2番
名前を呼び合って 歩いたアスファルト
夜は冷え 寝そべり 星を見てた
あなたの人生に私を飾り付け
自分の事の様に大切にしてた想像は永遠で果てがなくて怖いんだ
気付けば終わってるつまらないヒューマンドラマみたいな日々でも
あなたが居れば眩しくなるよ
2番Aメロで描かれる情景は「私があなたを大切だと確信した瞬間」といったところでしょうか。
きっと他にも似たような瞬間はあったに違いありませんが、あなたと一緒に星を見て、あなたの人生について行くと心に決めたその瞬間を思い出して心を締め付けられているわけです。
だから次の歌詞では<想像は永遠で果てがなくて怖いんだ>と、自らの幸せ回想の裏に潜む虚無感に襲われてる。
あなたがいる過去が眩しすぎて、終わってるヒューマンドラマみたいな今がより際立ってしまうのです。
サビ2
私の長い髪が乾く頃あなたは夢の中
昨日も明け方まで語ったせいかな
ゆっくりと眠ってね
素直になれない癖が今日もあなたにしがみつく
懐かしいとか思える余裕が今は無いみたい
ゆっくりと眠ってね
前半はサビ1と同じ歌詞が綴られているのですが、サビ2では後半部分の<この記憶の糸を辿ろう>が<ゆっくりと眠ってね>に変化しています。
これは過去のあなたにしがみついてしまう自分に嫌気が指し、長い時間行っていた記憶の糸巡りに終止符を打とうとしているさまを表しているのでしょう。
目を閉じて観る意識的な夢の中から、眠りにつくことで入ることのできる無意識世界の夢の中へ。
過去のあなたにかけた<ゆっくりと眠ってね>を自分にも囁くあたり、あなたと一緒の世界に入りたいという無意識下の願いが投影されているようで切なさを感じずにはいられない。
ちなみにこの<ゆっくりと眠ってね>はラストサビの伏線でした。やばい。。。
ラストサビ
この長い話が終わる頃あなたが居ないのも
分かっているのに諦めがつかなくて
あなたの温もりにつられ眠る夜は
もう何処にも無いのでしょうこの身体の一部からゆっくりとあなたを手離すの
泣きながら引き止めてよ
嘘みたいだね 全てが 無かった事の様だよ
ゆっくりとさようなら
過去の想起を止めたとき、当たり前だけどあなたはいない。
こんな当たり前を繰り返して嘆く自分に嫌気が指しながらも、眠るときすらもあなたの温もりを頼りにしてしまう。
この<あなたの温もりにつられ眠る夜は>こそ<ゆっくりと眠ってね>を自分にかけたサビ2の回収で、同じ言葉をかけた裏には、あなたと同じがいいという普遍的な願いがあったのです。
「会いたい」や「触れたい」なんてストレートな表現ではなく、<ゆっくりと眠ってね>なんてすごく遠まわしな距離の縮め方がリアルすぎる。
いけないとわかってブレーキをかけている主人公の心情が芯に伝わってきます。
しかし遠まわしに願った「あなたと同じ温度で眠ること」すら、今は叶わない現実であるため、歯を食いしばって心身にまとわりつくあなたを引き離す。
最後まで「引き止めてよ!」なんて心の奥底で願いながら、ゆっくりとゆっくりとさよならをする。
長い髪の主人公は今と過去を何度も往復しながら、ゆっくりとゆっくりと前に進んでいったのだ。
感想
歌詞考察中、長い髪の主人公に感情移入しまくりで、心が行き場のない気持ちになっています。
具体的に言うならば大きな切なさと喪失感、同時にちょっぴり垣間見える希望を心に同居している感じです。
単発で終わることなく、多くの男女の心に「泣けるラブソング」と刻まれ続けている理由が改めて分かった気がします。
【FOMARE/長い髪】
歌詞の意味の解釈でした!
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