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【米津玄師/M八七】歌詞の意味を徹底解釈!「シン・ウルトラマン」主題歌に込められた想いとは。

【米津玄師】「M八七」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。

 

注目ポイント

✔ タイトル「M八七」の意味

✔ 米津玄師にとって「ウルトラマン」とは

 

骨助
骨助

米津さんのインタビューでの発言を元に、歌詞に込められた想いを考察していきます…!

 

 

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映画「シン・ウルトラマン」主題歌

今回紹介していく「M八七」は映画「シン・ウルトラマン」主題歌として制作された楽曲です。

映画公開に合わせて2022年5月13日に楽曲の配信がスタートしており、YouTubeではMVも公開中。

5月18日にはニューシングルとしてのリリースも決定しています。

映画『シン・ウルトラマン』公開記念特別映像【2022年5月13日(金)公開】

映画「シン・ウルトラマン」は、ヱヴァンゲリオンシリーズや「シン・ゴジラ」の総監督としてしられる庵野秀明さんが企画・脚本を手掛けた、ウルトラマンの誕生55周年記念作品。

現代の日本を舞台に、突如現れた巨大生物【禍威獣(カイジュウ)】と闘う正体不明の巨人・ウルトラマンの姿を描いた空想特撮映画となっています。

 

米津玄師さんは楽曲について、

主題歌のお話を頂いた瞬間は『何かの間違いでは』と思いました。シン・ゴジラを劇場で何度も見ていた頃や、シン・ウルトラマンが制作発表された頃、まさか自分が関わることになるとは夢にも思っておらず、青天の霹靂の一言に尽きます。超然としたウルトラマンの姿を眺めながら曲を作りました。

とコメントされていました。

 

楽曲にはどんな思いが込められているのか、この記事ではインタビューでの米津さんの発言を参考に歌詞の意味を考察していきます。

 

骨助
骨助

まずはタイトル「M八七」について確認しておきましょう。

楽曲名「M八七」とは

「M八七」というタイトルから真っ先に連想されるのは、ウルトラマンの故郷として知られている「M78星雲」です。

地球から300万光年離れた実在する星雲なのですが、当初の設定ではウルトラマンの故郷は「M87星雲」であり、誤植で「M78星雲」と記載されてしまったために結局「M78星雲」に変更し現在に至るとのこと。

「シン・ウルトラマン」主題歌として、ウルトラマンの当初の設定を楽曲タイトルとして引用したのだとするならばなるほど納得です。

また、ウルトラマンシリーズに登場するウルトラ兄弟の長男・ゾフィーの必殺技も「M87光線」と命名されており、そこから引用したのではないかとする説もあります。

 

いずれにせよ「M87」がウルトラマンと関連する言葉であることは間違いないのですが、では米津さんはなぜ数あるウルトラマン関係の単語の中から「M87」をチョイスしたのでしょうか。

 

ここで注目したいのが、米津さんのボカロP時代の「ハチ」という名義です。

これは人気少女漫画「NANA」からインスパイアされてつけた名前であることを米津さん本人が以前公言されていました。「ハチ」「NANA」という単語はある意味で米津さんのミュージシャンとしての原点に関わってくる意味のある単語なのです。

 

以上の事から、ウルトラマンに関係する言葉であり自身の原点とも結びついている「M87」というワードを、シリーズの原点である55年前の特撮ドラマ「ウルトラマン」を題材にした今回の映画の主題歌のタイトルとして抜擢したのではないでしょうか。

 

骨助
骨助

楽曲タイトルについて考察したところで、さっそく本題の歌詞を見ていきましょう。

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歌詞

遥か空の星が ひどく輝いて見えたから
僕は震えながら その光を追いかけた

割れた鏡の中 いつかの自分を見つめていた
強くなりたかった 何もかもに憧れていた

君は風に吹かれて 翻る帽子見上げ
長く短い旅をゆく
遠い日の面影

君が望むなら それは強く応えてくれるのだ
今は全てに恐れるな
痛みを知る ただ一人であれ

いまに枯れる花が 最後に僕へと語りかけた
「姿見えなくとも 遥か先で見守っている」と

そうだ 君は打ちひしがれて 削れていく心根
物語の始まりは
微かな寂しさ

君の手が触れた それは引き合う孤独の力なら
誰がどうして奪えるものか
求めあえる 命果てるまで

輝く星は言う 木の葉の向こうから
君はただ見つめる 未来を想いながら
僕らは進む 何も知らずに彼方のほうへ

君が望むなら それは強く応えてくれるのだ
今は全てに恐れるな
痛みを知る ただ一人であれ

微かに笑え あの星のように
痛みを知る ただ一人であれ

 

