【クリープハイプ】の「キケンナアソビ」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✔ カタカナで表されるタイトルの異常性
✔ 反社会的な二人の関係性
✔ ハイセンスな世界観炸裂の言葉センス
いかにも尾崎世界観らしい世界が繰り広げられていました。是非最後までお読み下さい！
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女性目線で綴られる際どい歌詞
今回紹介していく「キケンナアソビ」は、クリープハイプの第１２弾シングル「愛す」のカップリング曲として収録されたナンバー。
クリープハイプのサウンドと言えば、ゴリゴリのギターサウンドというイメージが強いかと思いますが、今作はエフェクターが効いていて面白いサウンドになっています。反して歌詞は尾崎さんらしい夜のパンチが効いたものになっていますが。
これに関して作詞作曲を担当した尾崎さんは
同じスタイルを貫くのもバンドらしさだと思うし、エフェクターで音色を変えるような感覚で、制作のスタイルを切り替えることで幅も広がるんじゃないかなと思っています。バンドサウンドにはすぐに戻れますからね。
とコメントを残しています。
そもそも表題曲の「愛す」に対して「バンドのファン以外の人たちにも聴いてもらいたい曲です」とコメントをしていましたが、その想いが「キケンナアソビ」のメロディーにも滲み出ているのです。
また先ほど尾崎さんらしい歌詞と言いましたが、本楽曲の歌詞は「女性目線で下の要素を多分に含んだ内容」になっています。クリープハイプの他楽曲で表すなら「エロ」を彷彿させるような感じです。
さらに公開されたMVでは女性が積極的に責めているのに対し、男性はロボットのように感情が読み取れないようになっています。
これは主人公の本質に興味がない様子を表しているのではないでしょうか。そう考えると後述していく歌詞とも辻褄が合います。
メロディーの新鮮さと、歌詞のクリープハイプらしさが共存するキケンナアソビ。ではさっそく楽曲考察に移っていきます。
楽曲名「キケンナアソビ」とは
「キケンナアソビ」とはすなわち「危険な遊び」のこと。
カタカナにすることで、文面から感じられる「異質性・おぞましさ」といった要素がグンと上がりますね。
また歌詞全体を読み取ったうえで「キケンナアソビ」の内容をもう少し言及すると、浮気や不倫といった類の世間的に肯定されない関係性といったところです。
その根拠は歌詞中の「嘘」や「末永くお幸せに」といった皮肉な文面など、さまざまな言葉から拾うことができます。
では歌詞をパート毎に分けて、細かく噛み砕いていきます！どんな心情を歌っているのでしょうか。
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歌詞
そうやって口ばかりで
だからさ どうせやるなら早くしようよ
始めから終わってるなら
どのみち 後腐れないし本当は君だけをとか要らないから
この道をまっすぐ行けば帰れるから
これからも末永くお幸せに
じゃあ気をつけてそれでも
お風呂で流す嘘の匂い
首から上だけでも残してよ
心がすり切れて揺らぐから
することすればうつる匂い
首から下だけでも愛してよ
体で繋ぎ止めて揺れる夜
それだけ それだけ それだけで良いのにな
って嘘だよこっちは口だけじゃない
だからさ もっと色々しようよ
やっぱり終わってるから
何しても もう意味ないな信じてる君だけはとか言わないから
この道をまっすぐ行けば帰れるから
これからも末永くお幸せに
ほら火をつけてお風呂で流す嘘の匂い
首から上だけでも残してよ
心がすり切れて揺らぐから
することすればうつる匂い
首から下だけでも愛してよ
体で繋ぎ止めて揺れる夜を越えて夢みたい 夢みたい 夢みたいな話
なんか馬鹿みたい 馬鹿みたい
ほんと馬鹿みたいだな
馬鹿みたい 馬鹿みたい 馬鹿みたいだあたし
なんか夢みたい 夢みたい
ぜんぶ夢みたいだな夕焼け小焼けのチャイムが鳴って
