こんな俺を認めてくれるか?
あの頃の俺は惚れてくれるか?
パッと咲き誇り散って行くのか?
じっと枯れ残り腐って行くのか?
今の自分はあの頃の俺に誇れるものなのか?
俺は大成できるのか?
はたまた半端な売れ方だけ残して腐っちまうのか?
もちろん彼らは今の自分の全力を出しているだろうし、傍から見れば十分すぎるほどに結果を残して名を挙げている存在。
しかし彼らは彼らなりに、「本当に今のまま進んで大丈夫なのか?」という漠然とした不安を抱えているのでしょう。
26最後の夜、少し期待して目を閉じ眠る
27最初の朝、何事も無くまた目が覚めた
ツレが遠くへ旅立った日
身内があっちへ行った日
ステージの上から画面の向こうから
この口でほざく「どう?調子!」
きっと一つ歳を重ねれば何かが変わるはずだ、なんて期待してみては、いざその年になっても自分は変わらず自分のまま。何も変わることなどありません。
時にツレが旅立ち、身内がどこかに行ってしまう。
そうした不安や悲しみに襲われながらも、彼らはステージの上やカメラの前ではいつものようにリスナー・視聴者に「どう?調子!」なんて呼びかけて、いつも通り仕事を全うするのです。
あくまで感情を持つ一人の人間でありながら、人々の前に立ってエンターテイメントを提供する仕事。
華々しい板の上の存在である彼らも私たちと同じように、葛藤しもがき苦しみながら必死に今を生きています。
27という年齢は、過去の偉大な天才たちが皆27歳で死んでいったというジンクス「27クラブ」に由来。27歳でもし死ねば伝説になりますが、何事もなく生きているので彼らは何となく焦りを覚えています。
サビ2
声を張り上げ肩を震わせ
目を見開いて赤い血を滾らせて
生々しく書き上げてく自分だけの生き方を
夢なんて見なけりゃ苦しまない
それでもこうしてもがいて行くしかない
あの日踏み外したレールの向こう側に
刻みつけるこの轍
再び破壊力抜群の菅田さんパート。
これまた不安を抱えながらステージ上に立つ彼らの心からの想いでありながら、夢のために生きる全ての人を勢いよく突き動かすだけのインパクトがあります。
声を張り上げ、肩を震わせ、死に物狂いで自らの人生を突き進む。
たとえ不安に押しつぶされそうになっても、たとえ悲しみに襲われようとも、夢を抱いて血眼になって必死にもがいて、レールの向こうに生きた証を刻み付ける。
演者として生きる人間の生き様のようなものが、これでもかというほどに爆発的に突きつけられています。
ライツ カメラ いくつもの夜
いくつものシーンといくつものカット
ライツ カメラ いくつもの朝
いくつものウソといくつものファクト
ライツ カメラ いくつもの目
行き着く先ならいくつもの末路
ライツ カメラ いくつもの耳へ
一枚の素肌から アクション
いくつものシーンとカットで、いくつもの事実と嘘で、一枚の素肌から、一人の人間から解き放たれた音楽や演技がいくつもの耳に届き心を突き動かす。
エンターテイメントというものが何たるものなのかが物凄い熱量をもって生々しく伝わってきます。
きっとこの曲もまた他のエンターテイメントと同じように、人々の人生の「サントラ」として数え切れぬほどのいくつもの日々を彩っていくことでしょう。
感想
エンターテイナーの人生を通じて描かれた、すべてのリスナーの人生を彩るサウンドトラック。
エンターテイナー視点の話でありながら、自分の仕事を全うする全ての人間に突き刺さるような普遍性を抱えています。
最高にヒップホップで最高にロック。最高にユニークで最高にポップ。
間違いなく、最強のヒップホップユニット・Creepy Nutsと日本を代表する俳優・菅田将暉のコラボだからこそ生まれた楽曲だといえるでしょう。
【Creepy Nuts × 菅田将暉/サントラ】
歌詞の意味の解釈でした!
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