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【Bank Band feat.MISIA/forgive】歌詞の意味を徹底解釈! 大震災から10年の節目の日に。

【Bank Band feat.MISIA(バンク・バンド-ミシア)】「forgive(フォーギブ)」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。

 

注目ポイント

✔ 楽曲の制作背景

✔ 構図【かくれんぼ】の再利用

✔ 櫻井さんの圧巻の作詞センス

 

骨助
骨助

震災から10年が経った2021年3月11日に初披露された楽曲。込められた想いを紐解いていきます、

 

 

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3.11から10年の節目の日に

今回紹介していく「forgive」はBank Bandが2021年3月20日に配信をスタートした楽曲です。

大震災から10年が経過した節目の日である2021年3月11日放送に、TBS系音楽特番「音楽の日」にて初披露されました。

 

Bank BandはMr.Childrenの櫻井和寿さんと音楽プロデューサーの小林武史さんを中心に活動する、いわゆるスーパーバンド。

今回の楽曲では作詞を櫻井さん、作曲を小林さんが務めており、ゲストボーカルとしてMISIAさん、ベーシストとして亀田誠治さんを迎えるなど錚々たる参加メンバーとなっています。

また、コーラスには宮城県石巻好文館高等学校音楽部と石巻メンネルコールが参加しています。

 

小林武史さんは楽曲について

東北の大震災から10年経ったと言う節目と、コロナという新たな脅威が1年以上続いている状態を背景にこの曲は生まれました。
ネガとポジは繋がってると思っているけれど、音楽にも様々な陰と陽があって、この曲は少し複雑かなと思うくらいそういった表情を組み合わせて作ったつもりです。
櫻井くんの言葉がそこに想いを描いてくれて、その後、櫻井くんとMISIAがそれぞれと呼応しながら命を吹き込んでいく様は、あっという間の出来事でしたが、本当に圧巻でした。

とコメントされています。(一部抜粋)

 

東日本大震災から10年がたった今という時代に制作された楽曲。

一体何を歌ったものなのか、この記事では歌詞に注目しながら紐解いていきます。

 

骨助
骨助

まずは楽曲タイトルについて意味を確認していきましょう。

楽曲名「forgive」とは

「forgive」「許す」を意味する英単語です。

 

作詞を務めた櫻井さんは楽曲について

あれから10年
それから今も
大きな流れの前では、小さくて不完全な僕らを
許しながら
それでもやっぱり未来へ力強く漕ぎ出す
そんな歌です

と発言されています。

 

震災や感染症、時の流れといった大きなものを前にした時に、あまりに小さくて脆い私たち。

そんな自分たちの弱さを受け入れながらも、前に進んでいこう!というポジティブなメッセージが込められた楽曲になっているようです。

 

骨助
骨助

次に本題の歌詞を見ていきましょう!

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歌詞

えんやこら
まだだよ
えんやこら
まだいくよ

えんやこら
ここから
えんやこら
はじまるよ
今から

「もういいかい?」
「まだまだだよ」って
子供たちが
かくれんぼしている
可愛らしくて
懐かしくて
束の間 時が止まる

いつも見えない荷物の重さに
身体を屈めながら暮らしてる
誰のせいでもないと分かってて
誰かを責めたり 自分を恨んだりして

爪先立ちして
風のディストーション
身体中に浴びながら放つよ
金網を越えて
何処までも飛んでけ
あの日丸めた未来予想図を
紙飛行機のイメージで
次の僕らへと

「もういいかい?」
「まだまだだよ」って
自分の中のかくれんぼなんか
もうやめた

えんやこら
まだだよ
えんやこら
まだいくよ

えんやこら
ここから
えんやこら
はじまるよ

変わってく事でしか続いてはいかない
それもとうに理解してる
新しい景色を許すことで
それまでの全てが許されるならいいのに

爪先立ちして
風のディストーション
身体中に浴びながら歌うよ
花びらが舞った
きらめく解放区で
明日のためのメロディ奏でよう
金網を越えて
何処までも飛んでけ
あの日消えた未来予想図を

爪先立ちして
次の僕らへと
花びらが舞った
次の未来へと

昨日を許して
次の僕らへと
自分を許して
次の未来へと

声よ響け
次の僕らへと
歌よ響け
次の未来へと

声よ響け
次の僕らへと
歌よ響け
次の未来へと

涙を連れて飛んでけ
次の僕らへと

 

