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【BUMP OF CHICKEN/Gravity】歌詞の意味を徹底解釈!終わりを想い今を愛する歌。

【BUMP OF CHICKEN】「Gravity」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。

 

注目ポイント

✔ 美しい表現の数々

✔ 「ずるいよな」の意味

✔ 終わりを自覚し今を愛する歌…?

 

骨助
骨助

「ふりふら」主題歌に抜擢されたBUMP OF CHICKENの名曲。無粋ではありますが考察させていただきましたので、最後までお読みいただけると幸いです。

 

 

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アニメ版『ふりふら』主題歌

今回紹介していく「Gravity」はアニメ映画『思い、思われ、ふり、ふられ』主題歌に起用されている楽曲です。

 

『思い、思われ、ふり、ふられ』は咲坂伊緒さんによる人気漫画を原作とした、高校生男女4人の恋模様を描いたアニメーション映画。

アニメ版の公開に先駆け、2020年8月14日には浜辺美波さん、北村匠海さん主演で実写版映画が公開されています。

 

骨助
骨助

主題歌にOfficial髭男dismの「115万キロのフィルム」が起用されたことでも大きな話題になりましたね。

 

BUMP OF CHICKENは映画について、

僕たちの新曲「Gravity」を主題歌に起用して頂き、ありがとうございます。公開前に一足先にメンバー全員で楽しく観させて頂きました。
登場人物たちの瑞々しいそれぞれの思いと、繊細で色鮮やかな美しい背景の描写がマッチして、とても眩しい世界が広がっていました。
公開を楽しみにしています!

とコメントを残されています。

 

2011年の映画ドラえもん以来、実に9年ぶりとなったアニメ映画の主題歌で一体彼らは何を歌ったのでしょうか。

彼らの歌詞に言葉を付け足すような真似をするのは野暮ではありますが、歌詞に注目しながら考察していきます…!

 

楽曲名「Gravity」とは

「Gravity」は直訳すると「重力」

「重大さ」とか「まじめ」みたいな意味もあるようですが、楽曲での意味合いとしてはやはり「重力」で間違いないでしょう。

 

その意味は一意には定まりません。

 

男女の恋愛を描いた楽曲ということで、重力が働いているかのように二人が自然に惹かれ合っている様をそう表現したのかもしれないし、離れ離れでも重力によってきっといつかは再会できる…という解釈もできます。

また、楽曲の根底には「いつか別れの時が訪れる」ということに対する不安が描かれているため、《この世で生きる以上逃れられないもの》という意味合いで「Gravity」と言い表している可能性もあります。

 

タイトル一つとっても解釈の幅が広く、リスナーの聴き方次第で色を変えるような楽曲となっているのです

 

骨助
骨助

タイトルについて確認したところで、さっそく歌詞を見ていきましょう…!

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歌詞

帰ろうとしない帰り道 いつもどおり
視界の隅っこ ほとんど外 君が鼻をすすった
空を割る夕方のサイレン
給水塔の下 あれは蝙蝠

僕らは時計を見ないようにしていたけど
そんな風にして時間に気付いてしまうから
かき消すように喋ろうとして
なんだかやっぱり黙ってしまう

君の影の 君らしい揺れ方を
眺めているだけで 泣きそうになったよ

見つけた言葉いくつ 繋げたって遠ざかる
今一番伝えたい想いが 胸の中 声を上げる
そんなの全て飛び越えて 子供のまま笑って
裸足のメロディー歌うから いつも今を許してしまう
笑顔のまま ずるいよな

いつの日か どっちかが遠くに行ったりして
会えなくなったりするのかな 今が嘘みたいに
じゃあまた会えた時 今みたいに
黙ったままで側にいられるのかな

大人っぽく振る舞ったり 尖ってみせたり
刺さった時に誤魔化して 変な感じになったり
そういうの まとめて愛せるくらいに
僕らは僕らを信じられていた

わりと同時に くしゃみしちゃうのが
面白かったよ 泣きそうになったよ

今日が明日 昨日になって 誰かが忘れたって
今君がここにいる事を 僕は忘れないから
見えない涙拭って 謝るように笑って
触ったら消えてしまいそうな 細い指の冷たさが
火傷みたいに残っている

見つけた言葉いくつ 繋げたって遠ざかる
今一番伝えたい想いが 胸の中 声を上げる
せーので全て飛び越えて 僕らのまま笑って
裸足のメロディー歌うから そして一緒に手を振るんだよ
笑顔のまま またねって

雨でも晴れでも 空のない世界でも
また明日 明日が ちゃんときますように

一緒じゃなくても 一人だったとしても
また明日の中に 君がいますように

 

作詞:藤原基央

歌詞の意味・解釈

1番

帰ろうとしない帰り道 いつもどおり
視界の隅っこ ほとんど外 君が鼻をすすった
空を割る夕方のサイレン
給水塔の下 あれは蝙蝠

美しい情景描写から楽曲はスタート。

そこには登場人物の感情は直接表現されていないし、難解な言葉など何一つ使われていないのですが、たったこれだけの歌詞で二人の関係性や空気感が見えてきてしまうのがBUMP OF CHICKENの楽曲の恐ろしくも素晴らしい部分です。

