サビ2
メラメラ火を噴いて私は夜の狼
Rap Tap Tap Tap
そこで見てろこの乱舞
強くおなり あなたなりの武装(メイクアップ)で
Flap up Flap up
不意に不安に
2番サビの歌詞も、メッセージ性としては1番サビと同様です。
自分なりの長所で武装して、欠点なんざ気にならないようにして。
《そこで見てろこの乱舞》
と吐き捨てるAdoさんの歌声には得も言えぬカリスマ性が宿っています。
Adoさんの容姿がどうであるかは謎に包まれていますし、彼女が容姿にコンプレックスを持っているかは不明ですが、彼女もきっとなにかしらの劣等感を抱いているはずです。
そんな彼女にとってはこの圧倒的な歌声で痛切なリリックを歌い上げることこそが、傷口を覆い隠してギラギラと輝く術なのかもしれません。
一番の「なんてファニー」からの二番の「不意に不安に」という韻の踏み方がめちゃくちゃお洒落です…
3番
孤独は燃料(ガソリン) 卑屈な町を行く
目を閉じて もういいかい もういいかい
もしも神様が左利きならどんなに幸せか知れない
世間への劣等感や他人への妬みによって向上心を掻き立てられた経験は誰しもにあるのではないでしょうか。
抱えているコンプレックスによって孤独を覚えている彼女ですが、そんな孤独は世の中への反逆心を燃やすうえでの燃料となります。
《目を閉じて もういいかい もういいかい》
もうそろそろ見返してやってもいいかい?と最高に自信気。
一番で《正直言って私の顔はそう神様が左手で描いたみたい》という歌詞がありました。
ここでの神様は当然右利きで、私の顔は利き腕と逆の手で書いたような醜い姿をしています。
これがもしも神様が左利きだったならば、どんなに幸せだったことか。
自分だけが誰よりも美しい顔立ちをしていて、自分以外みんな不細工。一生コンプレックスを抱いて生きる必要なんか当然なかったし、むしろ優越感に浸って人生を楽しむことができたはずなのに。
そんなどうしようもないことを嘆きたくなる気持ちは痛いほどわかります。
心に抱えたこの大きな傷を補って余るくらいに輝けるように、彼女はなりふり構わず歌っています。
ラストサビ
ギラ ギラギラ ギラ ギラギラ
Give Love 花は満ちて(ギラギラ)
ありのまんまじゃいられない 誰も彼も
なんて素晴らしき世界だ!
ギラついてこう
花に満ち溢れるように、恋とか愛とかで幸せに溢れた素晴らしきこの世界。
劣等感を抱え、幸せなんか感じられない人間からすればそんな世界でありのまま生きてたら正気ではいられません。
《ありのまんまじゃいられない》
傷口を覆い隠して、恥ずかしげもなくギラギラ輝くしか生きる道はないのです。
ここにきて「ギラギラ」と「Give Love」という言語を越えた同音異義語がぶち込まれます。
ただただ度肝を抜かれるばかり。
【コンプレックスなんかどうでもよくなるくらいに、こっちは別のやり方でギラついてやろう!】
そんな前向きなメッセージが込められた強烈な一曲でした…!
感想
生来抱えたコンプレックスと、それに起因する孤独な人生。
それでも、そんなのどうだってよくなるくらいギラギラ輝いてやろう。
幸せそうな世間を見返してやろう。
そんな熱い想いが籠った一曲でした。
恋に溢れた世の中への痛切なルサンチマン。
劣等感を抱える全ての人が共感できるキラーチューンです。
【Ado/ギラギラ】
歌詞の意味の解釈でした!
