【カンザキイオリ】の
「あの夏が飽和する。」について
MVと歌詞の意味を徹底的に
考察・解説していきたいと思います。
まふまふカバーにより
知名度がグンと上がりましたが
元々は、鏡音レン・リンが歌っています。
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楽曲名「あの夏が飽和する。」とは
「飽和」とは
含みもつことのできる最大限度に達して、
それ以上余地のないこと。
最大限度まで満たすこと。
また、最大限度まで満たされていること。
という意味になっています。
「あの夏が飽和する。」
この楽曲名が歌詞の内容と
どう関与しているのでしょうか。
MVの意味・解釈
こちらが本家になります。
あえてMVを文字だけにすることで
歌詞に込められた想いの深さ。
情景が、より想像させられますね。
テキストだけなのに世界観が広がります。
こちらは、まふまふカバーになります。
本家も、もちろんいいですが
こちらも歌い手の感情移入がビシビシと伝わってきて、心に響くものがありますね。
どちらもよすぎる、、、
では、ここから本題の歌詞に迫っていきます。
まさに壮大な映画です。
是非、最後までご覧ください!
歌詞
「昨日人を殺したんだ」
君はそう言っていた。
梅雨時ずぶ濡れのまんま、
部屋の前で泣いていた。
夏が始まったばかりというのに、
君はひどく震えていた。
そんな話で始まる、あの夏の日の記憶だ。「殺したのは隣の席の、
いつも虐めてくるアイツ。
もう嫌になって、肩を突き飛ばして、
打ち所が悪かったんだ。
もうここには居られないと思うし、
どっか遠いとこで死んでくるよ」そんな君に僕は言った。
「それじゃ僕も連れてって」
財布を持って、ナイフを持って、
携帯ゲームもカバンに詰めて、
いらないものは全部、壊していこう。
あの写真も、あの日記も、
今となっちゃもういらないさ。
人殺しと、ダメ人間の君と僕の旅だ。そして僕らは逃げ出した。
この狭い狭いこの世界から。
家族もクラスの奴らも
何もかも全部捨てて君と二人で。
遠い遠い誰もいない場所で二人で死のうよ。
もうこの世界に価値などないよ、
人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか。
君は何も悪くないよ。君は何も悪くないよ。結局僕ら誰にも
愛されたことなど無かったんだ。
そんな嫌な共通点で
僕らは簡単に信じあってきた。
君の手を握った時
微かな震えも既に無くなっていて、
誰にも縛られないで二人、線路の上を歩いた。金を盗んで、二人で逃げて、
どこにも行ける気がしたんだ。
今更怖いものは、僕らにはなかったんだ。
額の汗も、落ちたメガネも
「今となっちゃどうでもいいさ。
あぶれ者の、小さな逃避行の旅だ」いつか夢見た優しくて、
誰にも好かれる主人公なら、
汚くなった僕たちも
見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな?
「そんな夢なら捨てたよ、
だって現実を見ろよ?
シアワセの四文字なんてなかった
今までの人生で思い知ったじゃないか。
自分は何も悪くねえと、誰もがきっと思ってる」宛ても無く彷徨う蝉の群れに、
水も無くなり揺れ出す視界に、
迫り狂う鬼たちの怒号に、
バカみたいにはしゃぎあい
ふと君はナイフをとった。
「君が今までそばにいたから
ここまでこれたんだ。
だからもういいよ。もういいよ。
死ぬのは私一人でいいよ。」そして君は首を切った。
まるで何かの映画のワンシーンだ。
白昼夢を見ている気がした。
気づけば僕は捕まって。
君がどこにも見つからなくって。
君だけがどこにもいなくって。そして時は過ぎて言った。
ただ暑い暑い日が過ぎてった。
家族もクラスの奴らもいるのに
なぜか君だけはどこにもいない。
あの夏の日を思い出す。 僕は今も今でも歌ってる。
君をずっと探しているんだ。
君に言いたいことがあるんだ。9月の終わりにくしゃみして
6月の匂いを繰り返す。
君の笑顔は、君の無邪気さは、
頭の中を飽和している。
誰も何も悪くないよ。
君は何も悪くはないから、
もういいよ、投げ出してしまおう。
そう言って欲しかったのだろう?なあ?
