明日から逃げるより
今に囚われたい
まわり道には色気が無いじゃん
今に囚われたい=君と一緒にいること
とするならば
明日から逃げる=君と一緒にいないこと
になります。
難解な比喩表現で織りなされる歌詞ですが、君といれないことは明日がないことと同じであると考えているのでしょう。だから主人公は色欲にまみれた充実したイマを選択する。
「誰にも言わない」という覚悟を胸に秘めて…
サビ2
I won’t tell my friends
‘Cause I know they’re gonna worry
I won’t blame anyone else
For what happens to me
だって心配されると分かってるから
誰のせいにもしたくない
私に起こることを
歌詞の内容はサビ1と同じ。
ですが2番のAメロBメロを通して見ると「他人に言わない」というのは、主人公のエゴではなく覚悟の重さを表しているのだと再認識させられます。
欲望にまみれた愛欲というのは、打算的な部分がないぶん、どこまでも純粋で強い感情なのだと改めて感じました…
3番
Can you satisfy me
Boy you know what I need
I just want your body
I just want your body
私が必要としているものは知っているよね
あなたの身体が欲しい
ただあなたが欲しい
3番の英語歌詞では、隠すことのない主人公の欲望が淡々と綴られていきます。
一方的にあなたを求める姿勢からは、細い糸で心を保っているような危うさを感じさせられる。イマという瞬間だけに全てを捧げた主人公は諸刃の剣を振り回しているようなもの。
One way street 照らす月と歩いた
好きな歌口ずさみながら
感じたくないことも感じなきゃ
何も感じられなくなるから
最後に描かれるのは、君と別れたあとに独りで夜道を歩く情趣のない景色。
瞬間的な充実感を得た代償として、心が蝕まれていくことを感じながらも、痛みを抱きしめたうえで明日へ進もうとする。
幸せと不幸の起伏で揺れる主人公が、一瞬の幸せを掴み取るために「誰にも言わない」という決意を固めて、未来に向かっていく。
他者と交わりたいという強すぎる想いの前では、どんな理屈もどんな代償も問わないのが動物たるヒトの本来の姿なのかも知れない。
感想
改めてすごくエッジの効いた楽曲だったなと。
最近解説させて頂いた「Time」もそうですが、少女漫画のようなキラキラした恋愛ではなく、もっとドロッとしたリアルな大人の恋愛。特異的な場面であるのに、多くの人を共感させるであろう詞は、形容しがたい魅力に溢れている。
暗くよどんだ情景を通して、人間の真の強さを感じさせる。
宇多田さんの強さであり、色であり、魅力が詰まった楽曲でした。
最後に余談ですが、宇多田ヒカルはサブスクを解禁しているので、新曲も過去の名曲も一つの音楽サービスで全て堪能することができます。過去曲も新曲も名曲揃いなので、すごくおすすめです。
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コメント
納得させられる部分が多々ありました!