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【須田景凪/MUG】歌詞の意味を徹底解釈!女性目線で描かれる皮肉歌詞が切なすぎる!

【須田景凪】「MUG(マグ)」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。

 

読みどころ

✔ 『MUG』が意味するもの
✔ 救われない主人公と彼の関係性
✔ やはり愛情は理屈では語れない…?

 

サルー
サルー

タイトルといい歌詞といい、とても解釈しがいのある楽曲でした。ぜひ最後までお読みください…!

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女性目線で描かれる皮肉な歌詞

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今回紹介していく「MUG」は、新型コロナウイルスの影響で中止になったライブツアー「須田景凪 TOUR 2020 はるどなり」の初日(2020年4月24日)に配信リリースされた楽曲。

 

女性目線で描かれる繊細かつ皮肉な歌詞が、多くのリスナーに共感と心地良い胸の痛みを与えています。(ここは後述していく歌詞考察で細かく触れていきます)

 

サルー
サルー

どことなくバルーン時代の郷愁を感じさせるメロディーも◎ですね。

 

また急遽のリリースについて須田景凪は

何も決めず、実験的な制作をしていた時にこの音楽が生まれました。
元々はリリースする予定はなく、“TOUR 2020 はるどなり”で演奏する予定だったのですが、今の状況の中で少しでも楽しんで貰えたら嬉しいと思い、
リリースすることになりました。
面白い音楽になったと思います。どうぞよろしくお願いします。

とコメントを残しています。

 

サルー
サルー

ライブ中止で楽しめないファンの為に…。リスナーに対しての温かい気遣いが伝わりますね。

楽曲名「MUG」とは

さて、まずは気になるタイトルの意味に着目していきます。

「MUG」と聞くと、瞬間的に思いつくのは上記の「マグカップ」なのではないでしょうか?筆者も初見ではそうでした。しかし歌詞を見ていくことで、その違いに気付かされる。

 

実は「MUG」には隠された複数の意味があります。

・顔
・ひったくり
・バカ
・騙されやすい人

スラングを含めたものですが、こんなに多くの意味を秘めているのです。

 

そして本楽曲の歌詞では「隠し事」や「嘘」に苦しむ女性主人公が描かれていきます。

 

つまり本楽曲においての「MUG」「バカ」「騙されやすい人」がピンポイントで当てはまる。

 

サルー
サルー

一見意味を理解できないタイトルに隠された伏線が凄いですね。歌詞とリンクしたときは思わず拍手をしちゃいました。

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歌詞

私はあなたを許せない
知った様な顔でヘラヘラ嗤う
その台詞は誰のもの

煙の奥で潜んでいる
不浄を抱えた楔だけが
私をまだ縛るのだ

遠くで鳴る歌
目先でちらつく声

とても胸が痛いよ 優しい嘘だと
わかっているからさ 余計に
何も聞きたくないよ どんな言葉すら
哀しい響きに聞こえてしまう

あなたは全てを隠せない
仕草のひとつでまたも綻ぶ
緩やかに広がる錆

片手間で夢を語らないで
甘えてしまいそうになるから
偽りを愛さないで

腹には落とせない
それでも突き放せない

とても胸が痛いよ 苦しくなるほど
ごめんね ありがとう 嘘じゃない
でも憎めはしないよ 醜い私が
誰より憎いの 誰より

眠たい話をして
目が回るまで
いっそ晴れやかになるまで
あくびを食らう
気が遠くなる
眩暈がする

とても胸が痛いよ 優しい嘘だと
わかっているからさ 余計に
何も聞きたくないよ どんな言葉すら
哀しい響きに聞こえてしまう

作詞:須田景凪

歌詞の意味・解釈

1番

私はあなたを許せない
知った様な顔でヘラヘラ嗤う
その台詞は誰のもの

ストレートに怒りを表現する歌い出しに、ハッとさせられたのではないでしょうか。

 

「私はあなたを許せない」

と呟く主人公は、あなた(彼)に怒りを覚えているようです。

 

実は「笑う」でじゃなく「嗤う(わらう)」という漢字が使われているのが、二人の関係性を理解する為に大切なポイントです。

 

嗤うは「あざわらう」と同じように、

  • 相手を馬鹿にしてわらう
  • 相手を見下してわらう

といった意味が込められています。

 

つまり主人公から見て「あなたは私のことを馬鹿にしている」と思っている訳です。

 

サルー
サルー

どうしてこのような負の感情に支配されているのでしょうか。歌詞を追っていきましょう。

 

煙の奥で潜んでいる
不浄を抱えた楔だけが
私をまだ縛るのだ

遠くで鳴る歌
目先でちらつく声

ここで注目したいのは「楔(くさび)」という言葉。

ちょうど上記の写真が楔を打ち込んでいる様子を示しているのですが、楔とは空いた穴を埋めるために使われる道具です。

 

一連の歌詞から察するに、主人公は心に穴が空いています。

そう考えると

楔=心の穴を埋めてくれるあなた

であることが分かる。しかし二人の関係は純愛に満ちたものではないから「不浄を抱えた楔」と皮肉な表現が使われているのでしょう。

 

ちなみに「不浄」とは、

  • けがれていること
  • 心身が清らかではないこと

を意味します。

 

ここで二人の関係性を明確にしちゃいますが、主人公が想いを寄せるあなた(彼)は、主人公の他に交際相手がいることが推測されます。ズバリ浮気ですね。

 

そう仮定すると、後に綴られている「遠くで鳴る歌」は、自分たち以外の男女交際が美しく見えている様子を示しているのだと解釈することができます。隣の芝生は青く見える的なヤツです。