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歌詞の意味・解釈
1番
「昨日人を殺したんだ」
君はそう言っていた。
梅雨時ずぶ濡れのまんま、
部屋の前で泣いていた。
夏が始まったばかりというのに、
君はひどく震えていた。
そんな話で始まる、あの夏の日の記憶だ。
この歌詞の時節は初夏。
梅雨の豪雨の中、
夏の暑さとは対照的に
震えながら泣いている君が
主人公の前に現れます。
そして
「昨日人を殺したんだ」
と、なげかけるのです。
「殺したのは隣の席の、
いつも虐めてくるアイツ。
もう嫌になって、肩を突き飛ばして、
打ち所が悪かったんだ。
もうここには居られないと思うし、
どっか遠いとこで死んでくるよ」
君は、日常の中で虐めを受けていました。
苦しい中、今までずっと我慢してきたものの
どうやら我慢の限界がきたのでしょう。
カッとなって、相手を突き飛ばします。
それが、思わぬ大事故になったのです。
正当防衛とはいえ、人殺しという事実は、
どうしたって拭うことが出来ません。
それを分かっている君は
もうここには居られないと思うし、
どっか遠いとこで死んでくるよ
と、最後に主人公に伝えに来たのです。
そんな君に僕は言った。
「それじゃ僕も連れてって」
財布を持って、ナイフを持って、
携帯ゲームもカバンに詰めて、
いらないものは全部、壊していこう。
あの写真も、あの日記も、
今となっちゃもういらないさ。
人殺しと、ダメ人間の君と僕の旅だ。
そんな君に対し主人公は
「それじゃ僕も連れてって」
と応答します。
君が起こしてしまった事件を
肯定することも、否定することもなく
ただ、一緒にいる道を選ぶのです。
あの写真も、あの日記も、
今となっちゃもういらないさ。
と、後戻りができない選択とわかっていながらも、君と前に進んでいくのです。
それだけ、君の存在が大きいのでしょう。
さらに、主人公は自分を
「ダメ人間」と称しています。
本当にそう思っている部分もあるのでしょうが、
ここの背景には、
“人殺しの君が自分に気おくれしないように”
といった配慮、思いやりも込められているのでしょう。
肩を並べて旅立ちたいのです。
サビ1
そして僕らは逃げ出した。
この狭い狭いこの世界から。
家族もクラスの奴らも
何もかも全部捨てて君と二人で。
遠い遠い誰もいない場所で二人で死のうよ。
もうこの世界に価値などないよ、
人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか。
君は何も悪くないよ。君は何も悪くないよ。
家族も友人も、
自分たちに関わる全ての人達を捨てて、
世界から逃げ出します。
やったことは、取り返しのつかない。
だから
他とは一切干渉せずに
ずっと二人でいよう(逃げよう)よ。
と言っています。
ここの歌詞にある、人殺しというのは
直接的な意味だけではなく
- SNS上の誹謗中傷や
- 実際に君が受けていた虐め
- 命を軽率に扱う言葉
も含まれているのでしょう。
そんな汚い世の中で
君は自分の身を守るために、
相手を突き飛ばしただけなのです。
だから
君は何も悪くないよ。
と主人公は心からの想いを伝えるのです。
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コメント
すごくわかりやすかったです!
感想もすごく共感できました!
ありがとうございますっ!
コメントありがとうございます。
本当に感慨深い物語ですよね。
君だけはどこにもいない
というところはもしかしたら殺したと思っていたいじめっ子は生きていて君だけが死んでしまった。
ということを言いたかったのかなと思っていました。そういう考え方もあるんですね。
なるほど、そういった解釈もあるのですね。私は単純に「生きている自分」と対比して「君だけは」とあるのだと解釈致しましたが、そう考えると君の死が無駄になるような気がして尚更心を締め付けられますね。コメントありがとうございます。
そっか…
深い意味のある曲ですね。
ボカロイドは感情がなくていやだ。と聞いたことがあります
人の価値観はそれぞれですが。
ボカロイドの声は感情(は)こもっていませんが、感情が無い=裏切らないということです。
歌を歌う時に気持ちを込めたくて、意味を探していたのでとても役にたちました。本当にありがとうございます!
下の方が既に書かれていますが、
私も「君だけだけはどこにもいない」という歌詞から、いじめっ子は生きているのだと思っていましたが、、そのように解釈することもできますね!
わかりやすい解説ありがとうございます!
物語のメッセージ性が深く、一つ一つの情景に込められた想いに胸を打たれますよね。こちらこそポジティブなコメントありがとうございます。励みになります(‘ω’)
いじめを受けている 君 の辛さなどがよく分かりました。いじめっ子はただ気を失ったりしただけで、本当は生きていたのかも知れないですね……
そう考えると本当にゾッとしますよね。。。
兎にも角にも奥ゆかしいです、、、
考察ありがとうございます 共感する部分がたくさんありました! 意味が分かるともっと考えさせられますよね…虐めとか無くしたい
解釈ありがとうございます。
そういえば、もうすぐこの歌の小説が発売しますね
夏に飽和するの歌の意味を知って、もっと歌が好きになれました。ありがとうございます。
意味を知って聞くと、前よりも一つ一つの歌詞が心に残りますね。色々思い知らされた気がします。虐めは悪いなと改めて思いました。
コメントありがとうございます。
本当に考えさせられることが多い楽曲ですよね。仰る通り一つ一つの歌詞が心に残ります…
とてもいい考察だと思ういます。曲を聴いていったらだんだんひかれていく意味の深い曲だと思います。
一番の歌詞の、
「財布を持って、ナイフを持って、携帯ゲームもカバンに詰めていらないものは全部壊していこう」
という歌詞に財布や携帯、ゲームの中ナイフという危ない凶器が入っているのにそれを気づかせない、なじんでいるという感じがします。さすがカンザキイオリさんです!!
そっか、そっか。
そういうことだったんだな
私は「君」は追い詰められていたのに、「僕」が携帯ゲームもいらないものにできない程度の幼稚な覚悟で相乗りしたから、「君」は死にたくないのに死ぬハメになったんだと思います。
「君」が「死にたい」「この世界に価値などない」と思っていたなら「私ひとりでいい」とはならないですし
「僕」が「この世界に価値などない」と思っているなら、後追うことは簡単ですし
と考えると「もういいよ」が凄いつらいです。
以上の解釈から、どうしても「僕」が不幸に浸っている独りよがりにみえて好きになれないです。
とても分かりやすかったです
すごく泣きました。
辛い環境にいるので、裏切られたことがいっぱいあるので、この主人公の気持ちがよくわかります。
ずっと「君」を探し求めてる主人公が一途でいいなと思いながら読んでいました。
それに、すごく共感できました。
これまで以上にこの曲が好きになれました