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【椎名林檎/神様、仏様】歌詞の意味を徹底解釈して考察!

【椎名林檎×向井秀徳】

「神様、仏様」について

MVと歌詞の意味を徹底的に

考察および解説していきたいと思います。

本楽曲は、アルバム「三毒史」の収録曲であり、椎名林檎が向井秀徳とコンビを組んで展開されるナンバーです。

楽曲タイトル名とMV・歌詞のギャップに注目です。是非、最後までご覧下さい。

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楽曲名「神様、仏様」の意味とは

「神様」とは

信仰の対象として尊崇されるもの。

人知を超越した絶対的能力をもち、
人間に禍福や賞罰を与える存在。

「仏様」とは

崇拝の対象として崇められるもの。

という意味になっています。

一般的にはどちらも

超自然的な力や人間の運命を決める存在

として扱われています。

この楽曲名が歌詞の内容と

どう関与しているのでしょうか。

MVの意味・解釈

美しき和装姿!

「神様、仏様」のMVでは楽曲のレコーディングに参加した演奏家たちが和装でパフォーマンスする姿や“百鬼夜行”を演じる様子が映し出されています。

かっこよすぎる百鬼夜行

が映し出されているうえで

人間様のお通りよ

と謳われた後の展開にゾクゾクしました。

また背景の電光が

  • OH MY GOD(神様)
  • HOT CARE SUMMER(仏様)

であったりと細かい演出も凝っています。

全体としてクオリティが高過ぎる。

 

そして「神様、仏様」というタイトルなのに

日本の宗教観が全く反映されていない

のも面白い。

実際、日本では7割以上が無宗教だと言われています。つまり宗教観と言うのは日本人にとっては取るに足らない場合が多いのです。そう考えると『現状の日本』その的をかなり得ているMVなのではないでしょうか。

では、本題の歌詞に迫っていきます。

歌詞

充たしたいのよ
五臓六腑まで沁みわたつてよ
留度ないのう酔へる物なら
皆呑ませておくれ もの足りないのう
眠りたいのよ
生きてゐることも忘れたいのよ
忙しないのう狸寝入りを
照らさないでおくれ…うらめしや

さうだよ幽霊の正体見たり
人間様のお通りよ
塩ツ辛いナマ臭い生き血がかしましい
南無阿弥陀仏!神様、仏様
這ひつくばつて煙幕を張れば小火騒ぎ

交互に人生の上前ハネ合う
世間様おたがひ様
狡ツ辛いキナ臭い浮き世はかしましい
南無阿弥陀仏!神様、仏様
色めき立つた奴等面白可笑しく空騒ぎ
ところが此方人等一等恐いのは自らよ
ささくれ立つてはついいけない胸騒ぎ

遊びたいのよ
誰ぞ好い人と善がりたいのよ
慾深いのう
地獄の淵へ突き落としておくれ

繰返される諸行無常
よみがへる性的衝動
冷凍都市の暮らし
行方知れずの彼奴
何時の間にか姿眩まし

utaten.com

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歌詞の意味・解釈

尊い「人間様」

充たしたいのよ
五臓六腑まで沁みわたつてよ
留度ないのう酔へる物なら
皆呑ませておくれ もの足りないのう
眠りたいのよ
生きてゐることも忘れたいのよ
忙しないのう狸寝入りを
照らさないでおくれ…うらめしや

utaten.com

  • 充たしたい
  • 呑みたい
  • 眠りたい

と、欲をさらけ出すのは

「欲望に流されたい」

という本能が起因する願望だから。

しかし、現実社会そうはいかない。

社会に属している限りは、
誰しもが色んなしがらみを抱えています。

だから

生きてゐることも忘れたいのよ

と、社会の中で生きることを拒む文面が見られる。

 

狸寝入りとは、わざと寝たふりをすること。

この歌詞に当てはめると

わざと社会の目を気にせず、

欲望にのまれること。

ことだと解釈できます。

しかし、照らされる(社会に放り出される)のが現実。だから“うらめしや”と言う。

さうだよ幽霊の正体見たり
人間様のお通りよ
塩ツ辛いナマ臭い生き血がかしましい
南無阿弥陀仏!神様、仏様
這ひつくばつて煙幕を張れば小火騒ぎ

utaten.com

幽霊は人間。

つまり

「一番怖いのは人間」

だと言っています。

 

塩ツ辛いナマ臭い生き血がかしましい

にメッセージが詰まっている。

かしましいとは、姦しいと書く。

漢字を見て分かるように女が三人。
(PVも女が三人だから恐らく関連性アリ)

それを前提に踏まえて考えると

生き血がかしましい

とは、女三人が集っているから、やかましくて騒がしい。百鬼夜行のように、血が騒ぐとは異なるけど、脈打つように能動的で活力に溢れ、生き生きしてる。

だから尊い「人間様」

といったところでしょうか。

 

誰もが信仰するように

「神様、仏様」と頭を下げるが

小火騒ぎ(ボヤ騒ぎ)と言い表していいほど、

わずかで一部分的な崇拝しかしていない。

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本能に忠実な「人間様」

交互に人生の上前ハネ合う
世間様おたがひ様
狡ツ辛いキナ臭い浮き世はかしましい
南無阿弥陀仏!神様、仏様
色めき立つた奴等面白可笑しく空騒ぎ
ところが此方人等一等恐いのは自らよ
ささくれ立つてはついいけない胸騒ぎ

utaten.com

上前を撥(は)ねるとは、

他人に取り次ぐ賃金や
代金の一部を自分のものとすること。

現代で多く使われる言葉でいうと

ピンはねをすること。

何もせずに利益を横取りする、
暴利をむさぼるといった悪いイメージ

が多いです。

浮き世とは

つらいことが多い世の中

を指して言う。

総じていうと、
人間社会の愚かさを嘆いている。

 

そして、それを誤魔化すかのように

空騒ぎする(無理に騒ぐ)人間

が描かれる。

しかし、人間の面白い部分がここで

空騒ぎ→胸騒ぎ

になるように

空騒ぎしている内に、楽しくなっちゃって、世間の目なんて気にせずお祭り騒ぎしてしまう。

欲望には逆らえない「人間様」

なのです。

欲深き「人間様」

遊びたいのよ
誰ぞ好い人と善がりたいのよ
慾深いのう
地獄の淵へ突き落としておくれ

繰返される諸行無常
よみがへる性的衝動
冷凍都市の暮らし
行方知れずの彼奴
何時の間にか姿眩まし

utaten.com

欲深きこそが「人間様」

生理的欲求を中心に、
自らの欲を解消していく事で
「悦」を感じるのが人間の性なのです。

どうしようもないから、

地獄の淵へ突き落としておくれ

と言っている。

そうでもしないと、
逆らえない運命だと分かっているから。

 

そして、欲望の衝動は、

一度満たされたとしても、
保持することができない。

諸行無常と同じように、常に流動変化し、
欲望は更なる欲望を更新していくのです。

おわりに

MVの表現もそうでしたが

「神様、仏様」

というタイトルの割には、
いっさい宗教観は描かれていない。

むしろ「人間様」

傍若無人な振る舞いが綴られる。

それなのに

「神様、仏様」

というタイトルになっているところに、またまたセンスを感じる、、、

時間がある方は他楽曲もどうぞ。

【椎名林檎/神様、仏様】

MVと歌詞の意味の解釈でした!(‘ω’)

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