サビ2
だけど
抱きしめて言いたかった、好きだと
時を戻す呪文を胸に今日もGo
抑制していた愛情は主人公の中で葛藤となって蠢くのです。
本当は自分の現状もあなたの環境も何もかもを取り払って想いを伝えたい。
『Time』には、繋がっていた頃に戻りたいという意が確かに込められており【想いを伝えること=時を戻すこと】だと分かっているものの、現状を壊す恐れを先んじて、ただただ時を戻す呪文を胸に秘める。
葛藤を抱えながら今日も歩いていくのです。
3番
ずっと
聞きたくて聞けなかった、気持ちを
誰を守る嘘をついていたの?
なぜ自分の心に鍵をしているのか。
それを主人公は自問しています。
「誰を守る嘘をついていたの?」という歌詞は、二人を取り巻く具体的な関係性次第で
- 自分を傷つけないために本音を隠した
- 君に迷惑をかけないように好きじゃないフリをした
など変わってくると思います。
どちらにせよ愛情ゆえに嘘をついていたというのが、切っても切れない事実です。
逃したチャンスが私に
与えたものは案外大きい
溢した水はグラスに返らない 返らない
出会った頃の二人に
教えてあげたくなるくらい
あの頃より私たち魅力的 魅力的
ここの歌詞は個人的に一番共感できました。
逃したチャンスというのは、言ってみれば君と結ばれなかった運命といったところです。
主人公は別の彼氏を作って、あなたは他の好きな人がいる。
普通なら諦めるべき状況かも知れませんが、愛情が強い主人公にとってそれは逆に作用するのです。結ばれなかった運命は鬱憤となり、あなたへの欲求が心に蓄積されていったのです。
結果、主人公が我慢できる心のキャパシティー(グラス)は溢れかえり、あなたに気持ちを伝える方向へと情動がシフトしていきます。
これがラストサビに繋がっていきます。
ラストサビ
友よ
失ってから気づくのはやめよう
時を戻す呪文を君にあげよう
二人の関係は恋人ではなく「友」が相応しい。
しかしその関係性に喪失を覚えた主人公は、とうとう君に想いを告げることを決意する、、、
決意したときの心の声が最後の英語歌詞になります。
If I turn back time
Will you be mine?
If I turn back time
君は私のものになってくれる?
もしも時を戻したら、、、
実際のところ想いを伝えても、本当に時が戻ってくるように君との理想の関係が戻ってくるかは分からない。
しかし主人公は想いは時間を遡って、二人の性愛が返り咲くと信じているのです。
「Time」では、時間も性別も、ましてや恋愛という枠すらも超越した二人の性愛が描かれていたのです。
感想
自分が主観でああだこうだ言いすぎるのもアレですが、運命的にどうこうできない性愛だったり、環境的に敵の多い恋愛というのはありますよね。
これを聴くリスナーがどんな状況に陥っているのか。それ次第で本楽曲は多種多様の形で聴き手に届くと思います。
総じて言うと本楽曲で歌われている性愛からは、他の楽曲では感じたことのない神秘を感じました。
【宇多田ヒカル/Time】
歌詞の意味の解釈でした!
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コメント
とても面白い考察でした。
個人的には、最後のフレーズの部分は主人公ではなく あなた の視点なのではないかと思ってました。
247さんその発想めちゃくちゃ面白いです!
ラストフレーズだけ視点が変わるのですね。なるほど。両者の感情を想像できることでさらに深みが増すように感じます。
面白いコメントありがとうございました。