映画「『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』III.spring song」の主題歌!
【Aimer(エメ)】の「春はゆく」について
歌詞の意味を徹底的に
考察および解説していきたいと思います。
・前作との関連性
が本記事の見どころになっています。
※ギリギリ今作のネタバレにならないよう記事を執筆させて頂きました。
「花の唄」「I beg you」に続き、Fateの主題歌として圧巻の出来になっておりました。では「春はゆく」を徹底的に深堀りしていきましょう。
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楽曲の基本情報
冒頭でも述べましたが、今回紹介していく「春はゆく」は映画「『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』III.spring song」の主題歌として書き下ろされた楽曲です。
[Heaven’s Feel]の三作目となる本楽曲は、前作の「花の唄」「I beg you」と同じく、劇中に登場する人物「間桐桜」の心情を色濃く描いたものになっています。
また作詞作曲を担当したAimerさんは
「花の唄」「I beg you」にも今一度想い馳せながら、“完結編”、何度でもみなさんに観てほしいです。
と楽曲についてコメントを残しています。
後述していく歌詞考察では、上記楽曲との関連性にも触れていきたいと思います。
またMVの主人公を担当した浜辺美波は
少女の面影を残すようなポーズやニュアンスを入れつつ、少女の後悔から希望をみつけ、浄化されるまでを演じてほしい。
と監督から指示されたとのこと。
細かい部分ですが、MVで浜辺さんが指示されたのは、間違いなく「間桐桜」の生き様に寄り添ったものです。
それでは本題の楽曲考察に移っていきましょう。まずはタイトルからメッセージ性を読み取っていきます。
楽曲名「春はゆく」とは
さて「春はゆく」という本楽曲のタイトルは
- 映画タイトル名に重なる
- 主人公「間桐桜」を連想させる
といった二つの側面があります。
まず映画タイトル名に重なるという項目に関してですが、ここは一目瞭然ですね。「『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』III.spring song」とあるように、春を意味する「spring」が楽曲のイメージと重なります。
続いて「間桐桜」を連想させるというのは、春を象徴させるのものが「桜」であり、桜を象徴させるものが「春」であるため、安易的ではあるが春=桜という解釈を生み出すことができる。
つまり楽曲名「春はゆく」は
間桐桜はゆく。
と解釈しても差し支えない。
ただ問題になってくるのは「どこにゆくのか」という部分になるのですが、ここは結末のネタバレになってしまうので、本記事では触れないでおきます。
前作までで暗く切ない経験を経て、みるみる人間性が欠けていった「間桐桜」。本楽曲では彼女のどのような想いが描かれているのでしょうか。
ではいよいよ歌詞に迫っていきます。
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歌詞
深々と降り積もる 時の中
歓びも苦しみも 等しく
二人の手のひらで 溶けてゆく
微笑みも贖いも あなたの側で消え去ってゆくことも
ひとりではできなくて
弱虫で身勝手な私償えない影を背負って
約束の場所は花の盛り罪も愛も顧みず 春はゆく
輝きはただ空に 眩しく
私を許さないでいてくれる
壊れたい 生まれたいあなたのそばで笑うよ
せめて そばにいる
大事な人達に
いつも私を 幸せにいると
優しい夢を届けて
あなたのそばにいる作詞作曲:梶浦由記
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歌詞の意味・解釈
深々と降り積もる 時の中
歓びも苦しみも 等しく
二人の手のひらで 溶けてゆく
微笑みも贖いも あなたの側で
まず冒頭の歌詞では
- 悲劇続きの桜の人生
- 自身の救いである衛宮士郎
という二つのテーマが絡み合っています。
まず「深々」という言葉は、一般的に奥深いさまを表す言葉なのですが、その中でも寒さなどが身に深くしみるさまといった寒色カラーの心情を表す含みがあります。
つまり「深々と降りつもる時」というのは、これまで桜が通らざるを得なかった過酷な人生を指している。ただ過酷な人生の中でも何よりも大切な「士郎の存在」のおかげで、一筋の希望は桜の人生を照らしてくれています。
「二人の手のひらで溶けてゆく」と歌詞中にあるように、桜は士郎の存在のおかげで後悔や罪悪感が浄化されて溶けてゆく。
「苦境の中も、あなた(士郎)さえいれば生きていける」そんな桜の想いが冒頭歌詞では凝縮されているのです。
