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【ゲスの極み乙女。/人生の針】歌詞の意味を徹底解釈!終わった恋をもう一度。

【ゲスの極み乙女。】「人生の針」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。

 

注目ポイント

✔ タイトル「人生の針」の意味

✔ 抽象的な比喩表現

✔ 深読みの先の隠されたメッセージ

 

骨助
骨助

ゲスの極み乙女。2年ぶりのフルアルバム収録曲。必聴です…!

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楽曲の基本情報

→Apple Musicでフル視聴する 

 

今回紹介していく「人生の針」は、アルバム「ストリーミング、CD、レコード」収録曲。

配信限定シングルを数多く制作してきたゲスの極み乙女。ですが、フルアルバムの発売は前作「好きなら問わない」より実に2年ぶりとなります。

 

アルバムの発売に寄せて、ボーカルの川谷絵音さんは

ゲスの極み乙女。とは一体何なのか、改めて提示する作品が完成しました。
ブルーアイズホワイトドラゴンみたいな。レッドじゃなくてね。

とコメントしています。

 

骨助
骨助

唐突の遊戯王。絵音さんらしいですね…(笑)

楽曲名「人生の針」とは

タイトル「人生の針」

「針」という部分をどう解釈するのかが非常に悩ましいところですが、歌詞を見る限り「レコードプレイヤーの針」のことを指しているように感じます。

 

今となっては見かけなくなったレコード。レコード盤に刻まれた溝にプレイヤーの針を落とし、音声信号を読み取ることで曲を再生する道具です。

 

楽曲では人生レコード盤と捉え、「人生を動かすために落とす針」のことを「人生の針」と表現しているようですね。

 

この楽曲名が歌詞の内容とどう関与しているのでしょうか。

 

骨助
骨助

さっそく歌詞を見ていきましょう。

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歌詞

私、間違うことでしか人生の針を
正しくは使えないの
わかりあえるはずなのに
あなたは一歩も引かない

切り込みが予想外に大きくなった
変化を好んだわけじゃない
理想を選んだわけじゃない
痒いとこに手が伸びる様に
身勝手に忍ぶはずだった
忘れないよ
この業は
忘れないで
この行も

タチの目が
根を張る
安全なとこで善を縫う
レアなのは
値が張る
探すしかないか

私、間違うことでしか人生の針を
正しくは使えないの
わかりあえるはずなのに
あなたは一歩も引かない

縦に上げては遡る
機微と程遠いサンプル
隣の部屋のレコードで
我にかえった日曜日
歌いましょうよ
擦れる音
笑いましょうよ
ズレる音

驚いた
毒の数
忌憚なくお申し付けください
そんな張り紙でもあるんでしょうか

私、間違うことでしか人生の針を
正しくは使えないの
わかりあえるはずなのに
あなたは一歩も引かない
時の怖さを撫でる度
本当の意味で人生は舵を切れる
わかりあえる日が来るか
あなたに問うまで走るか

あなたが間違えた時の
世界は多分回って反対側
その時でも良いから
私に優しく針を落として

その時は
あなたも私もとびきりで
会いましょう

 

作詞:川谷絵音

歌詞の意味・解釈

私、間違うことでしか人生の針を
正しくは使えないの
わかりあえるはずなのに
あなたは一歩も引かない

楽曲はいきなりサビからスタート。

先述の通り「人生の針」というのは恐らくレコード針の比喩だと思われるのですが、しかしながらあまりに抽象的であるためここだけでは何を意味しているのかよくわかりません。

 

あなたとの関係もわからなければ私の犯した間違いもわからない。

あえていきなり投げつられけた、ぼんやりとしていて釈然としない歌詞

これを補足していくように、楽曲は進行していきます。

 

1番

切り込みが予想外に大きくなった
変化を好んだわけじゃない
理想を選んだわけじゃない
痒いとこに手が伸びる様に
身勝手に忍ぶはずだった
忘れないよ この業は
忘れないで この行も

