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【星野源/喜劇】歌詞の意味を徹底解釈!”家族”とは何かを歌った「SPY×FAMILY」主題歌。

【星野源】「喜劇」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。

 

注目ポイント

✔ 星野源の考える”家族像” とは

✔ 「Family Song」との違い

 

骨助
骨助

過去の星野源さんの楽曲や発言を参考にしながら、楽曲の意味をじっくり紐解いていきます。

 

 

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アニメ「SPY×FAMILY」主題歌

今回紹介していく「喜劇」は、TVアニメ「SPY×FAMILY」のエンディング主題歌として書き下ろされた楽曲です。

2022年4月8日には楽曲の配信リリースが開始されました。

【主題歌解禁】TVアニメ『SPY×FAMILY』本予告/2022.04.09 23:00~ ON AIR

「SPY×FAMILY」は「少年ジャンプ+」で連載中の大人気マンガ。

凄腕スパイの“黄昏”、超能力少女・アーニャ、殺し屋・ヨルの3人が、それぞれの素性を隠したままで仮初の家族を築き、「家族としての普通の日常」を送ろうと奮闘するホームコメディ作品となっています。

一見シリアスにも見える作品設定ですが、楽曲名にもあるようにあくまでコメディであり「喜劇」

決して普通ではないけれど、心温まる家族の形を描いた魅力的な作品です。

 

星野源さんは楽曲について

「SPY×FAMILY」のロイド、アーニャ、ヨルたち“家族”のことを想いながら、そして“家族”という言葉の意味を想いながら制作しました。完成した楽曲を聴きながら、木は青々と茂り、花は咲く、暖かいこれからの季節にとても似合う曲だなと感じています。新曲「喜劇」をぜひ沢山聴いて頂き、初回放送のどこで楽曲が流れるのか、“わくわく”していただければ幸いです。

とコメントされています。

また、楽曲のテーマについては

「家族をテーマに」と、制作の方にメッセージをいただいたので、物語が持つ家族感を意識しながら、自分の考える家族像を歌にしました。以前、同じテーマで「Family Song」という楽曲を作ったことがありましたが、今回の「喜劇」という楽曲では、また全く違うものができたと思います。

とのこと。

 

偽りの家族を描いた作品を通じて、星野源さんの思い描く【家族像】を描いたという楽曲「喜劇」

一体どんな家族像なのか、この記事では星野さんの過去の発言や楽曲の歌詞に注目して考察していきます。

 

骨助
骨助

さっそく本題の歌詞を見ていきましょう。

歌詞

争い合って 壊れかかった
このお茶目な星で
生まれ落ちた日から よそ者
涙枯れ果てた
帰りゆく場所は夢の中

零れ落ちた 先で出会った
ただ秘密を抱え
普通のふりをした あなたと
探し諦めた
私の居場所は作るものだった

あの日交わした
血に勝るもの
心たちの契約を

手を繋ぎ帰ろうか
今日は何食べようか
「こんなことがあった」って
君と話したかったんだ
いつの日も
君となら喜劇よ
踊る軋むベッドで
笑い転げたままで
ふざけた生活はつづくさ

劣ってると 言われ育った
このいかれた星で
普通のふりをして 気づいた
誰が決めつけた
私の光はただ此処にあった

あの日ほどけた
淡い呪いに
心からのさよならを

顔上げて帰ろうか
咲き誇る花々
「こんな綺麗なんだ」って
君と話したかったんだ
どんな日も
君といる奇跡を
命繋ぐキッチンで
伝えきれないままで
ふざけた生活はつづく

仕事明けに
歩む共に
朝陽が登るわ ああ
ありがとうでは
足りないから
手を繋ぎ

さあうちに帰ろうか
今日は何食べようか
「こんなことがあった」って
君と話したかったんだ
いつの日も
君となら喜劇よ
踊る軋むベッドで
笑い転げたままで

永遠を探そうか
できるだけ暮らそうか
どんなことがあったって
君と話したかったんだ
いつまでも
君となら喜劇よ
分かち合えた日々に
笑い転げた先に
ふざけた生活はつづくさ

 

作詞:星野源

歌詞の意味・解釈

さきほどの星野さんのコメントで「以前、同じテーマで『Family Song』という楽曲を作ったことがありましたが、今回の「喜劇」という楽曲では、また全く違うものができたと思います」とありましたが、『Family Song』発売当時のインタビューで彼はこんなことを語っていました。

