【Aimer(エメ)】の
「I beg you(アイベッグユー)」について
MVと歌詞の意味を徹底的に
考察および解説していきたいと思います。
劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」 II.lost butterflyの主題歌でもある為、Fateの世界観との相関がかなり強いです。
是非、最後までご覧ください!
スポンサーリンク
楽曲名「I beg you」とは
「I beg you」とは
私はあなたを求める。
という意味になっています。
この楽曲名が歌詞の内容と
どう関与しているのでしょうか。
MVの意味・解釈
MVはメルヘンチックな世界観の中にダークな雰囲気を感じますね。
最初は楽し気に踊ったり笑ったりしている女性ですが後半からは何か異質な黒い存在に絡みつかれ、世界そのものが壊れていく様子が伺えます。
こちらの楽曲は、2019年1月12日から公開になる、劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」 II.lost butterflyの主題歌となっておりMVの内容も劇中に登場する人物「間桐桜」の心情を色濃く描いている物になっています。
Aimerさんはインタビューにて今回の楽曲は多重人格的な曲になったと言っていました。まさに「間桐桜」を表すものとしてぴったりな表現なのです。
後述する歌詞では「間桐桜」の心情や人間性についても触れていきたいと思います。
では、本題の歌詞に迫っていきます。
※ネタバレ注意!!
2019年1月12日に公開した、劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」 II.lost butterflyおよびFate/stay nightシリーズのネタバレを含みます。
歌詞
哀れみをください
落ちた小鳥にそっと触れるような
悲しみをください涙汲んで 見下ろして
可愛そうだと口に出して
靴の先で転がしても構わないわ
汚れててもいいからと 泥だらけの手を取ってねぇ輪になって踊りましょう
目障りな有象無象は
全て食べてしまいましょう
スパイスは耐え難いくらいがいいわ怯えた小鳥は
さよならなんて言えなくて
愛を請う仕草で
黙り込んで慎ましいつもりでいたLie Lie It’s A Lie
Not A Lie もう辛い 散々傷ついて
優しい世界に誰だって行きたいわ一つに溶けてしまいましょう
憎しみも愛情もむしゃむしゃと
頬張ってしまいましょう
混沌の甘い甘い壺の中で曖昧に笑うから 会いたいと思うのよ
I know you’re here to stay with me
愛されていたいだけ
Lie Lie Lie You’re to be with me
雷鳴の裂くところ
惨憺たるHeavenly Feeling
愛だけ残ればいい津々と悲しみだけが降り積もる
願望も悔恨もただ埋め尽くす
絆結んだ遠い春の日を
傷跡さえも 消えてしまうの?やがてキラキラ夢の中
朽ちてゆく光はあなたに
届くはずだから
眩しくて涙が止まらないねぇどうかそばにいて
泥だらけの手をとって
離さないで どうかずっと側にいて
離さないで 暗くなるの 側にいて
離さないで 言えないわ ただずっと側にいて
離さないで ただずっと 愛してる
スポンサーリンク
歌詞の意味・解釈
1番
哀れみをください
落ちた小鳥にそっと触れるような
悲しみをください涙汲んで 見下ろして
可愛そうだと口に出して
靴の先で転がしても構わないわ
汚れててもいいからと 泥だらけの手を取って
哀れんで、優しくして、見下して、可愛そうだと、どんなに汚れていたとしても手を取って欲しい。これらの歌詞は全て間桐桜の心情を描いています。
特に注目すべき箇所が
汚れててもいいからと 泥だらけの手を取って
この歌詞は桜の心情全てと言っていいでしょう。自身がどんなに汚れた存在であっても手を取って救い上げて欲しい。自分を助けてくれるヒーロー=正義の味方を求めています。
その正義の味方とは作品の主人公、「衛宮士郎」のことを指しています。
