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【米津玄師/Décolleté 】歌詞の意味を徹底解釈!気怠げな楽曲の真相に迫る。

【米津玄師】「Décolleté (デコルテ)」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。

 

注目ポイント

✔ 何も語られていない謎の楽曲

✔ 気だるげで退廃的な曲調

✔ 「あなた」とは誰のことなのか

 

骨助
骨助

昔の米津さんの楽曲を思い出させるような、どこか鬱屈とした雰囲気が漂う楽曲。是非最後までお読みください…!

 

 

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何も語られていない謎の楽曲

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今回紹介していく「Décolleté」は米津玄師の5thアルバム「STRAY SHEEP」に収録された楽曲。

ビリー・アイリッシュの「bad guy」なんかを思わせるような、どこか気だるげな雰囲気が印象的です。

 

米津さんは今回のアルバムの発売にあたり、各種音楽メディアや自身のYouTubeチャンネルにてアルバムに込めた想いをかなり詳しく語られています。

 

しかしながら、私の知る限りどのメディアにおいても米津さんはこの楽曲について何一つ語っていません

他の楽曲の13曲については何かしら制作背景が語られているのにも関わらず、「Décolleté」(と「ひまわり」)については情報が何もないのです。

 

勿論それは単に尺の都合で話してないだけかもしれませんし「作ったのがちょっと昔だから今更触れなかっただけ」みたいな可能性も十分考えられますが、楽曲自体の不穏な雰囲気と相まって何だか妙にミステリアス

 

何かあえて話さない意味があるのかも…?なんてことも考えてしまいます。

 

追記:「ROCKIN’ON JAPAN」のインタビューにて、自分の中の皮肉っぽい面を表現した楽曲であると説明されました。

 

骨助
骨助

米津さんの皮肉な内面とは。とりあえず楽曲の考察を進めていきます…!

楽曲名「Décolleté」とは

Décolleté(デコルテ)」はもともとフランス語で、主に女性服に見られる胸元から肩、背中が大きく露出した襟開きのこと。

また、襟開きによって露出する首筋から胸の上部の部分のことを指すこともあります。

 

楽曲では「月が らんらんらん デコルテを撫でていく」といった使われ方をするのでどちらの意味合いで用いられているかは断言できませんが、とりあえず女性的なイメージを与える言葉であることは間違いありません。

 

サビの歌詞以外でデコルテに関する歌詞が出てくることは無さそうなので、「曲のテーマと密接に結びついたタイトル」というよりは「女性的なサビの歌詞をそのままタイトルにした」くらいの比重なのかな…?と個人的には考えています。

 

骨助
骨助

タイトルについて確認したところでさっそく本題の歌詞を見ていきましょう。

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歌詞

あなたは間違えた 選んだのは見事ヘタレたハズレくじ
祭りはおしまいさ 今更水を差さないで

荒れ果てていくユーモア あなたのパパとママは何をしていたの
兎角疲れました 数えるから直ぐに消えて

今は らんらんらん 深く眠りにつきたい
月が らんらんらん デコルテを撫でていく

名のついた昨日は くれてやるから静かな明日をよこせ
卑劣な隣人を お許しくださいエイメン

泣き出すのはノーモア あなたのパパとママはどこへ消えたの
易々と述べんな 他をあたっておくれダーリン

今は らんらんらん 混じりっけのないやつが欲しい
風が らんらんらん デコルテに溶けていく

はたと冷めたアールグレイ マイファニーバレンタイン
健やかなる人生の ひび割れをしゃなりと歩く
ばら撒かれた愛情を 噛む裸のトルソー
芳しいほどに煙る春を探している

今は らんらんらん 深く眠りにつきたい
月が らんらんらん デコルテを撫でていく

今は らんらんらん 混じりっけのないやつが欲しい
風が らんらんらん デコルテに溶けていく

 

作詞:米津玄師

歌詞の意味・解釈

1番

あなたは間違えた 選んだのは見事ヘタレたハズレくじ
祭りはおしまいさ 今更水を差さないで

気だるげで廃れた雰囲気の曲調で楽曲はスタート。

サウンド自体は新しいものですが、その独特な倦怠感は米津玄師初期のアルバム「diorama」を思わせるようでどこか懐かしいような感じもします。

 

この部分だけでは正直よくわかりませんが、後の歌詞を見ていくとどうやら「Décolleté」で歌われているのはいわゆる「面倒な人」との対人関係のようです。

まさしく米津さんの中の皮肉な一面です。

 

「あなた」という人物は、終わった出来事に対して後になって口をはさんでくるような厄介な人。

 