 

二人で居られる時間を愛おしむようにゆっくりと歩く帰り道。

「いつもどおり」とある位ですから決して二人で帰ることはもう特別なことではありません。

普段から一緒に過ごす親しい間柄で、あえて見つめ合うでもなく並んで歩く二人。

 

あえて別の言葉に書き換えましたが、そんなことするまでもないくらいに簡潔で美しい表現で、最初のたった二行の歌詞が楽曲の世界観を構築しています

 

僕らは時計を見ないようにしていたけど
そんな風にして時間に気付いてしまうから
かき消すように喋ろうとして
なんだかやっぱり黙ってしまう

先ほどの歌詞の情景描写で「夕方のサイレン」「蝙蝠(こうもり)」が登場しました。

 

一緒に過ごせる時間が終わってしまうことを恐れる二人はあえて時計を見ずにしていたものの、そうした聴覚的・視覚的な情報によって図らずも別れの時間が訪れようとしていることに気が付いてしまいます。

時間を気にしないようにとしすぎるあまりに、かえって時間の経過が分かるものに敏感になっていたのでしょう。

 

そしてあえて喋るのも変な感じがして、静かな時間が流れてしまうのでした。

これまた二人だけの時間の青い雰囲気が、じんわりと伝わってくる歌詞です。

 

君の影の 君らしい揺れ方を
眺めているだけで 泣きそうになったよ

視界の隅っこで鼻をすする君から、蝙蝠、そして君の影へと主人公の視線が自然に流れていきます

立ち止まっていなければ、二人が併進する後ろから西日が指しているのでしょう。

時間帯的にも影が長く伸びているはずなので歌詞の流れとして美しすぎます。

 

君の姿そのものではなく、君の影の揺れ方に君を感じる。

そのくらい主人公は君を想っています。

 

そして「泣きそうになった」

 

その理由は恐らく《いつか別れの時間が訪れるから》であると考えられます。

例え明日また会えるとしても、一度は別れなければならないから。

主人公がやたら時間の経過を気にするのもきっとそのためです。

詳しくは後述します。

 

サビ1

見つけた言葉いくつ 繋げたって遠ざかる
今一番伝えたい想いが 胸の中 声を上げる
そんなの全て飛び越えて 子供のまま笑って
裸足のメロディー歌うから いつも今を許してしまう
笑顔のまま ずるいよな

たった今二人で過ごしているのにも関わらず、主人公はいつかこの時間に終わりがやってくることを確かに自覚しています。

だからこそ、本当ならば今伝えたい想いを今言葉にして君に伝えなければなりません。

別れの時間が訪れて、伝えられなくなってしまう前に。

 

しかし主人公は思いを言葉にすることを、悪い言い方をすれば怠ってしまいます

無理に大人ぶって伝えたりせずに、ただ子供みたいに君と笑い合うだけ。

何物にも飾られていない裸の心で、ただ君と時間を過ごすだけです。

 

だけど結局そんな時間が愛おしいから、伝えたいことを伝えられない自分を許してしまう

そんな自分自身に主人公は「ずるいよな」と感じているのではないでしょうか。

 

2番

いつの日か どっちかが遠くに行ったりして
会えなくなったりするのかな 今が嘘みたいに
じゃあまた会えた時 今みたいに
黙ったままで側にいられるのかな

2番では、先ほど簡単に触れた《いつか別れの時間が訪れる》ということに対する恐れが顕著にみられます。

 

この楽曲では根本的に、主人公が別れを恐れています。

ずっと先のことを考えていて、いつかどちらかが遠くに行ってしまうんじゃないか、そしたら今の関係は無くなってしまうのではないか、と不安を募らせてばかり。

だからこそ一時的な別れにも過敏になっていて、君のちょっとした動作にすらも感慨深くなってしまうのです。

 

やや極端ともいえる主人公のスタンスですが、抱えているもの自体は人間なら誰しもが抱いている別れへの不安を若干拡大したものに過ぎません。

 

大人っぽく振る舞ったり 尖ってみせたり
刺さった時に誤魔化して 変な感じになったり
そういうの まとめて愛せるくらいに
僕らは僕らを信じられていた

ここで改めて二人の関係性が掘り下げられます。

あえて別の言葉で言い換える必要もないのかもしれませんが、お互いのちょっとした見栄とか、気遣い故の変な空気とか、そういうイレギュラーも全部まとめて愛せるくらいに二人は自分たちの関係性を信じられていました。

 

妄信だと言われればその通りでしょうが、まだそれだけお互いを信頼できる若くて青い二人。青春です。

 

わりと同時に くしゃみしちゃうのが
面白かったよ 泣きそうになったよ

2番の歌詞はここまで主人公の心の中の話でしたが、ここで現実に引き戻されます。

やや急な気もしますが、そのきっかけが「くしゃみ」なのがまたごく自然な流れで美しいです。

 

偶然か必然か、同じタイミングでくしゃみをする二人。

主人公はそれを面白いと思うと同時に、こんな楽しい時間にも終わりが訪れるのだと察知してまた悲しくなるのです。

 

骨助
骨助

2番のサビでは美しくも難解な表現が登場します。

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