サビ2
一つに溶けてしまいましょう
憎しみも愛情もむしゃむしゃと
頬張ってしまいましょう
混沌の甘い甘い壺の中で
一つに溶けて憎しみも愛情も全て飲み込んで食べてしまう。とても異質な歌詞ですよね。桜が小聖杯として覚醒し、人間性が削げていっているのでしょう。あれほど大切にしていた士郎に対する愛情でさえも食べてしまいたい。徐々に壊れていくのを感じる悲痛な歌詞です。
混沌の甘い甘い壺の中で
混沌の甘い壺とはまさに聖杯のことを指しています。聖杯として完成に向かいつつある桜を表現し、またそれが普通の聖杯ではなく異質な物として描写していますね。
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3番
曖昧に笑うから 会いたいと思うのよ
I know you’re here to stay with me
愛されていたいだけ
Lie Lie Lie You’re to be with me
雷鳴の裂くところ
惨憺たるHeavenly Feeling
愛だけ残ればいい津々と悲しみだけが降り積もる
願望も悔恨もただ埋め尽くす
絆結んだ遠い春の日を
傷跡さえも 消えてしまうの?
I know you’re here to stay with me
愛されていたいだけ
Lie Lie Lie You’re to be with me
I know you’re here to stay with meとはあなたがここに私と一緒にいる
You’re to be with meとはあなたは私と一緒にいるといった意味ですね。
愛されるだけではダメだと、あなた=士郎が一緒にいなければ愛される意味もないといった桜の思いを感じます。
惨憺たるHeavenly Feeling
愛だけ残ればいい
惨憺とは痛ましく、見るに耐えない様子といった意味です。
Heavenly FeelingとはFateでは天の盃、つまり聖杯を意味します。
聖杯とは桜自身を指しており、どんどんと人間性が欠け痛ましい様子になっていく桜のことを表現している歌詞ですね。
津々と悲しみだけが降り積もる
願望も悔恨もただ埋め尽くす
そして物語が進むにつれ悲劇などが続きます。それらは積もりに積もって叶えたかった願いや後悔も埋もれ見えなくなる。そして…
絆結んだ遠い春の日を
傷跡さえも 消えてしまうの?
絆結んだ遠い春の日、桜と士郎が出会った日でありそれは桜の大切な思い出、傷跡のように刻まれた忘れられない、忘れてはいけない思い出も聖杯に侵食されていく失ってしまうのではないか?といった不安に駆られる桜の心情が痛いほど伝わってきます。
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コメント
i beg you
パッと聴くと、一見綺麗な良い歌詞に思う。
けど、MV見ながら聴いて掘り下げていくと
二股等をかけた独りの人間の相手の異性たちへの恐怖、懺悔と、罪悪感から逃れるための言い訳、一方的な独り善がりの愛という名の欺瞞だと思いました。
歌詞と、それに対応する物語(映画)のエピソードを丁寧に拾ってある、上質で説得力の非常に高い考察だと思いました。
ほぼ全て書いてある通りだと思うのですが、一点、サビ1の「目障りな有象無象は 全て食べてしまいましょう」のところ、ここだけは唯一物語内に描写がないところだと思います。
聖杯の影はサーヴァントを飲み込んでいきましたが、それを桜が意識して、あるいは無意識のうちにやったと考えるのには無理があるかと。
それは士郎を守るためではなく、小聖杯を完成させたいゾウケンの誘導であったり、降り掛かる火の粉を払っただけ(ギルガメッシュの時)だと思います(特にギルガメッシュはまさに「目障りな有象無象」って感じしますね)。
とはいえ、サーヴァントを飲み込んでいくのを士郎のためだと解釈すると、桜の健気さが一層際立つのは確かだと思います。本編に沿ってこそいませんが、それはそれで全然ありというか、説得力は高いと思いました。