この歌詞で、一組の男女の恋愛関係が少しずつ浮かび上がってきています。

 

なにも変化を好んだわけじゃない。理想を選んだわけじゃない。

痒いところに手を伸ばすくらいの、ほんの少しの身勝手をひっそりとやるつもりだった。

それなのに、切込みが予想外に大きくなってしまった。

 

どうやら、二人の恋愛は過去のものである様子。

 

「忘れないよこの業は 忘れないでこの行も」

「業」「行」は仏語で、この世の中での私たち人間のあらゆる行いのことです。

すれ違い、別れを経験した二人。だけど二人で過ごした日々を忘れない。

主人公は、二人の出会いそのものを悔やんではいないようです。

 

タチの目が 根を張る
安全なとこで善を縫う
レアなのは 値が張る
探すしかないか

「タチの目」というワードがピンときませんが、英訳された公式の歌詞を見てみると「looky-loots(野次馬たち)」という訳がなされていました。どうやら「タチ(の悪い連中)の目がこちらを向く」といった意味合いで用いられているようです。

 

二人の関係は悪化して、周囲にはそれを面白がるように注目してくる人が現れて。

心が荒んでしまった主人公は、誰もいない安全なところで独り気持ちを整理しています。

 

「探すしかないか」

そう自分に言い聞かせて、彼(彼女)は新たな出会いを探すのでした。

 

骨助
骨助

抽象度が極めて高い歌詞なので、解釈はどうしても半ば強引で恣意的なものになってしまいます。ご了承を。

サビ1

私、間違うことでしか人生の針を
正しくは使えないの
わかりあえるはずなのに
あなたは一歩も引かない

ここまで読み取れば、ぼんやりとしていたサビの歌詞の輪郭がはっきりと見え始めます

 

終わってしまった二人の日常。

「人生の針を正しく扱えない」という表現は、言い換えれば「人生というレコードに正しく針を落とすことができない」、さらに簡単に表現すれば「正しく人生を再生できない」ということになるでしょう。人間間違うことでしか、正しく人生を進めることができません。

 

あの時私はまだ正しく人生を歩めていなかった。

そしてあなたも一歩も引こうとはしなかった。

 

分かり合えるはずだった二人の生活は、お互いの犯した過ちにより少しずつ狂っていったのです。

 

骨助
骨助

ちなみに英訳された公式の歌詞では「record of my life」という表現が用いられており、「人生の針」がレコード針の比喩であることが直接示されています。

 

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2番

縦に上げては遡る
機微と程遠いサンプル
隣の部屋のレコードで
我にかえった日曜日
歌いましょうよ 擦れる音
笑いましょうよ ズレる音

レコードは針を上げて元あった位置に針を落とすことで、楽曲を巻き戻すことが可能です。

ここではそんなレコードをサビと同様人生になぞらえて、主人公は過去の人生を再生しようとしています。平易に言えば、二人がまだ一緒に暮らしていたころを回想しているわけです。もっともそれは、機微(人間の心の微妙な変化)を読み取れない不完全な記憶なのですが。

 

隣の部屋から聞こえるレコード。どうやら隣の部屋にも誰かいる様子。恐らく「あなた」でしょう。

 

「歌いましょうよ 擦れる音 笑いましょうよ ズレる音」

失った過去を懐かしむように、二人の時間を楽しもうとする主人公。

しかし、少しずつ二人の心はズレ始めていました。

 

驚いた
毒の数
忌憚なくお申し付けください
そんな張り紙でもあるんでしょうか

しかし振り返った二人の日常にあったのは、驚くほどに飛び交う毒を秘めた言葉の数々

「忌憚なくお申し付けください」

「忌憚なく」「どんなことでも遠慮なく」といった意味。

そんな張り紙の存在を疑うほどに、会話には汚い言葉が溢れていました。

 

今振り返ってしまえば、当時の恋愛は間違いだらけだったのです。

サビ2

私、間違うことでしか人生の針を
正しくは使えないの
わかりあえるはずなのに
あなたは一歩も引かない
時の怖さを撫でる度
本当の意味で人生は舵を切れる
わかりあえる日が来るか
あなたに問うまで走るか

