2番
一番高い山の上
巨大な鐘を吊るせたなら
風に乗って海を越えて
届くだろう
誰かに
2番冒頭でも、1番同様「もし巨大な鐘があったならば」という前提から楽曲が展開していきます。
もし山の上に巨大な鐘を吊るせたら。
もしすべての人の心に訴えかけるような手段があったなら。
それはきっと、遠く離れた誰かにも届くはずです。
悲しみに俯いてしまったって
Ah Ah
語りかけようどこかできっと
あなたを心配してる
味方がいるってことだよ
鐘は人の心を清らかにするもの。鐘の音を聴く誰かを想って鳴らされるものであるはずです。
鐘の音が聴こえたということは、誰かが自分を想ってくれているということ。
必ず味方がどこかにいるということ。
その鐘の音は、「冷静になろう」というただの合図ではありません。
誰かの心を孤独から救うような、大きな意味のあるものなのです。
同じ秋元康さん作詞ではありますが、欅坂の従来の世界観というよりは乃木坂の楽曲の歌詞に近い内容であるように感じます。
サビ2
愛の救世主
誰がその鐘を鳴らすのか?
そんな重たい責任を持てるかい?
逃げたいだろう?
その綱の大きな権力を
逆に誰も握ろうとするかも⋯
鐘を鳴らせる主導権なんか
意味はないんだよ
支配したって幸せになれない
愚かなことだ
言い争いが絶えない世界を鎮め、人々を孤独から解放する「愛の救世主」。
しかしその鐘を鳴らすことは決して容易ではありません。
誰もその鐘を鳴らし、平和を呼び掛けるだけの責任なんか持ちたくはないし、逆にその鐘を鳴らして主導権を握ろうとする人だって現れることでしょう。
世界情勢に置き換えてみれば、誰もが平和を主導することを恐れる一方で、その綱の大きな権力を奪い合って世界のリーダーになろうとする国もあるでしょう。
もっと小さな問題、例えば騒がしい教室の中の話をしてみても、傍観者として喧騒を眺める人がいる一方で口うるさくルールを謳って正義を振りかざそうとする人もいるはずです。
でもそんな愚かな争いには何の意味もない。
そしてどれだけその責任が怖くても、誰かがその鐘を鳴らさない事には事態は何も変わらない。
鐘を鳴らす「愛の救世主」を、世界は必要としています。
3番
瞳を閉じて聴いてごらんよ
自分の言いたいことを
声高に言い合ってるだけだ
際限のない自己主張は
ただのノイズでしかない
一度だけでいいから
一斉に口をつぐんで
みんなで黙ってみよう
耳を澄ませると聞こえて来るのは、自分の言いたいことを言い合うその声だけ。
際限のない自己主張のノイズにかき消され、喜びの声や助けを呼ぶ声、本当に大事なものは聞き逃されています。
「一斉に口をつぐんで みんなで黙ってみよう」
「行動しなければNOと伝わらない」
「吠えない犬は犬じゃないんだ」
「調和だけじゃ危険だ」
そう訴えかけてきたこれまでの欅坂の世界観を、今回の歌詞は一蹴してしまうようなものになっています。
これまで反逆を歌い続けてきた彼女たちは、ここで調和を望みました。
声を上げ続けた結果、1年以上も歩みを止めてしまった過去がその選択を余儀なくさせたのかもしれません。
「自分の話じゃなく他人の話聴いてみて欲しい」
鐘を鳴らすためのその綱に手を伸ばした欅坂46。
彼女たちは4年間の歴史を経て、間違いなく新たな一歩を踏み出そうとしています。
僕たちの鐘はいつ鳴るんだろう?
争いが絶えないこの世界も、不安定な状態が続く欅坂46も、きっと岐路に立たされています。
「誰がその鐘を鳴らすのか?」
誰かが鐘を鳴らすその時を、きっと誰もが待ち望んでいます。
感想・まとめ
大人たちに支配されるな。愛の鎖を引きちぎれ。不協和音を恐れるな。
そう歌い続けてきた欅坂46の不和の物語は、ここに幕を閉じようとしています。
夢のために卒業を選んだメンバーがいて、イベントを開き華々しく卒業を迎えたメンバーがいて、騒動で卒業を余儀なくされたメンバーがいて、何も語らず黙して脱退したメンバーがいて。
欅坂の名のもとに集まり、欅坂を作り上げ、欅坂に飲まれていった物語の最終章。
そこで彼女たちは調和を歌いました。
「僕たちの鐘はいつ鳴るんだろう?」
この世界も欅坂も、きっと岐路に立たされています。
際限ない自己主張のノイズが溢れる中、誰がその鐘を鳴らすのか。
誰が「一度冷静になろう」と合図を出すのか。
誰が止まってた針を動かすのか。
その時を誰もが待ち望んでいます。
「さあ未来は君たちのためにある」
彼女たちがこの先何を歌い、どんな坂道を登っていくのか。
その動向から目が離せません。
【欅坂46/誰がその鐘を鳴らすのか?】
歌詞の意味の解釈でした!
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コメント
とても良いです!またやってください
コメントありがとうございます!
改名後も個人的に追いかけさせていただきます(__)
なんか涙出てきた
すごく助かりました!!ありがとうございました!