中毒性と物語性の高い至高のナンバー!
【まふまふ】の
「デジャヴ(デジャブ)」について
MVと歌詞の意味を徹底的に
考察および解説していきたいと思います。
前作との繋がりに注目の1曲です(前作が分からない人用の簡易的な解釈も同時に述べています)
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「メリーバッドエンド」「ハローディストピア」から考察する「デジャヴ」の背景。
今回紹介していく「デジャヴ」は、2019年11月22日にまふまふがニコニコ動画上で公開した楽曲です。次の日にはYouTube上でも公開されました。低音ボイスがカッコ良く響きますね。
実は本楽曲には秘密がありまして、まふまふ楽曲のファンであるならば気付く要素なのですが、本楽曲は過去曲の「メリーバッドエンド」「ハローディストピア」の世界観と繋がりがあります。
まずはそれぞれ簡単に説明いたします。
まずは「メリーバッドエンド」
まふまふさんは本楽曲について
とコメントしています。
MVの情景を見ると分かるのですが、
このような物語が本楽曲にはありました。
だから「メリーバッドエンド」というタイトル。
それぞれ
- メリーは笑い
- バッドエンドは最悪な結末
を意味する。笑っていたのはおそらく友達。
つづいて「ハローディストピア」
ディストピアは、
理想郷を意味する「ユートピア」の逆
を意味し、日本語では「暗黒郷」や「地獄郷」と言われる。
前作の「メリーバッドエンド」で、
愛も不確かなユートピア
という言葉が登場するのですが、ここからも前作との関連性が垣間見えました。ちなみに前作のユートピアが意味するのは、仲良しグループのこと。しかし、上で簡単に紹介したように仲良しグループの中身はカオスなものだったから「愛も不確かなユートピア」
本楽曲の物語を始まりから結末まで言うと
といったところ。
あくまでも幅広い解釈の1例ですが、このような背景が前作にあったのだと把握しておいてください。
そして本題の「デジャヴ」
複数パターンで考察を行った結果、
あくまでも仮説ですが
メリーバッドエンドの主人公=デジャヴの主人公
なのではないかと考えています。
メリーバッドエンドの主人公
デジャヴの主人公
こちらが二作の主人公なのですが、顔や髪型が似ているだけではなく、左目の下のほくろの位置まで同じ。そしてメリバの主人公は頭に×があり、デジャヴの主人公は頭に〇がある。
いじめられる側はバッドエンドだったから×、いじめる側は今度こそハッピーエンドになると思っているから〇になっている。
デジャヴのMVの1:47くらいで真っ青な画面に×が出るが、これは過去(メリーバッドエンド)を回想している。
さらに裏付けるのがこちら。
映されているのは黒髪の子と白髪の子の後ろ姿。
- 黒髪=メリーバッドエンド
- 白髪=デジャヴ
それぞれの主人公である可能性。
そして、青文字で書かれているのは
「DejaVu(デジャヴ)」
タイトル名でもある「デジャヴ」は、
過去に経験・体験したことのない、初体験の事柄であるはずにも関わらず、かつて同じような事を体験したことがあるかのような感覚に包まれること。
を意味する。
これらの仮説・考察から
と背景を解釈しています。
ちなみに「ハローディストピア」の主人公は
デジャヴの主人公の傍らにいるような形で描写されます。ハローディストピアの主人公も冤罪により、集中放火された過去があるため、いじめられる側からいじめる側になった、メリーバッドエンドひいてはデジャヴの主人公と境遇が重なったのかも知れません。
【いじめる側になった主人公】
はどうなっていくのでしょうか。
どの作品においても、幅広い解釈ができる中の1解釈なのですが、これらの背景を前提として、下記で歌詞考察を行っていきたいと思います。
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歌詞
排気ガスそれと乖離無く
宙に浮いて彷徨って愛に巻く
予定調和で固定相場制
番装い気取った今日まで
そりゃ愛じゃないと言う
また愛はないと言う
足りない願い以外
そうやってワンと鳴いて御仕舞壊して直し壊して
そして手元に余った哀のパーツ
それは高価な心の穴
きっと二度とは戻せなそうだな
「君は普通じゃない」
ボクは普通じゃない
ズレていたのはいつからだったっけな窓枠はめ込む九教科
嘘ついてまで笑わせたいチョーク
こんな空疎な世界なら
狂ってしまっていられそうだねえなんでなんで好き勝手
流行り病みたく愛して
期待感未満哀願ノーカウント
確定化囚人のジレンマ
密売の心臓行為願望
取り巻いた蜃気楼
否応ない後悔どうだい脳内どうだい
わからないんだよなんでなんでよ法廷内のナイフ持った
場違いの感覚は主人公
震える君は拒否反応
刃先は静脈に続いていく
この瞳が疼いたのは既視感だらけの生ドラマにありそうな愛はたくさんあった
間に合わせにちょうどいいですね
さよならの顔はまるで印象なくて
受信できずに砂嵐が吹いて滑稽夕焼け小焼けでまた明日
約束 宿題忘れた者勝ち
そうして今夜も世界から
零れ落ちてしまいそうだねえなんでなんで好き勝手
傾いた生涯に非常灯
非行逃避行オイルライター
ロ内の爆弾バラまいて
秘密裏売買 等価交換 野次馬の罵声
否応ない後悔どうだい脳内どうだい
怖がるんでしょうなんでなんでよ法廷内のナイフ持って
将来を均等に捌いた
高い制服まで着こなした
奴から順番に倒れていく
今日もボクを蝕むのは既視感だらけの生虚無二乗目新しい物は
ないやいやないやいや
これ以上真新しい物は
ないやいやないやいや羨望恋情迷妄錯綜本性警鐘未来永劫
創造構想想像範疇にすぎない
猜疑心虚栄心交配存在の証明済みでも
誰彼構わず詮索 操作どこを探せど愛は欠乏救いはない
歪む未来に御手々を頂戴
身に余るデジャヴに苛まれ
心はどこに捨てよう?ねえなんでなんで好き勝手
流行り病みたく愛して
期待感未満哀願ノーカウント
確定化囚人のジレンマ密売の心臓行為願望
取り巻いた蜃気楼
否応ない後悔どうだい脳内どうだい
愛しているんでしょうなんでなんでよなんでなんでなんでなんで
ボクらはどうやって生きるの?
