2番
地平線の向こう 八月の陽炎
きっとずっと十代の自分が居る
見たくない真っ黒のそれに生き先を尋ねてた
1番の「女神にみえた八月の陽炎」という歌詞に引き続き、2番歌詞でもタイトル名である<八月の陽炎>が起用されています。
タイトル名の解釈欄で陽炎の発生条件が関与してくると言ったのですが、陽炎は「不規則な上昇気流を生じ、密度の異なる空気が入りまじり、通過する光が不規則に屈折して起こる」といった虚像にも似た発生条件を持っています。
歌詞の「女神」も「十代の自分」も全ては虚像であり、都合の良い幻想を魅せる八月の陽炎は「青春の失敗を青春で誤魔化すさま」と重なるものがあるのです。
つまり「八月の陽炎」というタイトル名は、見たくないものを見せないでいてくれる「青春の魔法」のようなものを比喩しているのかなと。
ラストサビ
サンセット 本当のことは一つだって知りたくないのさ
サンセット あの人みたいに僕は正直に僕を騙してる
茹だるような紫の影、君への想いも無理に冷ました夏
乾いてゆくシャツ
サビ1と歌詞の内容はほとんど同じですが、ラストサビでは最後に綴られる「濡れたままのシャツ」が「乾いてゆくシャツ」に変化します。
どんなに後悔を残しても失敗を刻んでも、時間の経過は確実に僕たちから夏を奪う。
「夏が終わっていく」という誰もが一度は感じたことのあるであろう、形容しがたい寂しさを感じさせる締め方で楽曲は締められていく。
感想
疾走感の溢れるメロディと対比して、歌詞の内容から僕は「夏を駆け抜けた後に感じる寂しさ」を強く感じました。
「青春の歌」という題材で、真っ先に連想できるような「キラキラとはしゃいでいる情景」ではなく、同時に存在する「夏の儚さ」を演出するのはさすがマカロニえんぴつだなと思いました。
Aメロからセンスが滲み出ている、はっとりさんの言葉遊びも最高です。
【マカロニえんぴつ/八月の陽炎】
歌詞の意味の解釈でした!
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