カナリヤが消えていく五月の末の
木の葉が響き合う湖畔の隅っこ
あなたを何より支えていたいと
強く 強く 思う
多少の辛いことは隠して気丈なふりをするあなた。
そんなあなたの弱い部分を知っているから、続くBメロでは「あなたを何より支えていきたい」と、誰よりもあなたを知っている主人公ならではの感情が不意に描かれているのです。
またここの歌詞では1番では鳴き出していたいたカナリヤが、1か月の時を経て消えていくという描写が綴られています。
シンプルに時間が経ってもあなたを想い続ける主人公を表しているのかも知れませんが、カナリヤが「か弱さ」の象徴であったことも考慮すると
カナリアが消える=不安が消えていく
と言った意味合いも含まれているのかも知れません。
更に言うと「季語として使われたカナリヤ」という部分に注目すると、春という希望の季節が過ぎ去ってもあなたを光で包んでいきたいというような、未来の希望を象徴する仮説も捨てきれないです。
毎度のことですが、米津さんの楽曲は本当に解釈の分岐が多い。。。
サビ2
いいよ あなただから いいよ
誰も二人のことを見つけないとしても
あなただから いいよ
はためく風の呼ぶ方へ
サビ2もサビ1と同じように
あなたとなら何が起きても良い。
と愛情に起因する無償の許容が描かれています。
はためくとは、風の方向に布・紙などが風に吹かれてひるがえるさまのこと。
あなたとなら何も考えず流れに身を任せて生きていくだけでも良い。それだけで幸福なんだ。
はためく風に逆らわず流されようとするさまは、あなた以外なにもいらないという想いをそのまま象徴しているのです。
3番
あなたも わたしも
変わってしまうでしょう
時には諍い 傷つけ合うでしょう
見失うそのたびに恋をして
確かめ合いたい
3番は米津さんがインタビューで言っていた「変わっていくことを肯定したい思い」が強く表れています。
あなたとならいいよ。あなただからいいよ。
とこれまでの歌詞で繰り返されてきたわけですが、それは別に「こんなあなただから、あなたが良い!」という訳ではなくて、「あなたとなら何でも良い」ということ。
あなたが変わって、わたしが変わって、時には上手くいかない日があっても、無償の愛で繋がっている二人なら何度も素敵な関係性を作り上げていくことができるのです。
満たされる関係を築き上げることを「恋」と表現していることに、表現の素敵を感じずにはいられません。
ラストサビ
いいよ あなたとなら いいよ
もしも最後に何もなくても
いいよいいよ あなただから いいよ
誰も二人のことを見つけないとしても
あなただから いいよ
歩いていこう 最後まではためく風の呼ぶ方へ
あなたとならいい。
最後にどんな結末が待っていようとも。
「カナリヤ」はコロナウイルスという苦境の中で米津さんが作りだした、見返りを求めない人類愛の歌だったのです。
感想
本楽曲が収録されているアルバム『STRAY SHEEP』には、あなたという二人称が多く登場する。
もしかしたら本アルバムを通して、人と人との繋がりだったり、何ものにも代えがたい人間の心だったりを訴えたかったのかも知れない。
そう考えるとアルバム集約の役を担うラストナンバー「カナリヤ」が、無償の愛を歌う歌なのはすごく腑に落ちるなと。
【米津玄師/カナリヤ】
歌詞の意味の解釈でした!
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