2番
無くしてしまったものを振り返って ほろり
時には途方に暮れてただ風に吹かれて ゆらり息せき切ってきたの
行き先は決めたの
迷わずに行きたいけど保証はしないよ
無くしたものを振り返って悲しくなって、途方に暮れて風に吹かれて。
ここにきて楽曲は、少しノスタルジックな一面をのぞかせます。
「息せき切ってきた」はあまり日常的に使わないフレーズですが、「息遣いが激しくなって、早くしなければとあせっているさま」のことです。漢字は「息急き切って」。
行き先はきめてあるけれど、そこに迷わずに行ける保証もない。
この部分の歌詞はここだけを切り取るとネガティブなものに思えますが、次の歌詞で全てが ”グルーヴ感” の中に取り込まれていきます。
何か分かったようで
何も分かってなくて
だけどそれが分かって本当に良かった
目的地に迷わずに行ける保証もない。
何かわかったようで何も分かっていない。
《だけどそれが分かって本当に良かった》
そう藤井風は言い切ってしまいます。
その真意を憶測するなれば、歌詞の流れからして「日々を新しく感じられるから」ではないでしょうか。
何か分かったつもりにはなるけれど、何も分かっていない。だけど自分が何も分かっていないと分かっていれば、出会うもの全てが未知で輝いて見える。
だから《それが分かって本当に良かった》。
人間が無知であることすらも肯定して、新しくて夢みたいな日常を目の前にした高揚感に変換して。
楽曲は再び集団を取り込むような感情のうねりを引き起こしてきます。
ラストサビ
どこにいたの 探してたよ
連れてって 連れてって
何もかも 捨ててくよ
どこまでも どこまでも荒れ狂う 季節の中も 群衆の中も
君とならば さらり さらり
新しい日々も 拙い過去も 全てがきらり
《新しい日々も 拙い過去も 全てがきらり》
この曲はありきたりな日常をなにか特別なものに変えて、ここじゃないどこかへと連れ出してくれるような魅力に溢れています。
思わず体を動かしたくなるような軽快で重厚なメロディラインと、集団を夢の中のような高揚感のなかに惹き付けてくれる不思議な歌詞。
まさに「Good Groove」という言葉を体現したような素敵な楽曲でした。
【藤井風/きらり】
歌詞の意味の解釈でした!
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