3番
虚無二乗目新しい物は
ないやいやないやいや
これ以上真新しい物は
ないやいやないやいや
二乗とは、数学で使われる言葉。
となると虚無は、「虚数(i)」を表しているものだと推測できる。
虚数は
2乗すると-1になる数
を意味します。
おそらくは
- メリーバッドエンドの主人公
- デジャブの主人公
をそれぞれ虚数と捉え、同じ主人公が二つの人格を重ねるから「二乗目」とあり、重なったところで後悔ばかりでハッピーエンドに近づけていないから「虚無二乗」、つまりマイナスにしか進んでいない主人公の心情を表現しているのでしょう。
秀逸的な表現ですね。
羨望恋情迷妄錯綜本性警鐘未来永劫
創造構想想像範疇にすぎない
猜疑心虚栄心交配存在の証明済みでも
誰彼構わず詮索 操作
綴られる漢字を噛み砕いていくと
- 羨望…うらやましく思うこと。
- 恋情…異性を恋い慕う気持ち。
- 迷妄…誤りを真実と思い込むこと。
- 錯綜…物事が複雑に入り組んでいること。
- 本性…生まれながらの性質。
- 警鐘…警戒を促すために鳴らす鐘。
- 猜疑心…人の言動を疑う心
- 虚栄心…自分を実質以上に見せようとすること。
- 交配…生物の二個体間で受粉あるいは受精を行うこと。
これらの情動は人間なら誰しもが秘めているものであり、基本的に他人に知られたくないものです。しかし、主人公がいたグループでは、それらの「詮索 操作」が当たり前だった。
どこを探せど愛は欠乏救いはない
歪む未来に御手々を頂戴
身に余るデジャヴに苛まれ
心はどこに捨てよう?
もちろんそんな集団の中に「愛」はない。
愛が与えられない状況を打破したくて、いじめられる側から変化したのに未来は歪んでいく。
変化するために「哀」を捨てた主人公でしたが、結果的に「愛(心)」までもなくなろうとしている。いじめと報復の連鎖が幸せを生むことなんてあり得なかったのです。
ラストサビ
なんでなんでなんでなんで
ボクらはどうやって生きるの?
所詮センキューメリーバッドエンド
生まれりゃ大方はディストピア
この瞳が疼いたのは既視感だらけの生
同タイミングのMVでは主人公の顔に×がつく。
記事の始めの方に
- バッドエンド→×
- ハッピーエンド→〇
と仮説を述べましたが、その筋道通りに解釈を行うと、デジャブの主人公の結末もバッドエンドであったことがわかる。
それを裏付けるように
所詮センキューメリーバッドエンド
生まれりゃ大方はディストピア
と報われなかったことを示唆するように、前作のタイトルでもある歌詞が綴られていく。
この瞳が疼いたのは既視感だらけの生
既視感とはデジャブのことで、本楽曲の主人公が行っていた葛藤を示す。愛を求める葛藤はどのパートにおいても見え隠れしていたから「だらけの生」。
また「疼く」という言葉は
- 傷口などが脈打つように痛む。
- 心に強い痛みを感じる。
という抑えきれないような感覚を抱くさまを表す言葉。
主人公の本来の目的が「愛」だとするならば、いじめる側でもいじめられる側でも常に「痛み」を感じていたことは明白。
「既視感だらけの生」は「既視感だらけのせい」ともかけられているのでしょう。
感情を失ってまで必死に立ち回っていた主人公。最後まで報われない主人公を思えば、かなり切ない物語だったのかなと思います。
感想
リアルかつ狂気的で切ない。
本楽曲から受けとれる感情は、人によって大きく変わってくるのではないでしょうか。
私個人としては報われない主人公を通して、普段から愛や思いやりを持って生きることの大切さ、愛を与えてくれる人の大切さを再認識しました。
【まふまふ/デジャヴ】
MVと歌詞の意味の解釈でした!(‘ω’)
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