また、正義の味方というのは衛宮士郎の根幹をなすテーマでもあるのですが今回は触れないでおきます。
彼女にとって士郎はとても大切な存在であり、その士郎には自身を受け入れて欲しい感情と汚れた自分を知られたくないという矛盾を抱えて彼女は葛藤しています。
劇中ではその抑え込んでいた感情がとあるきっかけで解き放たれることにより、物語は一気に動き出します。
サビ1
ねぇ輪になって踊りましょう
目障りな有象無象は
全て食べてしまいましょう
スパイスは耐え難いくらいがいいわ
目障りな有象無象は
全て食べてしまいましょう
目障りな有象無象とは士郎以外のマスターやサーヴァントを指しています。
士郎は聖杯戦争に関わり、生死をかけた戦いをしなければなりません。それは桜にとって大切な存在である士郎が傷つき、もしかしたら死んでしまうかもしれない。そんなことは許せない彼女は士郎に敵対する存在に対して文字通り食べてしまうことで排除にかかります。
スパイスは耐え難いくらいがいいわ
耐え難いほどのスパイスというのはサーヴァントを取り込んだ際の桜自身にかかる負担のことでしょうか。今作で小聖杯として覚醒した彼女はサーヴァントを取り込む度に彼女自身の精神や人格を削いでいきます。そうしたことでより一層、桜の抑え込んでいた心が歪な形で現れて行きます。
冒頭でも話した通り多重人格的な曲とAimerさんは言っていましたが以降の歌詞でもより顕著に現れて行きます。
2番
怯えた小鳥は
さよならなんて言えなくて
愛を請う仕草で
黙り込んで慎ましいつもりでいたLie Lie It’s A Lie
Not A Lie もう辛い 散々傷ついて
優しい世界に誰だって行きたいわ
愛を請う仕草で
黙り込んで慎ましいつもりでいた
彼女が黙り込んでいたこととは自身がマスターであることや間桐の家の魔術師であること、間桐の家での過酷な環境下での魔術の訓練は結果、彼女をきれいな体ではなくしてしまったこと。聖杯戦争には決して無関係ではなくむしろ関係者である彼女は士郎が桜を聖杯戦争に関わらせず、平和に暮らしてほしいという気持ちを知っています。彼女は守られる存在なのです。
そうやって心配し気にかけてくれる士郎の優しさに甘え、彼女は士郎には自信がマスターであることなどの秘密を打ち明けません。黙ってさえいれば今の関係を壊すことなくいられるのだから。
Lie Lie It’s A Lie
Not A Lie もう辛い 散々傷ついて
優しい世界に誰だって行きたいわ
Lieとは嘘という意味です。
桜自身の感情の根底では汚れた私を救ってほしいといった願いがあります。士郎に自身のことを打ち明けず守られるだけの存在。根底にある願いを無視している慎ましいだけの彼女は嘘なのです。
Not A Lieとは嘘ではないという意味です。
間桐の家での境遇で散々傷つき、士郎に嘘をついて隠し事を続ける彼女は既に限界に達しています。救われ、優しい世界に行きたい。その願いは決して嘘ではないのです。
スポンサーリンク
コメント
i beg you
パッと聴くと、一見綺麗な良い歌詞に思う。
けど、MV見ながら聴いて掘り下げていくと
二股等をかけた独りの人間の相手の異性たちへの恐怖、懺悔と、罪悪感から逃れるための言い訳、一方的な独り善がりの愛という名の欺瞞だと思いました。
歌詞と、それに対応する物語(映画)のエピソードを丁寧に拾ってある、上質で説得力の非常に高い考察だと思いました。
ほぼ全て書いてある通りだと思うのですが、一点、サビ1の「目障りな有象無象は 全て食べてしまいましょう」のところ、ここだけは唯一物語内に描写がないところだと思います。
聖杯の影はサーヴァントを飲み込んでいきましたが、それを桜が意識して、あるいは無意識のうちにやったと考えるのには無理があるかと。
それは士郎を守るためではなく、小聖杯を完成させたいゾウケンの誘導であったり、降り掛かる火の粉を払っただけ(ギルガメッシュの時)だと思います(特にギルガメッシュはまさに「目障りな有象無象」って感じしますね)。
とはいえ、サーヴァントを飲み込んでいくのを士郎のためだと解釈すると、桜の健気さが一層際立つのは確かだと思います。本編に沿ってこそいませんが、それはそれで全然ありというか、説得力は高いと思いました。