2番
真夜中踊りだすマッドハッター
あっというまに 経っちまった空想上に期待したくなって
きっと君はこないってないってば
寂しさを紛らわそうと狂ったように踊り出す主人公。しかしそんなことをしている間にも、人生の残り時間は着実に消費されていきます。
そして現実に希望を持てなくなった主人公は、ついには空想上で君を描いて愛への飢えを解消しようと試みます。
現実との狭間で泣いて
腹を裂かれるこの思いで
飲み干した言葉の棘が刺さるその滑稽さだけが残った
お気に入りの カトラリーは 至福だけを運ぶようだ
テーブルをみんなで囲みたかったんだ
ナイフを突き立てては
しかし例え空想上に希望を見出しても、結局は現実とのギャップで悲しくなるだけ。
孤独は満たされることなどなく、そこには愚かな行動に走った自分の滑稽さだけが残るのでした。
「カトラリー」とは食卓用のナイフやフォークなどのこと。
ここで曲名にもなっている「いのちの食べ方」の話が関わってきます。
先述のEveさんのコメントにのっとって考えれば、「いのちの食べ方=時間の使い方」。
つまり愛に飢えた主人公が言う「テーブルをみんなで囲みたかったんだ」というのは、言い換えれば「人の温もりを感じながらいのちを食べたかった」。
すなわち「愛されながら人生を歩みたかった」という意味なのです。
君の喉仏を裂いて
指先を湿らせたんだ
フォークの使い方なんて
誰にも教わらなかった
この部分は恐らく過去の回想だと思われます。
ナイフの使い方を知らなかった、つまり上手い生き方を知らなかった主人公は、自分を愛してくれていた君を傷つけてしまいました。
きっと今主人公のそばに君がいないのも、過去の主人公の振る舞いのせいなのでしょう。
「フォークの使い方なんて誰にも教わらなかった」
人生の正しい歩み方なんて、誰も教えてくれません。主人公は君のいない孤独な人生をどう歩んでいけばいいのかわからず、途方に暮れているのです。
真理を見ようとしないで
命の重さを量った
揺らめく篝火の中
何をみた
命の正しい食べ方を知らず、真理から目を背けて、自分や他人の命の重みをおもんばかってきた主人公。はたして彼の人生の先に待ち受けている運命とは。
その答えは聴き手である私たちに委ねられています。
私たちもまた、正しい人生の使い方なんて誰にも教わっていません。
日々ネット上で傷をなめ合い、温もりのある愛を渇望しています。
この曲の主人公は、ひょっとすると私たち聴き手自身なのかもしれません。
ラストサビ
声が届くまで想いをぶつけて
ふらふらになってしまうまで
僕らにそれを忘れることを許さないから
考えることすらやめてしまいな僕が食べる前に僕を見つけて
いのちの食べ方なんかわからない。せめて誰かと幸せな食卓を囲みたい。
誰かと過ごす事を忘れられないから、独りでは考えることすらもうやめてしまいたい。
「僕が食べる前に僕を見つけて」
楽曲の最後で主人公はそう訴えます。
僕が命を食べ終えてしまう前に、どうか僕を見つけてほしい。
「いのちの食べ方」は孤独な毎日に誰かの愛という希望を求める祈りの歌なのです。
感想
誰も「いのちの食べ方」つまりは「正しい人生の歩み方」なんて知りません。
君のいない食卓で、酒を飲んで現実から目を背けて、ただ盲目的に退屈な日々を生きるだけ。つまらない人生です。
せめて誰かと、楽しく幸せな食卓で命を食したい。
孤独な日々に愛を求めた祈りの歌。
【Eve/いのちの食べ方】
歌詞の意味の解釈でした!
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コメント
解釈すごいですね。
歌聞いてもちっとも分からないから助かります(^^)
なんだか他力本願な歌ですね。
京アニ放火事件の記事読んだ後に見てるから、
こんな奴どうしようもできないわって感じします。
コメントありがとうございます!
随分と他力本願な感じもしますが、こういう世の中なので心から共感する人も結構多いのかもしれませんね…
私もどうしようもない奴の一人です(笑)
ですよね
凄すぎます(゚∀゚)アヒャ今まで見てきた考察の中で一番明確でわかりやすいです^^
主人公の生き方に感動しました。
ありがとうございます!
すごい!!!
意味も知らずに歌っていた…。
こんな切ない祈りの歌だったんですね…!
ありがとうございます!
わかりやすくて納得のいく解釈でした!
この主人公は報われるんでしょうかねえ
(ノ*°▽°)ノ
馬鹿にしてくる人がいますが、僕はこの歌が好きなので、こういう解説をしてくれると嬉しいです!(^∀^)♭。いいね! 馬鹿にしてくる人たちヘ。 eveさんは、多分この歌を作るために頑張ったと思うから人が作った歌を馬鹿にするのは、やめた方がいいと思いますよ。
解説 どうもありがとう。