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【Creepy Nuts/かつて天才だった俺たちへ】歌詞の意味を徹底解釈! “たりないふたり”がぶちかました傑作

2番

生まれてこの方
一体いくつ分岐点を見過ごして来たんだろうか?
墓場に入るまで
後一体いくつ可能性の芽を摘んでしまうんだろうか?
稀代のうつけ者 or 天下人
Or 今まだ醜いアヒルの子
ほらどう そうご指導ご鞭撻の程
渡る世間の洗礼を浴びるとこ

これまでどれだけの可能性をどぶに捨てて、これからどれだけの可能性の芽を摘んでしまうんだろう

考えてみただけで悲しくなりますね。

かつて天才だった俺たち。しかし現実に直面し、その才能は見る影もないくらいに失われていきます。

 

しかし織田信長を見ればわかるように「うつけ者」「天下人」は紙一重。

世間の洗礼を浴びながらも、劣等感なんかもろともせず夢に突き進む人物は見ようによっては大馬鹿者でしょうが、天下を取るのはきっと可能性を捨てなかったうつけ者たちです。

そして醜いアヒルの子のように、今はまだ劣等感の塊であっても後に自分が白鳥だったことに気付くかもしれない。可能性の芽さえ摘まなければ、誰だって何にでもなれるのです。

 

突然登場する「ご指導ご鞭撻の程」は恐らく山里亮太さんの結婚会見でのコメントからの引用。

山里さんがTwitterにて「あの歌のあの部分って…」と暗にこの歌詞を指摘する呟きをしており、DJ松永さんも反応されていたので間違いないでしょう。

説明するとやや長くなりますが、Creepy Nutsはオードリー・若林と南キャン・山里によるお笑いユニット「たりないふたり」に多大な影響を受けており、彼らのお笑いがCreepy Nutsの楽曲制作のきっかけの一つとなっています。

 

そんな「たりないふたり」山里さんの結婚会見での「皆さま、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。」を若林さんは「結婚会見で一番笑ったネタ」として盛大にいじっており、ある意味でこの歌詞はCreepy Nutsが「たりないふたり」に影響を受けたことを象徴するようなフレーズになっているのです。

 

やや話が逸れましたが歌詞考察に戻ります。

 

俺はキャンパスかなり薄汚れた
だけどワンチャンスまだ余白はあるさ
ちゃっかり目立ったり劣ったり
この隔たりよ永遠に

大人になってもうだいぶ汚れたキャンバスだけど、まだワンチャンス夢を描けるだけの余白は残っている。

例えもう天才ではなかろうと、きっと諦めるには早すぎるでしょう。

 

本来絵を描くのは「キャンバス」ですが、ここでの歌詞は「キャンパス(大学)」になっておりタイアップ先とかかっています。

 

また「余白」という言葉は1番の「フェルマーの定理」から連想される言葉。

 

フェルマーは読んでいた書籍にフェルマーの定理を書き込んだ際、「私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。」とだけ書き残しています。

この定理を解くことを夢見て数学者になった人物は数知れず、実際に「フェルマーの定理」の証明を完了させたワイルズもその一人でした。

彼は数学者になってから一度はその夢を諦めたものの、ある日から他の研究を辞めて夢を再び追いかけることに。結果証明を見事完成させています。

 

つまり、まさに彼はフェルマーの残した《余白》に夢を描いた人物であり、この楽曲の歌う人物像そのものなのです。

その意味で「まだ余白はあるさ」という言葉には非常に深い含蓄があります

 

骨助
骨助

こうした影響を受けたものからの引用や、連想による言葉遊びを繰り返しながら楽曲が展開されていくのがヒップホップの大きな魅力です。

 

 

サビの歌詞はほとんど1番と変わらないので割愛し、3番に進ませていただきます…!

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