私は間違っていた。一歩も引かなかったあなたもきっと間違っていた。

 

人間は間違いを犯して初めて、正しい人生の歩み方を学ぶものです。

過ぎ去った時を振り返ってはじめて、本当の意味で人生の舵を切ることができるもの。

 

きっと分かり合えるはずだった二人。

一度は関係を諦めた主人公。衝突ばかりしていた過去を振り返り、正しい人生の歩み方を知って、「二人が分かり合える日は来るか」という問いを胸にあなたの元へと舵を切ります

 

骨助
骨助

走り出した主人公の心のどこかには、「針の落とし方を知った今なら二人は分かり合えるはずなんだ」という確信が芽生えているように感じます。

 

ラストサビ

あなたが間違えた時の
世界は多分回って反対側
その時でも良いから
私に優しく針を落として

その時はあなたも私も
とびきりで会いましょう

あなたが間違いを犯したときの世界は、人生というレコードの回って反対側。

 

もし時が経ってレコードが回り、二人がぶつかり合っていたあの頃みたいに戻れるのならば。

その時は私に針を優しく落としてください。もう一度、今度は私と優しい時間を共にしてください。

あなたも私もとびきりで会いましょう。

 

間違いを知り、本当の意味で人生の舵を切った主人公。

その時にはきっと、二人は分かり合えるはずです。

 

もう一つのメッセージ

ラブソングとして楽曲を聴いていると復縁を思わせる曲に聞こえるのですが、歌詞の見方を変えると楽曲は全く違った意味を帯び始めます。

 

それは、ゲスの極み乙女。の再出発を告げるメッセージです。

 

数年前に過ちを犯し、活動休止に追い込まれたゲスの極み乙女。

それを槍玉に挙げ、忌憚ない言葉の数々を投げつけた世間

 

長い年月を経て、ゲスの極み乙女。はアルバム「ストリーミング、CD、レコード」リリースという大きなターニングポイントを迎えました。

 

もしあの時ゲスの極み乙女。から離れていった人々が過去を振り返り、正解にたどり着ける日が来たら。

「その時でもいいから私に優しく針を落として」

「わかりあえる日が来るかあなたに問うまで走るか」

 

もっとも、アンチに対してはかなりドライな川谷さんが今更そんなことを想うとは少々考えにくいですが、こんな視点から楽曲を聴きなおしてみると新たな発見があるかもしれません。

感想

私たちは間違いを犯しあっていた。終わってしまった二人が、分かり合える日を願う曲。

YouTubeで公開中のMVではもはや取り返しのつかない展開になってしまっていますが、生きてさえいればきっと人間正しい道を歩めるはずです。

 

【ゲスの極み乙女。/人生の針】

歌詞の意味の解釈でした!

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コメント

  1. パオラ より:

    どうもありがとうございます!!!
    たまたまこの曲を見つけて、歌詞が気になって検索してみましたが、こんな素晴らしい解説があると思わなかったです!!
    歌詞をもっと理解できて本当に嬉しいです。
    改めて感謝します!!

  2. ナリ より:

    不倫に走る元凶には元奥さんとのすれ違いがあったからだと思います。
    この曲は元奥さんと過ごしたすれ違いの人生を指してるのでは??と考えています。
    男性脳なら元カノ、元妻との日々は美化されて記憶に残るものなので、主語は私ですが、この曲の視点も男性目線に思います。

    • 骨助骨助 より:

      コメントありがとうございます!
      川谷さんの失恋ソングのモチーフは一部の例外を除いて1番最初の彼女との失恋、みたいな話を何かで聞いたことがあるのですが、確かに同棲してるような描写もありますしこの曲も例外なのかもしれませんね…

  3. やだなー より:

    レコードの針以外にMVの時計の針、裁縫の針、注射の針、コンパスの針とかもかかっていると思う

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