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コメント
なかなか解釈が難しい詩ですよね。
私は「夜の狼」と「孤独は燃料」の部分がどうにも引っかかります。
幾つかのワードから夜の蝶、つまりホステス業がイメージされるのですが、狼だ乱舞だというのは内面にしては荒々しすぎる点。
そして燃料をガソリンと読むのも違和感を感じます。孤独を糧にするなら「エナジー」でも良いはず。
これ等から、彼女はバイクか車を運転しているのでわ?と思えるのです。
そうすると「目を閉じて もういいかい」の情景が恐ろしげに見えてきます。
彼女は不意に不安になり、このまま死んでしまって楽になりたい!という衝動に駆られている。んでうぉ〜〜!なのかなと(笑)。
おそらくはリスペクトされてる椎名林檎のオマージュもあるかもですね。
夜の狼は後半の映像で少女が神様を壊して頭の冠を奪って身に着けていることからこんな風に産んだ神様に対してクソくらえって反逆の意思を表したものなのだと思います。
なので自分が狼として神様を飲み込んでやる!と飲み込んで自分らしく生きることに対する比喩表現なのではないかと解釈しました。
ギラギラは歌詞もかっこいいし、音楽もかっこいいですよね。
なのに歌詞に深い意味もあるなんて…
ハマりそうです(もうハマってます)
ここのコメみた上での私の考察は
醜い自分が嫌で
ガソリン=バイク
で輝いていた(卑屈な町を)
が1mgの花火(恐らく自己による飛び散った火花)
そして事故で死に行く情景(メラメラ)
事故の原因(雨)
そして自分が美しければこんな荒んだ生き方をしなかったのに
という卑屈
狂っていたみたい(adoさんが昔の曲をリスペクトしているため暴走族やヤンキーが一般的に存在した頃より少し後)の時代感
スパンコールの瘡蓋は顔にできるニキビを比喩したものかと想像しました
ニキビが乾いて蛇皮のような
夜の狼は、神話の神殺し、太陽か月を呑みこんだ北欧神話の狼でわ
それが一番しっくりする
・スパンコールの瘡蓋→塞がっていない傷を綺麗なもので覆う→自分の容姿による消えぬ劣等感を整形により覆い隠す?
・共生は端から無理→ともに生きることはできないという意味と、矯正は無理、つまり整形をしても自分に愛を与えてくれる明るい世界なんかないという諦念のような意味のダブルミーニング?
・蛍光色の痣→整形をして生きていくうちに血、つまり自分の内面まで蛍光色のような派手で目立つものに変わってきた?
自分はこの曲の歌詞を聴いてこんな風に想像してました。
後、もしかしたら狙ったものではないかもしれませんが、二番のサビの夜の狼のところ、曲だけ聞いてると、私は夜の神って聴こえて、主人公は一匹 狼 であり、また、夜を支配するもの、つまりホストやキャバ嬢のようなものだという意味があると考えてました。
私は、夜の街に生きる女性(ホステス)の半生で、捨てきれない昼の世界への憧れ。と、解釈しました。
・スパンコールの瘡蓋→スパンコールをあしらった衣服かアクセサリー
・ギラギラ→野心に満ち溢れている様子
・夜を呑み→夜の街でアルコールを呑む・夜の街でのしあがる
・Rap Tap Tap Tap→こつこつと叩く、扉(ドア)を叩く→何かを伺い、扉を開いて新たな展開に変える
いまに見てろこのLuv→いまこの手にある、雑な愛(その場限りの愛)(Rap Tap・・・と合わせて、LuvをLoveに変えようとした)
目に染みるは1mgの花火→昭和頃の技法で、失恋等で哀しみで涙が流れるのを誤魔化す表記の変換
今夜は、タバコが目に染みる(中島みゆきさんの歌にもあります。題名は、忘れましたが。m(_ _)m)
1mg→ニコチンの単位(かなり軽く、女性が好むのタバコ)
花火→目に染みるまで煙を出す
には、一気に吸い込まないといけない。一気に吸うと火がついてるところが燃え上がり、線香花火の玉のようになる
Drug on Drug on→1mgの花火がタバコとして、気を落ち着かせるために、何回も吸い込んでいる
等々、細かく書くと長くなります。m(_ _)m
スパンコールの瘡蓋、蛍光色の痣、は比喩ではなく、イラスト同様の直接的な太田母斑への表現でしょう。私自身、とても大きな太田母斑がある知人が居ますが、(勿論本人には言いませんが)見るたびに造形物としての美しさに見惚れてしまいます。この痣を単なる可哀想な病と受け取るか、神からの印と取るか、は、受容する側の問題でもあり、少なくともこの楽曲の中ではマイナスイメージとしては唄われていません。サブカル的言葉遊びではなく、直接的な強い表現、意思を感じます。