いきなりですが私は藤井風の「優しさ」という楽曲がめちゃくちゃ好きです。
はじめて「何なんw」を聴いた時に「なんだこの楽曲に漂う色気は…」と感じて、聴けば聴くほど荒々しいカッコよさと繊細な旋律に惹きつけられました。そして『優しさ』には更に心を持っていかれました。
特に優しさを感じたときの心情を示す「優しさに 触れるたび わたしは恥ずかしい」という歌詞に心を奪われました。真の優しさに触れたときは、自分のちっぽけさを感じるんですよね。強く共感します。
ただ本記事で語っていきたいのは、ここではなく他の部分になります…
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優しさを聴いたとき斉藤和義が頭に浮かんだ
ここです。私が語っていきたかったのは!
斉藤和義の名曲「やさしくなりたい」を彷彿させるんですよね。
マニアックな部分であり個人の感性の差や聴いてきた音楽の違いで変化する感想だと思いますが、この記事に辿り着いたあなたは、きっと私と同じ感想を持ったはず。
ただいくら探しても『優しさ』が『やさしくなりたい』のオマージュであることや、藤井風と斉藤和義の関係性を示す情報は見つけることができませんでした。
でもやっぱり楽曲間の共通点はあります。似ているという大雑把なものではなく、割と明確に共通点が存在します。
「やさしくなりたい」との共通点
『優しさ』と『やさしくなりたい』の共通点はズバリ歌い出しの音程と歌詞の類似性にあると思っています。敢えて言うならタイトルも同じ要素を含んでいますよね。
歌い出しの音程と歌詞の類似性
については、実際に見比べてみると分かりやすいと思います。比較表を作ってみました。
- 今何を見ていた
- あなたの夢を見た
- 優しさに殺られた
- あの人の木陰で
- 今何を見ていた
- あなたの影を見た
- 優しさに震えた
- あの腕の中で
- 地球儀を回して
- 世界100周旅行
- キミがはしゃいでいる
- まぶしい瞳で
- 光のうしろ側
- 忍び寄る影法師
- なつかしの昨日は
- いま雨の中に
- 赤字の部分が音程の類似
- 青字の部分が歌詞の類似
になっています。
直感的に似ていると感じていた人は赤字の部分、歌詞に同一性を見出した人は青字の部分に共通点を感じていたのではないでしょうか。
突き詰めて言うなら「あなたの影を見た」と「忍び寄る影法師」は、音程も歌詞も類似していますよね。私はこのフレーズで2曲の重なりを感じました。
どれくらい重なったかと言うと
これが正解なのに
と続くんじゃないかと思ってしまうほどでした。『優しさ』を聴き慣れた今ではさすがにそれはないですが。
とにかく歌詞と音程の類似が2楽曲間にはあったのです。そしてさらに深く追求して見ると、歌詞のメッセージ性も似ていることに気付きます。
2楽曲の歌詞の意味で共通すること
『やさしくなりたい』の歌詞を噛み砕く
愛なき時代に生まれたわけじゃない
キミといきたい キミを笑わせたい
愛なき時代に生まれたわけじゃない
強くなりたい やさしくなりたい作詞:斉藤和義
まずこちらは「やさしくなりたい」のサビになります。これを噛み砕いていくと、、、
→人類愛・温かさの象徴
→君に対する好意、憧れ
→君の残像を見て「やさしくなりたい」
といったところですね。
- 人類愛・温かさの象徴
- 君に対する好意、憧れ
- 君の残像を見て「やさしくなりたい」
この3点を押さえたうえで『優しさ』の歌詞(後半部分の引用)を見ていきましょう。
『優しさ』の歌詞を噛み砕く
ちっぽけで からっぽで 何にも持ってない
優しさに 触れるたび わたしは恥ずかしい知らぬ間に 失くしちゃうから
心に深く刻み込んだ あなたの眼差し
まずAメロで語られるのは
君の優しさを前にした圧倒的ちっぽけ感
です。
君を尊い存在であると認識していると同時に、君の優しさに触れて自分の「優しくないさま」を認識させられているのです。
君と見比べると自分なんて何にも持っていない。
そう言い切ってしまえるほど、君との差を感じている主人公は、君が目の前にいるときも君が目の前にいないときも、君の優しさの残像を追いかけてしまいます。それが続くサビで綴られている。
今何を見ていた あなたの目を見てた
優しさに殺られた あの人の木陰で
今何を見ていた あなたの影を見た
優しさに震えた あの腕の中で
ざっくり言うと
- 「あなたの目を見てた」は目の前にいる様子
- 「あなたの影を見た」は目の前にいない様子
をそれぞれ表しています。
目の前で自分にはない「優しさ」を見せられた主人公はまるで「殺られた」ような感覚を覚え、あなたが目の前にいないときも、自分の理解範囲外の優しさを「震える」ように想起しているのです。
そんな主人公が後にとる情動が歌詞のラストフレーズで描かれていきます、、、
置き去りにした愛情を 探しに帰って
温もり満ちた感情を いま呼び覚まして
凍えた心が愛に溶けてゆく
花の咲く季節が戻ってくる
メッセージとしてはここが一番濃いです。
主人公は置き去りにした愛情を探しに行き、温もり満ちた感情を呼び覚ますのです。
上の歌詞を噛み砕いた後だと、言わずもがなピンときますよね。置き去りにした感情とはすなわち「優しさ」を比喩しています。温もりに満ちた感情も同じです。
つまり「やさしくなりたい」と願うわけです。
2曲の解釈を照らし合わせる
ここで2楽曲を重ねてみましょう。
まず「やさしくなりたい」をおさらいすると
- 人類愛・温かさの象徴
- 君に対する好意、憧れ
- 君の残像を見て「やさしくなりたい」
上記3点をポイントとして挙げました。
対して「優しさ」で描かれていたのは
といったところでしたね。
なんともマッチしています。
→だから置き去りにした愛情を探しに帰る
・強くなりたい やさしくなりたい
→だから温もり満ちた感情をいま呼び覚ます
こう見ると返しが成り立ち過ぎてて、アンサーソングとして成り立つレベルです、、、
改めて【藤井風/優しさ】は、優しさを知ってやさしくなりたいと思った主人公の情景が描かれていたと言えるでしょう。
2楽曲には「やさしくなりたい」いう根強すぎる共通点があったのです。
優しさは最強
藤井風はこの曲について
とコメントを残しています。
私含め歌詞に強く共感した方は、改めて「優しさは最強」だと感じたのではないでしょうか。
優しさは、暴力的な言葉よりも相手に劣等感を抱かせるものであるし、相手の心を温めて「やさしくなりたい」なんて言ったポジティブな気持ちにさせることもできるのです。まさに最強の感情です。
やさしさに包まれたところで、ここらでそっと筆を置こうと思います。
いつもとは一風違う自己満足な考察記事(いつもですが 笑)に付き合って頂きありがとうございました。
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コメント
藤井風の曲で優しさが1番好きです。なぜなら、最初は優しくしてくれるあなたに私は、優しくできなかった。けど、どんどん話が進んでいくたびに私は、優しくできてくる。ということは、
あなたに優しくできるくらい成長、または、強くなったというわけだから。
今よわい人もいつか強く成長する。