白雪姫」と答えることで知られていますが、ここでは「Who’s the best?(誰が最高?)」と質問。
さらに、鏡に聞いといて「 I’m the best! Oh yeah(俺が一番だ!)」と自分で回答しています。鏡に聴くまでも無く、自分が最強だという自信が現れたリリックです。
サビ1
Now singin’
Bling-bang-bang, bling-bang-bang, bling-bang-bang-born
Bling-bang-bang, bling-bang-bang, bling-bang-bang-born
Bling-bang-bang, bling-bang-bang, bling-bang-bang-born
To the next, to the 1番上
少し前の歌詞の「超badな呪い(まじない)」に当たるのがこの部分の歌詞「bling-bang-bang-born」であり、世界中で大流行を巻き起こしている名フレーズ。
記事冒頭で紹介したように、R指定さん曰くこの言葉は「造語というか勝手に作った呪文」とのことですが、2番の歌詞でその意味について言及されているのでここでは解説は割愛します。
Ey-day 俺のままで居るだけで超 Flex
Ey-day 誰も口を挟めない (Don’t test)
Ey-day 俺のままで居るだけで超 Flex
Ey-day 誰も口を挟ませない (Don’t test)
英語のスラングで、「Flex」は自慢やカッコつけのこと。
「Don’t test 」は「Don’t test me」もしくは「Don’t test the master」の末尾を省いた言葉と思われ、いずれも「ナメんなよ」的な意味になります。
なにも着飾ったり虚勢を張ったりすることなく、ただ自分のままでいるだけで、圧倒的立ち位置にたどり着いてしまった。そんな自分を誇るような歌詞になっています。
2番では特にR指定さんの生業にスポットライトを当てて、その生き様が語られていきます。
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