こんにちはサルーです。
今回は歌詞考察ブログを運営していて、なおかつJASRAC(日本音楽著作権協会)とも契約を交わしている私が、著作権についての実態をお話ししていこうと思います。
というのもTwitterのDMなんかで良く来るんですよね。
・ブログに歌詞を載せるのは大丈夫なの?
・歌詞考察なら著作権違反にならないの?
・引用なら大丈夫って本当?
といった類の質問が。
主にこれから音楽ブログをやっていこうと思っている人が多いみたいですね。
確かに心配する気持ちは分かります。
私も歌詞考察ブログをはじめるときは
歌詞 ブログ 著作権
なんかのワードでググって、著作権についての色んなサイトを読み漁っていましたので。
ただ記事毎に書いてあることが違うんですよね。
というよりアウトなことをセーフって書いてあるサイトが多い!(笑)
ぶっちゃけ実態を知らない私は少し痛い目を見ました…
これからブログで歌詞を使おうとしている人は是非参考にどうぞ。痛い目を見るのは私だけで十分です…(笑)
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基本的にはJASRACの許可が必要
※JASRAC公式より引用
そもそもJASRAC(日本音楽著作権協会)とは、作詞作曲者から著作権を預かり、音楽利用者を把握して、使用料を音楽の権利者に分配する団体です。
ブログで歌詞を利用する際も
ブロガー→JASRAC→音楽の権利者
という流れで使用料を払う必要があります。
基本的にはJASRACの認可が必要なのです。
ただ払わなくてもいいパターンもありますので、まずはそちらを紹介していきます。
ブログのプラットホームで変わってくる
ブログへの歌詞掲載について。
個人が開設したブログ等でJASRACの管理楽曲の歌詞を掲載する場合、JASRACへの許諾手続が必要となります。
ただし、運営事業者がJASRACと許諾契約を締結しているブログサービスの場合、個人ユーザーがJASRACに対し個別に許諾を得ることなく歌詞を掲載していただくことができます。
上記はJASRACの公式より引用。
簡単に言うと、ブログのプラットホーム次第では個別にJASRACと契約を交わさなくても、歌詞を掲載していいですよ~ってことですね。
ちなみに許諾契約を交わしているブログサービスは以下。
- アメーバブログ
- JUGEM
- Seesaaブログ
- はてなブログ
- プリ画像
- Yahoo!知恵袋
- ライブドアブログ
- 楽天ブログ
上記のブログを運営している方は安心してください。個人が歌詞の著作権を気にする必要はありあません。掲載し放題です。
逆に上記以外のプラットホームは利用許諾契約を締結していないため、個別の契約が必要があります。当サイトもワードプレスなので契約が必要でした。
しかし!もう一つ抜け道があります。
歌詞の引用なら大丈夫
ブロガーが利用料を払うことなく歌詞を掲載する方法。それが「引用」です!
適当するのは著作権法32条1項の
になります。
これに関しては他のサイトでも多く取り上げられていますし、JASRACの公式も「引用なら可能」と断言しています。
ただ気を付けないといけないのが「どこまでが引用であると認められるのか」といった点になります。
引用の要件を満たすための項目は以下です。
- 引用部分とそれ以外が区別されていること
- 自分の文章が「主」、引用部分は「従」であること
- 引用による利用行為が「公正な慣行」に合致し、「引用の目的上正当な範囲内」であること
- 出典の明示すること
- 引用した文章を勝手に編集してはいけない
それぞれブログに置き換えて簡単に説明していきますね。
- 引用部分とそれ以外が区別されていること
こちらは歌詞を引用(blockquote)タグでくくるだけでOK。区別性が分かればいいので、太文字にしたり色を変えたりなどでも対応可能です。(重複コンテンツ扱いを防ぐために引用タグがおすすめです)
- 自分の文章が「主」、引用部分は「従」であること
引用というのは自分が述べたい事柄を強調させるために用いられるものです。ここに関しては解釈が難しい部分(僕が痛い目を見たのはこの項目)なので、どこまでがセーフでどこからがアウトなのかを次の章で詳しく説明します。
- 引用による利用行為が「公正な慣行」に合致し、「引用の目的上正当な範囲内」であること
簡単に言えば、自分で考えたオリジナルの文章と比較して、歌詞の引用が多すぎてはダメですよ。ってことです。例えば、歌詞全文をバラっと載せて、一言感想を述べる。こういうのは正当な範囲内には値しないのです。上の主従関係の項目にも引っかかってきますしね。
- 出典の明示すること
誰が書いたどんな文章なのかを提示する必要があります。歌詞の場合は作詞者の名前を記載すればOKです。
- 引用した文章を勝手に編集してはいけない
ここは当てはまるケースはほとんどないと思います。歌詞の内容を勝手に変えて、あたかも引用のように用いてはいけません。
と、まあこんな感じです。上記の項目を守ればOK。
ただ私が痛い目を見た「主従関係」の項目については、誤情報に踊らされてやってしまう人が多いかも知れないので、少し踏み込んで解説します。
