【神はサイコロを振らない】の「夜永唄(読み方:よながうた)」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✔ 金木犀の花言葉と情景が重なる
✔ 冷めてしまった彼女を慈しむ歌?
✔ 夜永唄は最後の想い出の象徴?
噛み砕いて分かったのは、圧倒的に切ない失恋ソングだったということです。かなり深読みしましたが、隠れたメッセージ性が多い歌詞でした。ぜひ最後までご覧ください!
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若者の共感心をくすぶったバラードナンバー
今回紹介していく「夜永唄」は、神はサイコロを振らないのミニアルバム『ラムダに対する見解』収録のバラードナンバー。
もともとファンの中では人気の高い曲であったのですが、曲中の登場人物に自分たちを重ねた若者たちがTikTokを中心にSNS上で拡散。その結果リリースから約一年で、Spotify、LINE MUSIC等のサブスクリプションサービス各所でチャートインする人気曲へと成り上がったのです。
TikTokではボーカルの柳田さん本人が「夜永唄」の歌唱動画をUPしていましたね。とても素敵でした…
では多くの若者に共感を生んだ切なすぎる楽曲情景に迫っていきましょう。まずはタイトルから噛み砕いていきます。
楽曲名「夜永唄」とは
「夜永唄(よながうた)」とは本楽曲における造語。安易ですが、単語単語から「夜が永い唄」を名詞化したものだと理解することができますね。
そして歌詞の考察を終えたうえで言うと、このタイトルには「この夜を永遠に…」と願う主人公の願いが反映されていると思っています。これがまたすごく切ない。
本楽曲のテーマは聴き手によって微細に変化すると思いますが、複数パターンで解釈を行った結果、上記のテーマをもとに歌詞を読み取っていくのが、曲中人物の感情・物語として最もしっくりきます。
圧倒的な比重で傾いてしまった好意の差。これに何とか抗おうとする主人公に共感してしまう悲しき失恋ナンバーといったところです。
それでは歌詞とじっくり向き合ってみましょう。
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歌詞
どうして心ごと奪われてでもまだ
冷たいあなたを抱き寄せたいよ
金木犀の香りが薄れてゆくように
秋が終わり消えていったあなたこうして心ごと閉じ込めて
あなたが弱り切った僕から離れないように
沈黙さえも二人を繋ぎ止めていた
時を止めてこのままあなたに逢えば二人はもう
友達に戻れないと分かっていた
瞳に映る全てを幻にして
夢の中漂いながら分かっていたんだ
独りよがりの愛とこうして心ごと閉じ込めて
あなたが弱り切った僕から離れていかないように
沈黙さえも二人を繋ぎ止めていた
時を止めてこのまま溶け合うこの目や耳や鼻や口や身体中の五感
全てはあなたの為にあるように
独り善がりの口づけを朝までした事を
今でもまだ痛いほど鮮明に覚えてる花びらに似た指先を
静かに撫でながら過ごした夜が
また繰り返されてゆく
何度願っても触れる事さえ叶わない
枯れ果てたはずの涙がまた零れてどうして心ごと奪われてでもまだ
冷たいあなたを抱き寄せたいよ
金木犀の香りが薄れてゆくように
秋が終わり消えていったあなた作詞:柳田周作
歌詞の意味・解釈
1番
どうして心ごと奪われてでもまだ
冷たいあなたを抱き寄せたいよ
金木犀の香りが薄れてゆくように
秋が終わり消えていったあなた
「秋が終わり消えていったあなた」という歌い出しのラストフレーズから、肌寒い季節に別れを経験した男性の歌であることがぼんやりと見えてきます。
とはいえ実は二人の関係性をもっと明確に暗示する言葉が歌詞中に隠されています。
ズバリそれは「金木犀」という花の名です。
この花は秋を象徴するモクセイ科の花なのですが、花言葉の意味が楽曲の情景にドンピシャで当てはまるのです。
- 初恋
- 陶酔
- 真実
- 変わらぬ魅力
ゾッとしません?
主人公から見たあなたとの「初恋」という関係性も納得できますし、別れても「変わらず魅力的」なあなたに「陶酔」している様子や「別れの真実」に苦悩している情景が綺麗に当てはまります。
ここまで考えて「金木犀」という言葉を使ったのならそうとう策士だなと。
さらに言うと「金木犀の香りが薄れてゆくように」という一文も「初恋のあなたが遠のいていく…」という、ぴったり一致する切ない解釈をすることができる。
心を失っても良いからあなたを抱き寄せたい。
そんな主人公の願いは淡く消えていったのです…
楽曲の輪郭を把握したところで、続く歌詞を追っていきましょう。
こうして心ごと閉じ込めて
あなたが弱り切った僕から離れないように
沈黙さえも二人を繋ぎ止めていた
時を止めてこのまま
あなたに気持ちがないことは分かっていた。
だけど分かっているからこそ、主人公は上辺だけの関係でもあなたを離せなかった。
気持ちのギャップに病みながら(弱り切りながら)も、あなたが何となく近くにいる時間を永遠に感じようとしていたのです。
これが「夜永唄」というタイトル名に繋がってきます。
サビ1
あなたに逢えば二人はもう
友達に戻れないと分かっていた
瞳に映る全てを幻にして
夢の中漂いながら分かっていたんだ
独りよがりの愛と
このサビの解釈が難しいところ、、、というか複数パターンが考えられるところで、ここだけを切り取ってみれば一夜限りで一線を越えてしまった男女の唄だと読み取ることができますよね。
ただ歌い出しの歌詞から丁寧に読み取っていくと、そうではなくて、初恋をしていたあなたと初めて二人きりで会った日の情景を歌っているというピュアな解釈をすることができます。
物語性を整理すると
といったところですかね。
愛のシーソーが常均衡に保たれるなんてあり得ないことですよね… いずれはどちらかが軽くなってしまい、どちらかが堕ちていってしまう…
2番
こうして心ごと閉じ込めて
あなたが弱り切った僕から離れていかないように
沈黙さえも二人を繋ぎ止めていた
時を止めてこのまま溶け合う
1番のAメロと歌詞の内容はほとんど同じ。
あなたの心が自分から離れていくのを感じているから、ギュッと抱きしめて心を自分の両手の中に閉じ込めようとする。弱り切った腕で。
好意がないと分かっていても、これが主人公にできる最大限の足搔きだったのでしょう…
この目や耳や鼻や口や身体中の五感
全てはあなたの為にあるように
独り善がりの口づけを朝までした事を
今でもまだ痛いほど鮮明に覚えてる
こちらの歌詞では、沈黙にすら頼っていた独り善がりな夜の情景が具体的に描かれています。
「独り善がりの口づけ」と称するほどの最大限の皮肉を感じながらも、やめられなかった。終わりを感じているからこそ「終末を迎えた二人の夜が永遠に続くように愛情を注ぎこんだ」のでしょう。
自分に残ったのが痛みだけだとしても、愛情を昇華させるためにはそうせざるを得なかったのです…
リアルで痛々しい歌詞が綴られていきますね。 いよいよ歌詞は大詰めを迎えます…!
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コメント
すげ
確かにそうね。