 

そして一方自分の相手は、不浄な人であるから「ちらつく声」と、うざったく感じている表現が使われているのでしょう。

 

サルー
サルー

解釈しがいのある歌詞が続いていきますね…

サビ1

とても胸が痛いよ 優しい嘘だと
わかっているからさ 余計に
何も聞きたくないよ どんな言葉すら
哀しい響きに聞こえてしまう

サビでは彼の愛情あふれる言葉に苦しんでいる主人公が描写されています。

 

歌詞から読み取れるのは、彼の好意の比重は主人公よりも他の相手に寄せられているのでしょう。ただの浮気発覚よりもたちが悪いヤツです。

 

つまり彼は惰性で主人公と関係を持っているようなものなのです。だから彼の言葉は「優しい嘘」と変換されています。

 

どんな言葉も哀しい響きに聞こえてしまう、そんな悲しすぎる関係性の中で主人公は悶えているのです…

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2番

あなたは全てを隠せない
仕草のひとつでまたも綻ぶ
緩やかに広がる錆

片手間で夢を語らないで
甘えてしまいそうになるから
偽りを愛さないで

2番ではあなたに対する鬱憤が綴られていきます。

 

まず前半に込められているのは「悪いことするならちゃんと隠せよ!」といったメッセージ。下手にバレてしまう彼だから主人公の心は傷ついてしまった。

 

どんなに気付いていないフリをしても、無意識下で襲ってくる不安は二人の溝を確実に広げたのです。

 

そして後半は「浮気しているくせに愛を語らないで!」といった、これまた直線的なメッセージ。おおかた彼は「二人の未来」を想像させるような甘い声をかけてくるのでしょう。

 

サルー
サルー

それを一時でも嬉しく感じてしまう自分が悔しくて「偽りを愛さないで…」と嘆いているのでしょうね。この言葉に胸がチクッとなりました…

腹には落とせない
それでも突き放せない

腹に落とすは、

  • なるほどそうだと思う。
  • 納得する。
  • 得心する。

などの意味を持ちます。腑に落ちると同じですね。

 

言わずもがな主人公は彼との関係性に納得できているはずがありません。

 

だから「腹には落とせない」とあり、しかし彼にしか埋めることのできない穴があるから「それでも突き放せない」虚しい葛藤が繰り広げられていくのでしょう。

サビ2

とても胸が痛いよ 苦しくなるほど
ごめんね ありがとう 嘘じゃない
でも憎めはしないよ 醜い私が
誰より憎いの 誰より

枯れた花

サビ2は最大級の皮肉歌詞が綴られています。

 

ここの歌詞はサビ2の手前で綴られていた

腹には落とせない
それでも突き放せない

に通じるものがあるのでしょう。

 

彼の存在のせいで、ここまで胸を苦しめて悶えている主人公ですが、彼を心から憎んで突き放すことはできないのです。

 

彼とは明るい将来をきっと描けない…

それを分かっているうえで未来の暗闇から手を引けない自分に、本気で嫌気が指しているようですね。

 

サルー
サルー

愛は理屈じゃないってこういうととなのでしょうか…

3番

眠たい話をして
目が回るまで
いっそ晴れやかになるまで
あくびを食らう
気が遠くなる
眩暈がする

最後は意味深な3番を解き明かしていきます。

 

まず解釈の肝となるのが「あくびを食らう」の食らうをどのように捉えるかになります。これ次第で情景は分岐していきます。

 

結論から言うと、本歌詞においての「食らう」は食べると同義の意味を持つと解釈しています。ダメージを食らう(受ける)ではなくて、大飯を食らうや大酒を食らうの類です。

つまりあくびの主語は主人公にあると思っています。

 

そう捉えて3番全体を解釈すると、まず「眠たい話」をするのは彼になります。眠たいと表されてるのは、愛情のない薄っぺらい言葉であると主人公が捉えているからです。

 

1番歌詞にあった「ちらつく声」「その台詞は誰のもの」などの、彼の言葉を軽んじる様子と重なります。

 

ただ主人公は彼が不浄だと理屈では分かっていても、突き放せずに愛情を求めてしまう、、、

 

だから「薄っぺらい言葉でもいいから眠たい話(愛情表現)をして!」と綴られているのです。

 

そしてその眠たい話で意識を落としていく。彼のとの関係性アレコレで苦悩するより、魔法のような幻覚で一瞬の安堵を取ることを主人公は選んだわけです。そんな自分を「誰より憎い」と感じながら…

 

「MUG(騙されやすい人)」で描かれていたのは、真に騙されやすい主人公ではなくて、騙されることで一時の幸福を求めてしまう、皮肉にも人間味の深い主人公の情景だったのです。

感想

救われない葛藤が続ていく歌詞ですが、主人公目線に立つことで、どうしようもない状況に苦悩する様子や、理屈では抗えない愛情に共感できたのではないでしょうか。

 

彼が浮気している。でも突き放すことはできないから知らないフリをしている。

 

主人公の情景とマッチするようなタイミングでこの楽曲を聴いた人は、推し量れないレベルで胸を貫く感情に支配されたことでしょう。

 

そして改めて須田さんは女性目線の歌詞を描くのが、女性よりもうまいのではないかと感じさせられました。

 

【須田景凪/MUG】

歌詞の意味の解釈でした!(‘ω’)

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コメント

  1. 匿名 より:

    仕事が早いですねw。

    バルーン感があるのはホントにそれ。

    • サルーサルー より:

      かなり返事遅れましたが、ありがとうございます。昔ながらのファンとしてはこの曲感はしっくりくるというか、、、たまらないものがありますよね。

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