歌詞考察ブログはアウト(体験談)
これが私にとっての大誤算。
歌詞考察サイトはアウトなんです…
アウトっていうのは、つまり引用と認められないということです。
歌詞考察は、自分の解釈・考察結果を述べるため、主従関係は自分にあるはず。
そう思って(どこかの記事で歌詞考察は大丈夫と書いてあったし…)サイトを運営していたら、JASRACから通達がきました。内容は歌詞の著作権違反です。
ちなみに私が書いてる記事はこんな感じです。歌詞の引用文が1000文字程度、オリジナル文が3000~文字程度といったところですね。
とりあえず私は引用の要件を守ったうえで歌詞を掲載したことをJASRACに伝えました。それに対するあちらの返答は「主従関係が守れていない」とのことでした。
その理由を聞いて確かにと納得しちゃいました。
そもそも引用は、自分の主張したいことを強めるために用いられるものです。私のブログのように「~の歌詞を解釈!」という記事は、歌詞ありきなんですよね。
歌詞があってそれを解釈している。
つまりどうしても歌詞に主従関係が偏ってしまうみたいです。他の有名歌詞考察サイト様も調べてみたところ、軒並みJASRACと契約を交わしていました。
どうやら歌詞考察サイト自体がJASRACという団体の中で、歌詞の引用と認められない媒体として共同認知をしているようです。だから見つけ次第、著作権違反の通知を送っているとのこと。(JASRACの担当者様から直々に伺いました)
ちなみに歌詞を掲載するための個人契約を交わすためには、収入によって変動しますが月額5000円~(税別)の使用料がかかります。個人ブログからすると中々痛い金額です(笑)
ちなみに雑記ブログを運営していて、歌詞を掲載している記事が一つだけだったとしても、払う金額は同じです。掲載期間×最低5000円です。
これに加えて記事にした楽曲のデータを一つ一つエクセルにまとめて、毎月JASRACに送らなくてはいけません。これもかなり手間がかかります…
これらを知ったうえで私に掲示された選択肢は二つ。
- 今までの記事を全削除して、掲載していた期間の月額使用料をまとめて払う
- 今までの記事は残したままで、掲載していた期間の月額使用料をまとめて払い、さらに今後毎月の使用料を払い続ける。(データも送り続ける)
選んだのは後者です。サイト継続の道。
ぶっちゃけ著作権違反を指摘されるまでに、200記事程度書いていて月5000円くらいはGoogleからの広告収入で賄うことができる状況だったので、全削除するのはさすがに勿体ないなという見解です。何より想いを込めて書いた記事たちが消えるのは悲しいですし。
とはいえこうなることを知っていて、自分がゼロの状態から歌詞考察サイトを立ち上げていたかと言うと、それはちょっと微妙かもです。ただでさえアフィリエイト視点で見る音楽ジャンルは不遇が多いですからね。
少し話が逸れましたが
歌詞の意味・解釈した記事は歌詞の著作権違反になる
というのが結論で、リアルな実状です。
あくまでも自分の主張を強めたいときに、しかも正当な範囲内で用いるのが引用なのです。
まとめ
まとめると
- ブログのプラットホーム次第では、JASRACと個人契約を交わさずに歌詞を掲載できる
- 引用の項目を満たせば、JASRACの許可を得ずに歌詞を掲載することができる
- 歌詞考察サイトはアウト(主従関係の項目をしっかり守れているか考える必要がある)
といったところです。
この記事によって、誤情報によって損失を受けずに済んだブロガーさんがいれば嬉しく思います。
あ、それと最後に補足です。色々と悪名高いJASRAC様ですが、実際に関わってみるとめちゃくちゃ丁寧で親切なスタッフさんばかりでした。厳しい噂の実態は、それだけ仕事に真摯的なことの裏付けだったのかなと。色々と融通も利かせてくれますし…
何よりJASRACを通してGoogleから得た収入を、好きなアーティストに還元できていると考えれば、嬉しく思えますしね。楽曲への感謝の意を込めて。
以上。
ブログに歌詞を載せる際の著作権について。でした。よかったら他の音楽記事も覗いていってください!
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コメント
一般人が歌詞を使う場合の著作権関係を知りたく、こちらを訪れました。
とても丁寧な解説感謝します。
ただ、自分の場合Pixivに漫画を投稿するときにある歌の歌詞の一部を
使う場合などを知りたかったのです。
サルーさんのようにプロとして歌詞を分析・解説するために掲載するのと違って
単にブログや投稿漫画(もちろん販売や広告収入など無く非営利です。
趣味の範囲)の場合はどうなのでしょうか?
キャラクターが歌う程度です。サビの部分だけなど。
これもJASRACに許可うんぬんが必要なのでしょうか?
ねんどまんさんコメントありがとうございます。
ただ私が知りうる情報は記事の内容が全てなので質問にはお答えしかねます。
https://www.jasrac.or.jp/info/event/bepro.html
上URLがJasrac公式の「お手続きが不要となる場合」です。解釈が難しい場合は公式にお問い合わせするのが手っ取り早いかなと思います。