2番
夜明けは微かなメランコリー 朝が怖いんだ
蓋をする思考力 酔えず吐いたアルコール理由もない不安が胸に押し寄せるんだ
溺れそうだ 足掻くだけの日々
「メランコリー」は憂鬱のこと。
主人公にとっての夜は単に幸せではないだけでなく、朝を怖がる憂鬱な時間でもあります。
きっと街でキラキラ輝く人々は気にもしないことなのでしょうが、朝になれば再び始まってしまう日常が不安で仕方ないのです。また輝きに取り残されないように自分を演じなければなりません。
アルコールで酔って忘れられるほど簡単ではなく、絶えず不安に押しつぶされています。
あまりに自然に感情を込めて《酔えず吐いたアルコール》と歌われますが、Adoさんは現在18歳。表現力は末恐ろしいです。
使い捨てのような毎日に
ただ踊るだけのエキストラ
使い捨てのような毎日に、ただ踊るだけのエキストラ。
この一文が、この曲の描く主人公像の全てを説明しているように感じます。
主役になんかなれず、輝かしく生きる人々を引き立てるように偽りの自分を演じる道化師。
キラキラした世の中の、影を歩かされる人生。
現実を知り、幼き頃の純真さなんて失われた弱い自分。
そんな主人公の生き様こそが、楽曲タイトルの ”夜のピエロ” なのではないでしょうか。
アウトロ
笑い笑われるピエロ
街灯は消えて夜に沈む
街を生きる幸せな人々にはきっと嘲笑われていて、そんな幸せな人々を妬み笑い返す ”夜のピエロ”。
夜は更けて街灯は消え、孤独な闇の中に消えていきます。
Adoさんの楽曲は彼女自身が作詞しているわけではありませんが、輝かしい世界の脇役側であるという点で楽曲の世界観は一貫しているように思います。
「うっせぇわ」は今の世の中の中心となっている上の世代への不満を歌った楽曲であるし、「ギラギラ」も恋に踊る世の中への劣等感やルサンチマンを描いた楽曲。
Adoという名前自体が「柿山伏」という物語の脇役から取られたものだというのだから、そうなるのも必然かもしれません。
キラキラ輝く主人公に劣等感を抱きながら、孤独に日々を生きる。
そんな彼女の世界観が、若者の共感を呼び絶対的な支持を集めているのでしょう。
現代の若者の代弁者ともいえる彼女が今後何を歌うのか、ますます目が離せません。
【Ado/夜のピエロ】
歌詞の意味の解釈でした!
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コメント
すごい
よくできますね。
やはりすごいですね‼️
なるほど。
酔えず吐いたアルコールってのはこのうただと
酔う=楽しむ
吐く=自分がなじめなかった町から離れる
アルコール=主人公が今いる町での夜
てことなんですかね。
歌は共感がないと流行りませんしねえ。私はAdoさん大好きです。 煌めく街の灯りは がすんごい好きです。『夜に沈む』がすごく寂しそうなのもそのせいか。
自分、曲に刻まれているメッセージによって、どんな人がその曲が心に響くが決まってると思います。
例えば、この「夜のピエロ」を聴いて心に響いた人は、この歌詞の意味にピッタリ(孤独で夢を追いかけるも、人から認められず、偽りの自分を演じる“ピエロ“みたいな)人です。
おそらく、こんな人ではない人は、世間では多いから、そこまで流行らなかったんでしょうか。
だとすると、この曲自体も歌詞どうりなんじゃないかと思います。
個人的に今までの人生で1番のお気に入りの曲がこの「夜のピエロ」です。
歌詞の意味のことをこのように教えてくれたのは、この「夜のピエロ」でした。
この曲のおかげで曲への認識が変わりました。