作詞:櫻井和寿

歌詞の意味・解釈

1番

えんやこら
まだだよ
えんやこら
まだいくよ

えんやこら
ここから
えんやこら
はじまるよ
今から

和の祭りの匂いを感じさせる純日本的なフレーズから楽曲はスタート。

《えんやこら》という歌い出しはなかなかに衝撃的です。

【震災から10年がたった今】という制作背景で作られた楽曲である以上、この曲には日本という国そのものを応援するような大きなスケール感が必要不可欠だったことでしょう。

その意味で、日本の力強さの象徴ともいえる祭りのテイストは楽曲の世界観を明確なものにしているように感じます。

 

《まだだよ まだいくよ》

《ここから はじまるよ》

震災があろうと、感染症が流行しようと、まだ終わったりなんかしない。ここからまた始まっていく。

そんな情熱を感じる歌詞は、思わぬ形で次の歌詞のきっかけとして機能しています。

 

「もういいかい?」
「まだまだだよ」って
子供たちが
かくれんぼしている
可愛らしくて
懐かしくて
束の間 時が止まる

先ほどの《まだだよ》という歌詞をきっかけ台詞のようにして、楽曲のテーマは【かくれんぼ】へと進展していきます。

 

子供たちが楽しそうに遊んでいる様子が目に浮かぶ温かな歌詞は、若い命の息吹を感じさせてくれます、

色んな災害が起こったこの日本という土地にも、新しく命は芽生え次の世代へと時代は進んでいくのです。

思えば、今かくれんぼで遊んでいるような子供たちは大震災後に生まれているという事実に10年という歳月の長さを痛感させられます。

 

いつも見えない荷物の重さに
身体を屈めながら暮らしてる
誰のせいでもないと分かってて
誰かを責めたり 自分を恨んだりして

純真無垢な子供たちの姿と対比されるように、今度は人間の弱さのようなものが描かれていくこととなります。

櫻井さんのコメントでいうところの「大きな流れの前では、小さくて不完全な僕ら」の部分です。

 

震災から10年が経った今、世間はコロナウイルスの流行で様々なことが騒がれています。

いつも社会的な、あるいは精神的な重圧を感じながら身を屈めるように暮らしていて、どうしようもないことで誰かを責めたり自分を恨んだり。

 

感染症や災害といった大きなものの前では無力で不完全な私たち。

そんな楽曲の構図は、皮肉にもまさに今の世の中で浮彫になっているように思います。

 

サビ1

爪先立ちして
風のディストーション
身体中に浴びながら放つよ
金網を越えて
何処までも飛んでけ
あの日丸めた未来予想図を
紙飛行機のイメージで
次の僕らへと

ディストーションとは「歪み」のこと。

 

生きる重圧で背中を丸めて生きるのなんかやめて、背伸びしてノビノビと生きようじゃないか。

未来予想図を風に乗せて、紙飛行機みたいに美しく放とうじゃないか。

直前で描かれた人間の弱さは、そんな前向きなメッセージへと昇華されていきます。

 

ここでいう《あの日》とは紛れもなく、楽曲が初披露されたちょうど10年前の3月11日のことでしょう。

あの日ぐちゃぐちゃになった未来を、今もう一度。

10年経った今だからこそ歌える、櫻井さんの復興への想いです。

 

2番

「もういいかい?」
「まだまだだよ」って
自分の中のかくれんぼなんか
もうやめた

「もういいかい?」
「まだまだだよ」

2番では1番と同様に、再び【かくれんぼ】というテーマの歌詞が登場します。

しかし子供たちが遊んでいる幸せな風景を描いた1番とは打って変わって、今度は「進むのを躊躇っていた自分」の比喩表現として。

 

「まだまだだよ」なんて言って隠れているのはもうやめた。

 

同じ構図を全く違う形で再利用しながら展開していく見事な楽曲構成。

櫻井さんの圧倒的な作詞センスを感じずにはいられません…

 

えんやこら
まだだよ
えんやこら
まだいくよ

えんやこら
ここから
えんやこら
はじまるよ

再びさきほどの「まだまだだよ」というかくれんぼの台詞を受けて、自然に《まだだよ まだいくよ》《ここから はじまるよ》という前向きな言葉を綴ったこのフレーズに帰還します。

圧巻の展開です。

 

骨助
骨助

次の歌詞では「変わっていくこと」への想いが綴られていきます。

 

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