消え去ってゆくことも
ひとりではできなくて
弱虫で身勝手な私
桜は強い部分と弱い部分が極端。
前作で黒桜として覚醒した彼女は、士郎の敵対するものを喰らい人格を破綻していったものの、潜在能力としては間違いなく「最強」といっても過言ではない。
しかし歌詞中では「弱虫」とある。
これは普段から士郎を頼ってしまう自分、嘘をついて守られる存在でいた自分を表しているのでしょう。
前作「I beg you」の歌詞に
泥だらけの手をとって
とあったように、桜は自身にとって「正義の味方」である衛宮士郎に「汚れた私を受け入れて、救い上げてほしい」と、心弱く甘えてしまいます。
そして士郎は己の正義の味方としての理想、切嗣の理想でもあった正義の味方の形を捨てて桜だけの正義の味方となり桜に応えていく。
これも本作における重要なテーマ。
二章で桜を殺すか殺さないか葛藤していた士郎は切嗣との月夜での約束を思い出しながら涙を流し、それでも今までの衛宮士郎としての根幹を成していた多くの人を救う正義の味方という理想を捨て、桜を守り、救う正義の味方として生きていくことの選択をしたシーンにはとても心揺さぶられてしまいます。
「理想を捨てて桜を守る姿」その影を知っているからこそ「弱虫で身勝手な私」と称しているのでしょう。
償えない影を背負って
約束の場所は花の盛り
ここの歌詞については、上に埋め込んだ映画「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」Ⅲ.spring song 特報第1弾の映像を見るのが1番だと思います。
0:35秒からの映像で衛宮士郎が
「いつか冬が過ぎて新しい春になったら二人で桜を見に行こう」
と桜に語りかけていますが、この部分が歌詞中の「約束の場所」に当てはまるのです。見に行くのは桜だから続く歌詞は「花の盛り」になっている。
また「償えない影」というのは
桜が前作で一般人もを手にかけてしまったこと。
を表していているのでしょう。
Bメロは罪×希望が交差するように描かれているのです。桜の心にあるものそのものを写しているようです。
罪も愛も顧みず 春はゆく
輝きはただ空に 眩しく
私を許さないでいてくれる
壊れたい 生まれたい
ここの歌詞の「輝き」は自分にとっての光である「衛宮士郎」を比喩しています。
こちらは第一章の予告映像。
桜の心情を写す歌詞で肝となってくる「私を許さないでいてくれる」という歌詞は、0:54から映される映像の2人のやり取りと重なりますね。
士郎「ああ桜が悪いことをしたら怒る。誰よりも叱る」
桜「良かった。先輩になら良いです」
さらに別楽曲「花の唄」で
貴方が怒ってくれると約束したよね
という歌詞がありましたがそことも重なる。
つまり「私を許さないでいてくれる」という歌詞は
怒ってくれる=そばにいてくれる
という歪な方程式と、どこかでそれに安堵している桜自信を写している。
彼が自分の罪を怒ってくれる(受け止めてくれる)からこそ、罪も愛も顧みず己の道を突き進む意志を灯すことができたのです。
あなたのそばで笑うよ
せめて そばにいる
大事な人達に
いつも私を 幸せにいると
優しい夢を届けて
あなたのそばにいる
サビ後半に描かれるのは“間桐桜の切実な願い”
どんなに過酷な人生を歩んで、どんなに汚れてしまったとしても「せめてあなたのそばにいる(いたい)」のです。
悪夢だらけの物語だったとしても、衛宮士郎のそばにいれば「優しい夢に変わる」と信じて疑っていないのです。
嘘だらけの人生(物語)の中で、最後は無垢な心で本当の光に手を伸ばそうとしているのだ。
「春はゆく」を「桜はゆく」に置き換えて考えると、桜がゆくのはきっとあなた(衛宮士郎)のもと、優しい夢の中であると考察することができる。タイトル名だけで、輝かしい未来に踏み出そうとしている桜を連想することができるのではないでしょうか。
ハッピーエンドなのか。バッドエンドなのか。真の結末は映画で目の当たりにしましょう。
感想
いかがでしょうか。
前作に引き続き、Aimerさんが描く主題歌は「春はゆく」は、間桐桜の複雑な心情を歌っていました。
映画の公開は2020年3月28日(土)とまだ先のことになりますが、FateとAimerの相乗効果が爆発的な魅力を生み出すことを、先駆けて公開された「春はゆく」から想像することができますね。
士郎の正義の味方に対する強い理想や憧れ。それを押し通したブレイドワークスが大好きな筆者でしたが、その理想すら曲げて桜の正義の味方になるヘブンズフィールも感慨深いものがあります。
【Aimer/春はゆく】
歌詞の意味の解釈でした!(‘ω’)
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コメント
作詞・作曲は梶浦さんでは?
申し訳ありません記事中に誤表記がありました。作詞作曲は梶浦由記さんです。
さっそく修正させて頂いております。ご指摘ありがとうございました。