【BUMP OF CHICKEN】の「SOUVENIR」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✓ 「大切な場所」を描いた楽曲
✓ 実は「家族」の歌ではない…?
✓ キーワードは「帰り道」
『SPY×FAMILY』第2クール主題歌として大注目の一曲。じっくり解説していきます!
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『SPY×FAMILY』2期OP曲
今回紹介していく「SOUVENIR」はTVアニメ『SPY×FAMILY』第2クールのオープニング主題歌として書き下ろされた楽曲です。
2022年9月29日より楽曲の配信リリースがスタートしており、同曲を使用した本予告映像も公開されています。
「SPY×FAMILY」は「少年ジャンプ+」で連載中の大人気マンガ。
凄腕スパイのロイド、超能力少女・アーニャ、殺し屋・ヨルの3人が、それぞれの素性を隠したままで仮初の家族を築き、「家族としての普通の日常」を送ろうと奮闘するホームコメディ作品となっています。
決して普通ではないけれど、心温まる家族の形を描いた魅力的な作品です。
2022年4月から6月にかけてアニメ第1クールが放送され、爆発的なヒットを記録しました。
タイトルの「SOUVENIR」は英語で「記念品」「お土産」といった意味で、読みは「スーヴェニア」。
BUMP OF CHICKENは楽曲について、以下のようにコメントされています。(一部抜粋)
●オープニング主題歌を担当されると決まった時の感想を教えてください。
メンバー全員楽しく読ませて頂いていた作品だったので、オファーを頂いた時はとても光栄に思いました。
アニメの第1クールも毎週観させて頂き、第2クールに対する期待感に胸を膨らませましたが、同時に主題歌頑張らねば、と気が引き締まりました。●曲名や楽曲に込めた想いを教えてください。
ライブ会場で対面するリスナーに対して思う気持ちを、大切な場所に向かう道になぞらえて書きました。
「リスナーに対して思う気持ち」を込めたという今回の楽曲。
それがSPY×FAMILYの内容とどう関係してくるのか、この記事では歌詞を中心に考察していきます。
さっそく本題の歌詞を見ていきましょう!
歌詞
恐らく気付いてしまったみたい
あくびの色した毎日を
丸ごと映画の様に変える
種と仕掛けに出会えた事仲良くなれない空の下
心はしまって鍵かけて
そんな風にどうにか生きてきた
メロディが重なった小さくたっていい 街のどんな灯よりも
ちゃんと見つけられる 目印が欲しかったこの目が選んだ景色に ひとつずつリボンかけて
お土産みたいに集めながら続くよ 帰り道
季節が挨拶くれたよ 涙もちょっと拾ったよ
どこから話そう あなたに貰った この帰り道歩いて歩いて 時々なんか急いで あなたに向かう道を
走って走って いやいややっぱ歩いて あなたに向かう道をこうなるべくしてなったみたい
通り過ぎるばっかの毎日に
そこにいた証拠を探した
メロディが繋がったそうしてくれたように 手を振って知らせるよ
迷わないでいいと 言ってくれたようにどこからどんな旅をして 見つけ合う事が出来たの
あなたの昨日も明日も知らないまま 帰り道
土砂降り 一体何回くぐって 笑ってくれたの
月より遠い世界から辿ってきた 帰り道歩いて歩いて いつの間にか急いで あなたに向かう道を
走って走って 恥ずかしくなって歩いて あなたに向かう道をこの目が選んだ景色に ひとつずつリボンかけて
お土産みたいに集めながら続くよ 帰り道
季節が挨拶くれたよ 涙もまた拾っちゃったよ
どこから話そう あなたに貰った この帰り道どこからどんな旅をして 見つけ合う事が出来たの
あなたの昨日と明日が空を飾る 帰り道
この目が選んだ景色に とびきりのリボンかけて
宇宙の果てからだろうと辿っていく 帰り道歩いて歩いて 転んで平気なふりして あなたに向かう道を
走って走って 胸いっぱいで歩いて あなたに向かう道を
作詞:藤原基央
歌詞の意味・解釈
1番
恐らく気付いてしまったみたい