作詞:米津玄師

歌詞の意味・解釈

歌詞の考察に先立って、米津さんの楽曲についての発言を紹介しておきたいと思います。

米津さんは映画公開記念の特別番組でのインタビューにて、自身が手掛けた楽曲「パプリカ」を例に米津さんにとってのウルトラマンの姿を語っていました。

 

恐らく「パプリカ」で熱狂して踊ってくれた子供たちのほとんどは、残念ながら大人になるとその体験を忘れてしまいます。しかしその体験はなくなってしまうわけではなくて、熱狂して踊った経験が人生の土台となって、その上に同じような経験が幾つも折り重なっていって人間性は出来上がっていきます。

米津さんにとってのウルトラマンも同じで、幼稚園の頃から好きだったウルトラマンの事を今では忘れてしまっていたけれど、今回主題歌という形でウルトラマンと再会したことでそれが自分の人生に影響を与えていたことを思い知ったとのこと。

様々な作品や経験が折り重なって人生の新しい何かが生み出されていくこの連鎖を、今回の主題歌のテーマに据えたいと思ったのだと米津さんは語っています。

 

この発言から考察するに、今回の楽曲は【米津さんの人生において「ウルトラマン」がどんな存在なのか】が描かれた楽曲であると考えられます。

これを踏まえた上で、実際に歌詞を見ていきましょう。

 

1番

遥か空の星が ひどく輝いて見えたから
僕は震えながら その光を追いかけた

割れた鏡の中 いつかの自分を見つめていた
強くなりたかった 何もかもに憧れていた

【米津玄師の人生において「ウルトラマン」がどんな存在なのか】を描いた楽曲とするならば、この一番冒頭の歌詞の言わんとすることはなんとなくわかってくる気がします。

 

《遥か空の星が ひどく輝いて見えたから
僕は震えながら その光を追いかけた》

遥か遠い過去の記憶の中で、一際輝いて見える存在。

強さの象徴であり、大人になった今となってはその姿形を明確には覚えてはいなかったけれど、漠然と自分が憧れて追いかけてきたもの。

人生の土台となって、自分の人間性を形作ってくれていたもの。

 

それが米津さんにとっての「ウルトラマン」の姿だったのではないでしょうか。

 

君は風に吹かれて 翻る帽子見上げ
長く短い旅をゆく
遠い日の面影

ウルトラマンを直接表現するような描写は決してありませんが、この部分の歌詞も間接的に、思い出の中で輝いて見えるヒーローの存在を描き出しているように感じています。

 

《遠い日の面影》

今は忘れてしまったけれど、漠然と覚えていて憧れさえも覚えるあのヒーローのあのワンシーン。

それは米津さんにとって、思い出の中の美しい一コマであるという意味で【風に吹かれる君の遠い昔の面影】という表現で表される情景に感覚的に近いものなのでしょう。

 

サビ1

君が望むなら それは強く応えてくれるのだ
今は全てに恐れるな
痛みを知る ただ一人であれ

君が強く望むなら、思い出の中の「それ」は強く応えてくれる。

幼き日にテレビで見て憧れを抱いたあの物語は、決して消えてしまったわけではなく、今でも自分の人生を形作ってくれている。

だから《今は全てに恐れるな》。あのヒーローのように、《痛みを知る ただ一人であれ》

米津さんが語っていた楽曲のテーマに照らし合わせれば、サビの歌詞はそう歌っているように聞こえてきます。

 

一方で、サビの歌詞は、ウルトラマンに対して語り掛けているものであるとも解釈することができるでしょう。

映画「シン・ウルトラマン」のキャッチコピーは「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。」

作中では目先の利益に翻弄される人間の醜いエゴに翻弄され、時に傷つきながら、それでも人間のために禍威獣や外星人と孤独な戦いを続けるウルトラマンの姿が描かれています。

 

君が望むなら、人類はきっと応えてくれる。 だから《今は全てに恐れるな》

そう語りかけているようにも聞こえてきます。

 

「本当に強い人って痛みを知った人しかそうなり得ないんじゃないか」

米津さんはサビの最後の歌詞について、そうコメントしていました。

《痛みを知る ただ一人であれ》

決して万能の神ではなく、人間に触れ、人間をいたわる心をもって戦うウルトラマンの姿を思い起こさせる歌詞であるように感じました。

 

骨助
骨助

2番では言葉を70年前の詩から引用しながら、思い出の中のウルトラマンの姿が描かれていきます。

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