【日本三連覇のラッパー】 R-指定と、DJスキルの世界大会で優勝を果たした 【世界一のDJ】DJ松永によるHIPHOPユニット・Creepy Nuts。
ラジオやバラエティをはじめ、ありとあらゆる媒体に活躍の幅を広げながら、世の中に数々の名曲を送り出してきました。2024年にはApple Musicのグローバルチャートで最高2位を記録する歴史的大ヒットを飛ばし、いまや世界中にその名を轟かせています。
本記事ではそんな彼らの楽曲の中から、筆者イチオシの7曲を解説付きでご紹介。
Creepy Nutsをまだよく知らない方にも、Creepy Nutsのファンの方にも、是非お楽しみいただければ幸いです。
ユニット結成当初の楽曲から最新曲(記事執筆時点)まで。彼らの歩んできた道のりを辿りながら、その魅力をお伝えします!
Creepy Nuts のおすすめ曲7選
たりないふたり
2016年1月20日に発売された、Creepy Nutsにとって初の作品「たりないふたり」。
Creepy Nutsがかねてよりファンを公言している、オードリー若林と南海キャンディーズ山里によるお笑いユニット「たりないふたり」。そんな彼らに影響を受け、世間に馴染めない、周りから見れば何か足りていない、そんな自分たちの生き様を自虐的に描いた楽曲です。
《足りない 俺には何か足りない 君にも何か足りない きっと何かが足りない》
HIPHOPは元来不良のカルチャーですが、不良でもなく、かといって学歴があるわけでもない、社会にも上手く馴染めない、そんなCreepy Nutsが「たりない」というルサンチマンを武器に戦っていくことを決意した、彼らの出発点と言える楽曲でしょう。
本家 ”たりないふたり” の二人とも、この楽曲をきっかけに交流を持つこととなります。
メジャーデビュー指南
2017年リリースの、Creepy Nutsの記念すべきメジャーデビュー楽曲。
R指定さんが【R指定本人】と【その厄介な友人】の一人二役を演じ、そのコミカルな掛け合いを通してメジャーアーティストとして活動することの苦悩とそれに対する決意を歌った、とてもユニークなナンバーとなっています。
この楽曲の面白いところは、当時まだ無名だった彼らがビッグマウスやある種の冗談として書き殴った大袈裟なリリックの数々が、見事に次々現実になっていっているところです。
CM曲も作ったし、タイアップも山ほどやったし、アニメのEDテーマも作ったし、カラオケでも歌える大ヒット曲も次々リリース。
《企画 to the 単体 to the 専属 to the Top そんな青写真書きおこす》
《Mステも紅白も射程圏内っちゃ圏内 圏外っちゃ圏外 ド変態》
数え切れない成功を積み上げた、今だからこそ改めて聞きたい一曲です。
助演男優賞
今までの人生では、いつも自分は誰かの人生の助演で脇役でエキストラだった。でもそんな自分が、主役たちへの妬み嫉みや、抱えているコンプレックスを武器にして、いつかは大どんでん返しを。そんな想いを歌った、今なお高い人気を誇るCreepy Nutsの代表曲。
《どうあがいてもしゃあない 俺ら主役の玉じゃない・・・》
《でもチャンスは頂戴 いつか主役の座が奪いたい・・・》
物語の主人公を応援するような楽曲は世の中に数多ありますが、持たざる側、日の目を浴びてこなかった側、ベンチに座る側の人間にスポットライトを当て、その人生を力強く肯定する本楽曲はまさにCreepy Nutsならではの楽曲だと思います。
ここでは詳しく解説しませんが、スラムダンクや俳優・森山未來さんの出演作を絡めながら、見事にリリックが組み立てられた2番なんかは特に、他の追随を許さないR指定さんの圧倒的な作詞センスが光っています。
よふかしのうた
オードリー・若林さんからのオファーを受け制作された、「オードリーのオールナイトニッポン 10周年全国ツアー」公式テーマソング。
《9時に寝るのはなんか嫌だった 何となくただ勿体なかった お前のことがもっと知りたかった》
リリックでは【深夜ラジオ】という存在を自分よりも大人びた女性に置き換え、青年から見たそのアダルトな魅力を巧みに描き出しています。Creepy Nuts自身も当時ラジオパーソナリティとして爆発的な人気を博していたこともあり、ラジオカルチャーとこの楽曲の存在は彼らを語る上で必要不可欠でしょう。