よい子は早く家に帰りましょう
夕焼け小焼けのチャイムが鳴って
よい子は早く家に帰りましょう夕焼け小焼けで真っ赤に燃えて
作詞：尾崎世界観
歌詞の意味・解釈
１番
そうやって口ばかりで
だからさ どうせやるなら早くしようよ
始めから終わってるなら
どのみち 後腐れないし
前提として、前の章でも述べたように本楽曲は１人の女性主人公を視点に情景が綴られていきます。（３番の「あたし」という一人称がそれを裏付けます）
そして冒頭から尾崎さんの「口ばかりで」といったダブルミーニングが炸裂していますね。
多くのクリープハイプファンはすぐに読み取ることができているかも知れませんが、口ばかりでにはシンプルに「口先ばかり」という意味と、口を使った性行為の意味合いを含んでいます。
すると続く歌詞「どうせやるなら早くしようよ」の中にある、やるとは性行為のことであり、口先ばかりの相手に対して主人公が放っている言葉であることが分かりますね。少し諦め感も伝わります。
そして二人の関係性を色濃く反映させているのが「始めから終わっている」といった歌詞。やはり二人の関係性は反社会的なものなのでしょう。
本当は君だけをとか要らないから
この道をまっすぐ行けば帰れるから
これからも末永くお幸せに
じゃあ気をつけて
「本当は君だけをとか要らない」
ここまでの歌詞を見ていくと、どうやら主人公が上辺だけの関係を求めたうえで君に近づいているように見えますね。
「どうせやるならはやくしようよ」とせがんで、「本当は君だけを…」と言うような愛の言葉を拒んで、、、まるでこの関係性を望んで受け入れているように感じます。
しかしこの強情はサビ１以降でひっくり返ります。
サビ１
それでも
お風呂で流す嘘の匂い
首から上だけでも残してよ
心がすり切れて揺らぐから
することすればうつる匂い
首から下だけでも愛してよ
体で繋ぎ止めて揺れる夜
それだけ それだけ それだけで良いのにな
って嘘だよ
まず注目すべきは「って嘘だよ」というサビ１のラスト一文。
この嘘だよはサビ１の歌詞の内容はもちろんのこと、１番のAメロBメロの歌詞にもかかっています。つまり上辺だけの関係性を望んでいたのは嘘。
そしてサビの歌詞もまた秀逸。
- 「首から上だけでも残してよ」
- 「首から下だけでも愛してよ」
この二つの文は、身体だけの関係性に対して、少しでも自分の愛を相手に残そうとしている様子が可視化されています。
あたしたちは首から下（体）だけの関係なんだから、そこだけでも愛してよ。そして首から上に罪はないからそこは洗い流さないで。
といったところですね。
またさらに注目したいのは「首から上だけでも…」「首から下だけでも…」と、かなり謙虚に望みを携えているところです。多くは望んでいないことが受け取れます。
しかしこれも「嘘だよ」なのです。
本当は首から下も匂いを残しておいて欲しいし、首から上も愛して欲しいのです。
巧みな歌詞で描かれる女性主人公の心情が読み取れてきましたね。２番ではさらにその心情があらわになってきます。
２番
こっちは口だけじゃない
だからさ もっと色々しようよ
やっぱり終わってるから
何しても もう意味ないな
２番の歌詞はパッと見では１番と同じような内容に見えるのですが、メッセージ性には大きな違いがあります。細かい歌詞のワードの変化が主人公の心情の変化を表しているのです。
まず１番で「そうやって口ばかりで」と相手を責めるように言葉を放っていたのですが、２番は「こっちは口だけじゃない」と予め自分の意志を相手に伝えることで、自分と相手の好意の差を訴えています。
口だけじゃない、本心から彼が好きだから色々したい。でも始まりから終わっているから何しても無意味なんだろうなあ。
主人公はそんなやるせない虚しさを抱えながら、彼との関係性を保っているのです。
さらに歌詞は続いていきます。二人の火遊び（キケンナアソビ）はどう結末を迎えていくのでしょうか。ともに歌詞を追っていきましょう！
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