あくびの色した毎日を
丸ごと映画の様に変える
種と仕掛けに出会えた事
「ライブ会場で対面するリスナーに対して思う気持ちを、大切な場所に向かう道になぞらえて書きました。」
BUMP OF CHICKENのコメントにそうあったように、今回の楽曲で描かれているのは「大切な場所」への想いです。
その「大切な場所」がBUMPやそのファンにとっての「ライブ会場」であり、アーニャらSPY×FAMILYの登場人物たちにとっての「家族」であるのでしょう。
《あくびの色した毎日を 丸ごと映画の様に変える 種と仕掛けに出会えた事》
それまでなんてことなかった毎日が、それぞれが出会ったことで手品のように丸ごと変わり始めます。
仲良くなれない空の下
心はしまって鍵かけて
そんな風にどうにか生きてきた
メロディが重なった
アーニャは両親不在で、里親や施設を転々としながら独りで生きてきた過去があります。
そんなアーニャを養子にとった父・ロイドはスパイであり、母親となったヨルも殺し屋として、周囲の人間に素性を隠して生きてきました。
そんな風にどうにか生きてきた彼らの人生が、ある日仮初の「家族」として重なり合ったことで始まる物語。
それが『SPY×FAMILY』という作品であり、その世界観をリリカルに説明したのがこの部分の歌詞だと思います。
決して交わらない人生を過ごしてきた人々が一つの目的のために集まる、という意味で、BUMPのコメントにあった「大切な場所=自分たちにとってのライブ会場」という表現もこの部分の歌詞に合致しています。
小さくたっていい 街のどんな灯よりも
ちゃんと見つけられる 目印が欲しかった
星野源さんは『SPY×FAMILY』第1クールED曲「喜劇」の中で、「家族」を「手を繋いで帰って、君と笑い合える場所」「よそ者だった自分が見つけた居場所」といった存在として表現していました。
それは今回の楽曲「SOUVENIR」でも同じ。
街のどんな灯よりも、帰るべき場所の目印が欲しかった。
言い換えれば、たとえ小さくたっていいから帰ることのできる居場所が欲しかった、というわけです。
サビ1
この目が選んだ景色に ひとつずつリボンかけて
お土産みたいに集めながら続くよ 帰り道
季節が挨拶くれたよ 涙もちょっと拾ったよ
どこから話そう あなたに貰った この帰り道
「家族」を「自分の居場所」として描いている点は星野源さんの「喜劇」と同じ。
しかしこの曲の注目すべき点は、そこに至るまでの「帰り道」にスポットライトを当てているところです。
《どこから話そう あなたに貰った この帰り道》
“あなた” が私にくれたのは、「家族」という居場所だけではありません。
それまでなかった「帰る場所」が出来たことで、そこに至るまでの「帰り道」という概念ができあがります。
いままで気にも留めていなかった、何物でもなかったただの道が「帰り道」になって、目に映る景色が後で “あなた” と話すときの話題、つまり「お土産」として輝いて見えるようになった。
あなたと出会ったことで、独りで過ごす時間さえも輝き始めた。
だから《あなたに貰ったこの帰り道》なのでしょう。
BUMPの「新世界」の歌詞に《君と会った時 僕の今日までが意味を貰ったよ》《例えば曲がり角 その先に君がいたら そう思うだけでもう プレゼント開ける前の気分》といった歌詞がありますが、それに非常に近いものを感じます。
この曲はそんな風に、居場所そのものではなくてそこまでの「帰り道」の変化を中心に描いています。
歩いて歩いて 時々なんか急いで あなたに向かう道を
走って走って いやいややっぱ歩いて あなたに向かう道を
歩いたり急いだり、無邪気な子供っぽさを巧みに描きながら、大切な場所が近づいてくる ”わくわく” 感を表現した歌詞がこの部分だと思います。
帰り道を歩くアーニャの可愛らしい光景が目に浮かびますね。
2番でも「帰り道」を通じて日常の変化が描かれていきます。
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コメント
「souvenir」イイ曲です♪
考察の内容が神