「なにが家族なんだろう?」って思ったとき、相手のことを何の見返りもなく心から無事であるように願えるとか、少しでも幸せであるようにと思えるとか、そういう関係を家族というのだろうと思って歌詞を書きました。

https://realsound.jp/2017/08/post-100581_2.html より

《出会いに意味などないけれど 血の色 形も違うけれど いつまでも側にいることが できたらいいだろうな》

《ただ幸せが一日でも多く側にありますように》

色んな形があるけれど、ただ純粋にお互いの幸せを願えるこの素敵な関係こそが【家族】

大雑把にまとめると、『Family Song』はそんな楽曲でした。

 

一方で今回の楽曲「喜劇」では、その【家族】という ”関係性” についての議論から少し離れて、彼にとって【家族】というものがどんな意味を持つものなのか、どんな場所なのか が綴られているような気がしています。

それを踏まえた上で実際に歌詞を見ていきましょう。

 

1番

争い合って 壊れかかった
このお茶目な星で
生まれ落ちた日から よそ者
涙枯れ果てた
帰りゆく場所は夢の中

星野さんはこの世の中のことを「地獄」「檻の中」といった重い言葉で表現することがよくあります。

例えば「地獄でなぜ悪い」という楽曲の中では《生まれ落ちた時から居場所などないさ》《ただ地獄を進むものが悲しい記憶に勝つ》といった歌詞が登場しています。彼の人生哲学において、この星で生きることは決して手放しで喜べるようなことではないのです。

 

《生まれ落ちた日から よそ者》

《帰りゆく場所は夢の中》

今回の楽曲の歌詞も過去の楽曲たちの例に漏れず、まずは生きていくことの苦難が描かれていきます。

ただでさえ綺麗ではないこの星で、生まれた時からよそ者の悲しき人生。

涙も枯れ果ててしまいました。

 

零れ落ちた 先で出会った
ただ秘密を抱え
普通のふりをした あなたと
探し諦めた
私の居場所は作るものだった

先ほど述べたように、「SPY×FAMILY」偽装家族をモチーフにした作品です。

そこで今回の楽曲にも《ただ秘密を抱え 普通のふりをした あなたと》といった歌詞が登場するのですが、これは単に作品に合わせて書かれた歌詞というわけでもなく、普段から星野さんが歌っているテーマの延長線上にある詞であるように感じています。

 

彼の人生観においては、たとえ恋愛をしようと他人は他人だし、人間はどこまで行っても孤独な存在です。

別にスパイではなかろうと、誰だって表には出せない秘密を抱えているもの。

 

《探し諦めた私の居場所は作るものだった》

そんな孤独な人生の中で、たとえその関係が嘘だとしても、自ら作り出せる自分の居場所。

それがこの楽曲における【家族】です。

 

あの日交わした
血に勝るもの
心たちの契約を

【家族】という言葉を星野さんが自分の言葉で噛み砕いた表現がこの部分の歌詞だと思います。

 

実子であるならば親子の間には血縁関係があるものですが、結婚、養子といった形式を介した場合、その夫婦や親子に直接の血縁関係はありません。

今の時代家族の形も変化しているわけで、もはや性別がどうとか人間であるかどうかとか、そんなことは関係が無くなってきているように感じます。男同士だろうと犬だろうとロボットだろうと、本人が家族だと思うならそれは家族でしょう。

 

《あの日交わした  血に勝るもの  心たちの契約を》

その全てを考慮したうえで、血の関係すらも凌駕するような、そんなことはどうだっていいと思えるような、心からの契約。それを彼は【家族】や【結婚】なのだとここで定義しています。

誰も追い出さない、誰のことも否定しない、とびきり素敵な表現です。

 

サビ1

手を繋ぎ帰ろうか
今日は何食べようか
「こんなことがあった」って
君と話したかったんだ
いつの日も
君となら喜劇よ
踊る軋むベッドで
笑い転げたままで
ふざけた生活はつづくさ

冒頭の歌詞でもありましたが、この世の中で生きていくことは決して楽なことではありません。

《いつの日も君となら喜劇よ》

その言葉の裏を返せば、独り孤独に過ごす人生は彼にとって悲劇なのかもしれません。

《ただ秘密を抱え 普通のふりをした》

裏を返せば僕らは普通じゃないし、この世界だっていかれた場所です。

 

そんな人生の中でも、「こんなことがあった」なんて話をしたり、一緒に笑い転げたりできる場所。

苦しくて辛い現実を忘れたふりをして、バカなことして楽しんでいられるふざけた生活。

《いつの日も君となら喜劇よ》

あくまで劇であってそれは仮初で、幸福を演じているだけなのかもしれないけれど、それでも続いていってほしいと思える関係。

【家族】という素敵な場所を表現してみせた実に星野さんらしい言葉だと感じます。

 

骨助
骨助

2番以降の歌詞でも星野源さんにとっての家族像が明かされていきます。

 

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