【星野源×PUNPEE】の
「さらしもの」について
歌詞の意味を徹底的に
考察および解説していきたいと思います。
埼玉のツァラトゥストラ(星野源)は、この世界をどう捉え、どう説いていくのでしょうか。
感慨深い歌詞内容に注目です。
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楽曲の基本情報
今回紹介する『さらしもの』は、エピソード『Same Thing』の2番目に収録されている楽曲。
星野源自身がラップに挑戦している『さらしもの』には、ラッパーのPUNPEEがフィーチャリングゲストに迎えられており、上のリリックビデオをご覧いただくと分かるのですが、こちらにも星野とPUNPEEが登場しています。
2人の音楽を楽しむ様子が微笑ましい。
では、さっそく楽曲考察に移っていきます。
楽曲名「さらしもの」とは
「さらしもの」とは
人前で恥をかかされた人。
江戸時代、晒しの刑に処せられた罪人。
という意味になっています。
本楽曲においては前者の意味合いが強いです。
この楽曲名が歌詞の内容と
どう関与しているのでしょうか。
歌詞
生まれて独りステージに立って
フィナーレまでは残り何公演
人差し指の隣の指はまだ仕舞っておいて
また後世この輝きは僕のじゃなくて
世の光映してるだけで
身の丈じゃないプライドは君にあげる
受け取って 捨てといて滑稽なさらしものの歌
あたりみりゃ 一面のエキストラ
だけど君のその世界じゃ
僕も雇われたエキストラだっけイヤモニで閉じこもって
また自分のせいって気づいてる
でもそこにすら君はいた
もしかすると孤独は一人ではないって…いえる!
Starting off with you and I
さらしものだけの 愛があるだろう
まだ変わらない 怠けた朝が
歩みを照らしだすままさらしものだよばかのうた
語りき埼玉のツァラトゥストラ
ぼっちの足元の先は
ほぼほぼ 道すらなかったふと振り返ると ぞろぞろと
後ろつけ楽そう有象無象
はてな別の方 道のない進む小僧
凡人の黒ぶち 偉大な暇人あらお悩みですか
君だってそうじゃん
同じムジナ
交わりだした「なんてことない」なんてことない!…けど
形のない何かで交われる
君の体をWi-Fiが通り抜け 道草で腹を満たす
またその場所に君はいた
もしかすると孤独は一人ではないって…みえる!
Starting off with you and I
さらしものだけの 夢があるだろう
まだ変わらない 怠けた朝が
歩みを照らしだすStarting off with you and I
さらしものだけの 愛があるだろう
まだ変わらない 怠けた朝が
歩みを照らしだすまま作詞作曲:星野源
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歌詞の意味・解釈
1番
生まれて独りステージに立って
フィナーレまでは残り何公演
人差し指の隣の指はまだ仕舞っておいて
また後世
前提として、
本楽曲は「星野源目線」で綴られています。
それを押さえておくだけで、各所の歌詞がスッと腑に落ちてくるのではないかと思います。
1番の情景は、ライブをしている星野目線なのですが
ここの部分の歌詞で注目したいのは
人差し指の隣の指はまだ仕舞っておいて
という部分。
人差し指の横にある指は
親指と中指です。
- 親指を立てる→高評価
- 中指を立てる→低評価
を、それぞれ意味するのですが、「さらしもの」というマイナスイメージなタイトルから展開される歌詞ですから「中指」の意味しか持ち合わせていないのかも知れませんね。
どちらにしろ
「評価をつけ終わるのはまだ待って」
といった意味を持つように受け取れます。
この輝きは僕のじゃなくて
世の光映してるだけで
身の丈じゃないプライドは君にあげる
受け取って 捨てといて
客席の光を眺めながら
僕の光じゃなくて、世の光である
と言っています。
今や日本を代表するポップスターであることにも関わらず、どこまでも謙虚な星野さんの人柄が伺えると同時に、「世の光が集まってくれているから、この景色があるんだ」と、ファンを大切に想う気持ちも滲み出ているように感じます。
滑稽なさらしものの歌
あたりみりゃ 一面のエキストラ
だけど君のその世界じゃ
僕も雇われたエキストラだっけ
滑稽なさらしもの
とは観衆の前に立たされた
星野源自身のことを対比しています。
ここの歌詞も深いですね。
星野源からすると、ステージの上から見える光は、群衆・通行人などの役を演じる臨時雇いの出演者などの意を持つ「エキストラ」のようなもの。
しかし、その光は一つ一つが生活を持っていて、客席目線でいうと、星野源は人生を楽しませてくれたり、ワクワクさせたりしてくれる、いわばエンターテイメント「エキストラの1つ」。
当たり前なことだけど、物事を客観視できる能力が非常に高いなと改めて感じました。
イヤモニで閉じこもって
また自分のせいって気づいてる
でもそこにすら君はいた
もしかすると孤独は一人ではないって…いえる!
イヤモニとは
カナル式イヤホンタイプのモニターのこと。 いわゆる返しと呼ばれる音が流れており、客席のメインスピーカーから出ている音とは別で、自分の声や他の楽器の音などそれぞれの演奏者に最適なバランスで調整された音が流れます。
アーティストがライブの時に付けているアレです。
これに閉じこもっているというのは
つまり、
自分の中に閉じこもっていること
と同義になります。
そして、後に続く歌詞に
でもそこにすら君はいた
と綴られているのですが、ここで一つ仮説を述べたいと思います。
それは、
本楽曲における『君=音楽』を指すのではないか。
という説です。
前に解釈を行った「Pop virus」でも、同じ仮説が当てはまったのですが、星野源の楽曲においてこの仮説は有力的に通じるものがあるのではないかと筆者は感じています。
音楽=君
とするならば、ここの歌詞にある
でもそこにすら君はいた(イヤホンの中に閉じこもっているから、もちろん一番近くにあるのは音楽)
や
前文にある
- 身の丈じゃないプライドは君にあげる
- 君のその世界じゃ僕も雇われたエキストラ
という歌詞の中の「君」という表記を「音楽」に変えてもしっくりくる。音楽に全てを捧げているさまや、音楽という大きなくくりの中の「星野源」。といった意味に置き換わるのです。
君=音楽でも、君=ファンでもしっくりくる、、、
サビ1
Starting off with you and I
さらしものだけの 愛があるだろう
まだ変わらない 怠けた朝が
歩みを照らしだすまま
Starting off with you and I
を直訳すると
あなたと私が一緒に始める
という意味になります。
自分の中に引きこもってしまうような自分が、観衆の前に立っているから「さらしもの」。しかし、マイナスな一面がある人間だからこそ、与えることのできる愛があるのです。さらしもの=星野源であるならば、確かに私たちは愛を受け取っているのではないでしょうか。
2番以降も感慨深い歌詞が続いていきます。
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