「あなたは間違えた 選んだのは見事ヘタレたハズレくじ」

というのが何を指しているのかは微妙なところですが、個人的には「あなた」の生き方を否定しているのかな、という風に感じています。

これまでの人生で選択を誤ってきたために、今「あなた」は人の邪魔をするような面倒な人になってしまった。ああ残念。そんなテンションです。

 

 

荒れ果てていくユーモア あなたのパパとママは何をしていたの
兎角疲れました 数えるから直ぐに消えて

ユーモアを解せないあなたのせいで、面白いことも面白くなくなってしまう。

そんなどこか空気を読めていないような関わりたくない人物が「あなた」なのでしょう。

誰の周りにもいますよね、そういう人…

 

そんな「あなた」に対し、主人公は「あなたのパパとママは何をしていたの」と吐き捨てます。

それはきっとこんな面倒な人間になるなんて、両親はあなたに何も教えてくれなかったの?という嫌味。

主人公は怒りとかを通り越して、もはや「あなた」に呆れているのです。

 

もう疲れたから私の前から消えて。

喧嘩してでも間違いを正すのが「あなた」のためだとか、そういったある意味で健全な考えはとうに諦めて、彼はめんどくさそうに「あなた」が消えることを望んでいます。

 

骨助
骨助

コーラスの歌声には、もはややる気が感じられません。対人関係に疲れた主人公の退廃的なスタンスが歌声にも反映されているようです。

 

 

 

サビ1

今は らんらんらん 深く眠りにつきたい
月が らんらんらん デコルテを撫でていく

面倒な「あなた」との関係性に疲弊した主人公は、「あなた」なんかと関わらず深い眠りにつきたいと願っています。

月がデコルテを撫でていくような、趣が感じられる静かな夜に。

 

「らんらんらん」という歌詞がこれまた気だるげ。

「月がらんらんとデコルテを撫でていく」は表現として分かりますが、「今はらんらんらん 深く眠りにつきたい」の「らんらんらん」にはもはや意味がありません。

 

主人公のどうしようもない倦怠感が伝わってくるような、面白い表現だな…と思わされますね。

 

2番

名のついた昨日は くれてやるから静かな明日をよこせ
卑劣な隣人を お許しくださいエイメン

「あなた」のせいで騒がしい毎日を送らざるを得なくなっている主人公。

「名のついた昨日」、つまり「名誉ある、人に誇れるような過去」はもうくれてやるからとにかく平穏な未来をよこせと嘆いています。

 

「卑劣な隣人」は紛れもなく「あなた」のことでしょう。

 

「エイメン」は「アーメン」の別の言い方で、キリスト教において祈りの最後に唱える言葉。

つまり主人公は、神に「こんな卑劣な人間がこの世に存在することを許してやってください」と願っています。

もっともこれは別に「あなた」を思っていってるわけもなく、ただの皮肉なのでしょうが。

 

 

泣き出すのはノーモア あなたのパパとママはどこへ消えたの
易々と述べんな 他をあたっておくれダーリン

ここでは、何か言われた拍子に「あなた」が泣き出したのでしょう。とことん面倒な野郎です。

保護者はどこいったの?と言ってやりたくなるのも無理はありません。

 

さらには易々と自分の意見を押し付けてくる「あなた」。

もう他をあたってくれ、と主人公はただただ呆れています。

 

さて、ここで少し考えたいのが「あなた」って一体誰なの?という話。

「ダーリン」という言葉が出てくるので「恋人だったのかな…?」なんて解釈ももちろん可能ですし、茶化すように面倒な相手に「ダーリン」と言ってても別に不思議ではないので、結局のところ受け取り方次第です

 

ただちょっと拡大して考えてみたいのが、「あなた」というのは最近の世の中そのものを指しているのではないか、ということ。

 

米津さんは誹謗中傷が飛び交う昨今の世の中に対して、常々「自分はこの流れに加担したくない」といったことを口にされています。

何も人の話なんか聞かず、ネット上であれこれ叫んでユーモアを台無しにして、時に人を軽蔑し、時に泣き叫んで平穏を妨げる面倒な連中がはびこる社会。

そんな「卑劣な隣人」に対し、呆れ果て、もはや教えを説くことなんか諦めて「私の前から消えて」「他をあたって」と一定の距離を置こうとしているようにも解釈できるのではないでしょうか。

米津さんの中の最大限の皮肉を込めて。

 

骨助
骨助

やや話がそれましたが、本題の歌詞考察に戻ります。

 

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コメント

  1. 猫屋敷 より:

    デコルテについてはロキノンのインタビューで本人が語ってますよ。
    自分の中の皮肉っぽい面を普通に出したそうです。

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