所詮センキューメリーバッドエンド
生まれりゃ大方はディストピア
この瞳が疼いたのは既視感だらけの生作詞:まふまふ
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歌詞の意味・解釈
1番
排気ガスそれと乖離無く
宙に浮いて彷徨って愛に巻く
予定調和で固定相場制
番装い気取った今日まで
そりゃ愛じゃないと言う
また愛はないと言う
足りない願い以外
そうやってワンと鳴いて御仕舞
ここの歌詞で特に注目したいのは
番装い気取った今日まで
というフレーズです。
前提として、お話ししたように
いじめられっ子がいじめっ子になった。
という背景が本楽曲にはあると考えています。
番とは、
グループのリーダーとされる人物の類型。
つまり、いじめる側にまわってそのリーダー格になっていた主人公を「番」としているのですが、「今日まで」とあるように主人公の天下は本日をもって潰えてしまったようです。
同タイミングのMV。
×マークで塗られているのが主人公。
これは歌詞全体に言えることですが本楽曲では
いじめる側になったのに思い通りにいかない葛藤
といった描写が多く出現します。
補足として歌詞に出てくる
予定調和は、
物事が予定通りに進むときに使う言葉。
固定相場制(こていそうばせい)は、
各国政府間で為替レートを固定・維持する制度。
をそれぞれ意味します。
歌詞に綴られる
予定調和で固定相場制とは
決まりきったいじめのスタイル
のことをいっているのでしょう。
どの時代のいじめも、基本的には集団心理を利用したものばかりで、同じスタイルで固定されているのです。主人公が「同じ」だと把握しているのは、自分がされている側にあったから。
壊して直し壊して
そして手元に余った哀のパーツ
それは高価な心の穴
きっと二度とは戻せなそうだな
「君は普通じゃない」
ボクは普通じゃない
ズレていたのはいつからだったっけな窓枠はめ込む九教科
嘘ついてまで笑わせたいチョーク
こんな空疎な世界なら
狂ってしまっていられそうだ
ここでは主人公がいじめる側に変わるまでの過程が綴られる。
集団いじめを受け、それに耐えうるために自分の人格破壊と形成を繰り返していく。そのさまは、まるでパズルを分解して当てはめていくような作業。
手元に余った哀のパーツ
は心に当てはめないといけないもの。
人格の破壊・形成の中で、
哀のパーツだけを入れ忘れた主人公は
文字通り心に穴が空き、
喜怒哀楽のうち「哀」をなくしてしまう。
哀しむくらいなら、なくした方が楽だから。
それなのに周囲からは
「そりゃ愛じゃない」「愛はない」
と言われる。
なくしたのは「哀」だけのはずなのに。
極めつけに「君は普通じゃない」とまでストレートに言われ、主人公は何が正しいのか分からない「ジレンマ」に陥る。
こんな空疎な世界なら
狂ってしまっていられそうだ
という部分は、その心情を写している。
サビ1
ねえなんでなんで好き勝手
流行り病みたく愛して
期待感未満哀願ノーカウント
確定化囚人のジレンマ
密売の心臓行為願望
取り巻いた蜃気楼
否応ない後悔どうだい脳内どうだい
わからないんだよなんでなんでよ法廷内のナイフ持った
場違いの感覚は主人公
震える君は拒否反応
刃先は静脈に続いていく
この瞳が疼いたのは既視感だらけの生
確定化囚人のジレンマ
が上で述べてきた主人公の情景と重なる。
いじめる側にまわることで、ユートピアを築けるはずたったのに、やはり「愛も不確かなユートピア」しか築くことができなかった。つまりそこに愛はなかった。愛されたかっただけなのに。
ハッピーエンドに向かうためにいじめをしているのに、否応なく襲ってくるのは後悔ばかり。
わからないんだよなんでなんでよ
は主人公の心の声を弁明している。
哀のピースは外れちゃっているから、MVでは哀しむような表情は一度も映されない。
また、場違いとは
その場にふさわしくないこと。
を意味する言葉で
場違いの感覚を感じるのは
- もともといじめられ側
- いじめる側にまわっても本心しっくりこなかった
という情景があるから。
この時点で切なすぎる主人公のエンディングが予想される。
これからどうなっていくのでしょうか。
2番に続いていきます。
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