この楽曲に強くインスパイアされて誕生した漫画「よふかしのうた」がのちに大ヒットを記録し、アニメ化した際にはED主題歌として本楽曲が抜擢されたことも記憶に新しいです。
この楽曲だけでなく、OP曲「堕天」と挿入曲「ロスタイム」もCreepy Nutsが制作。いずれも素晴らしい楽曲ですので、「よふかしのうた」とあわせてぜひお楽しみください。
のびしろ
2021年リリース楽曲「のびしろ」。SNSをきっかけに若者を中心に爆発的な人気を集めた、当時の彼らにとっての最大のヒット曲です。
それまで持たざる者としての、キラキラした人たちへのルサンチマンや「たりない」を歌ってきた彼らでしたが、2020年頃から彼らを取り巻く環境もまた急速に変わり始めます。気が付けばテレビに引っ張りだこで、ミュージシャンとしても軌道に乗ってきて、年齢的にも20代後半になり、精神的にもいわゆる ”オトナ” に。もうすっかり【社会に馴染めない若きエキストラ】ではなくなっていました。
《やっとわかってきたかも このポンコツの操縦の仕方を》
《覚えたいことが山のようにある… のびしろしか無いわ》
成長して変化しつつある自分らしさを認め、大人としての次のステップへ。Creepy Nutsの新境地ともいえる楽曲だと思います。
土産話
《なあ相方、大事になったな わりと大事になったな》
ユニット結成から下積み時代の苦悩、そして大どんでん返しの大成功まで。彼らの歩いてきた道を振り返り、綴った楽曲「土産話」。
過去のR指定さんは、歌にするような波乱万丈な物語がない自分の人生にコンプレックスを抱いていました。それが気が付けば、武道館ライブを完遂し、音楽番組やフェスにも引っ張りだこの大人気アーティストに。バラエティ番組やラジオでも実績を積み上げ、もはや誰もたどり着けない位置にいました。
《「書くことがねぇ」嘆いてた人生 振り返るだけで歌になってる》
《今じゃ誰も思わねぇ 俺たちを助演と》
彼らの人生の一幕のエンドロールで流れるような、そんなエピローグ的な楽曲となっています。
《エンドロール流すなら今 みたいな瞬間で溢れてた》
《でも欲張りな俺ら ハッピーエンドのその先を見に来た》
《なぁ相方、じゃこの先は?》
この楽曲のリリースから1年ほど後、Creepy Nutsは音楽活動への専念を理由に、メディア露出の制限を発表します。ラジオスターや人気タレントとしての地位を投げ捨て、音源制作へ。あの楽曲の爆発的な大流行は、そのわずか1年後のことでした。
Bling-Bang-Bang-Born
言わずと知れた大ヒット曲「Bling-Bang-Bang-Born」。その人気は国内にとどまらず、海外30ヵ国以上のiTunes HIPHOPチャートで1位に輝くなど、世界中でとてつもない流行を巻き起こしています。
TVアニメ『マッシュル』主題歌として制作された本楽曲。
魔法が全てを支配する世界で、生身の人間がその身一つで全てを蹴散らしていく。
そんな作中のマッシュの境遇は、不良でもない、武勇伝も無い、社会に馴染めない、そんな何もかも足りない状態から、大どんでん返しで主役の座を奪い取ったCreepy Nutsの境遇とぴったり重なります。
《明らかにダントツでピカイチ》
《学歴も無い 前科も無い 余裕でBling-Bling》
《俺のままでいるだけで 誰も口を挟ませない》
そう歌ったこの楽曲で天下を取ったCreepy Nuts。
国内での大成功というハッピーエンドのその先で掴み取った、最高の景色だと思います。
おわりに
Creepy Nutsの楽曲をご紹介しながら、彼らが歩んできた道のりを振り返りました。
楽曲紹介というよりCreepy Nutsの紹介記事になってしまいましたが、少しでも多くの方に彼らの魅力が伝われば、私としては嬉しい限りです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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