2番
ハートがギスギスし合った
薪をくべるように負が連鎖した
そんなような毎日にご褒美の光が
ほんのちょっとでもあれば
僕は頑張ってしまう
誰かの闇の反作用で与えられたものであっても
蜜には代え難いから
それを掬い出すんだ
1番で語られた、罪が積み重なっていく憂鬱な人生。
2番では、それでも主人公が人生を歩む理由が語られています。
タイトル「蜜と遠吠え」でいう「蜜」の部分。
誰だって何か光が見えているならば、案外どんなことでも頑張れてしまうものです。
例え地獄の様な毎日でも、その先に幸せな何かが、大切な誰かが待っているという希望が見えれば何だって。たとえその光が、誰かの不幸の代償にもたらされたものであったとしても。
だからこそ主人公は、どんなにつらい毎日でも「ひょっとしたらこの先にあなたがいるかもしれない」という蜜を頼りに命を燃やし続けます。
3番
あなたは違うと思ってた
僕も違うと思ってた
思い込みの先にあるのは
甘くない秘密のさよなら
それでもハートを掴んでた
痛そうなあなたを見ていた
でももう少しで壊れそうだった
僕はそっと手を緩めた
ここで曲調は一変。
二人が引き離された、その瞬間が巧みな心理描写で描かれています。
大きな思い違いをしていた二人。何を間違っていたかは一切語られませんが、愛し合った二人の関係を大きく引き剥がし得るような大きな思い込みだったはずです。
突如訪れたさよなら。
それでも「あなた」から離れまいと、必死に「あなた」を愛そうとする主人公。
しかし別れの運命は残酷で、無理に愛し続けようとするほどに「あなた」は傷ついていった。
今にも壊れそうな「あなた」の心を見て、主人公は別れを拒む手をそっと緩めるしかなかった。
たった8行のリリックで、これほどまでに苦しく切ない別れが描かれているのです。
あまりに美しすぎる別れの描写。胸が苦しくなります。
ラストサビ
どんな感度の愛だった?
僕は最後で極まった
意地悪なやり取りは切ないな
あんなに夢中になったのに
あんなに傷付け合ったのに
無駄だったとは思わない
でもいつもそれは僕だけかもしれない
主人公の愛の感度は、最後の瞬間にはこの上ないほどに高まっていました。
「あなた」を想う気持ちはとてももう抑えれれるものではなかったはずです。
あんなに夢中になって、あんなにお互いに傷つけあって。
絶対にあの頃の恋愛には意味があったはずだ。絶対に無駄じゃなかったはずだ。
しかしもう別れを迎えてしまった今、それを裏付ける根拠なんてどこにもありません。
もう「あなた」に確かめることもできないし、愛に形なんてありやしない。
無駄だと思っていないのは、いつも僕だけなのかもしれない。
どうしようもなく切なく、悲しすぎる二人の別れ。
曇り空、蜜の味
記憶違い、あなた、さようなら
甘い蜜を求めて
さよなら繰り返す 繰り返す
冒頭を含め、この歌詞は楽曲中で4回繰り返されます。
愛して、希望を見出して、傷つけあって、さよならを迎える。
何度も何度も、二人で過ごした時間を頭の中で繰り返す。
きっとどこかに蜜があると信じて、今でもあなたに遠吠えのように恋をしている。
「蜜と遠吠え」。間違いなく名曲です。
感想
曇り空のように重苦しくて、雨が降る前の匂いがするような。
そんな切なすぎるラブソング。
【ゲスの極み乙女。/蜜と遠吠え】
歌詞の意味の解釈でした!
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