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【ヨルシカの隠れた名曲5選】ファンが歌詞に焦点を置いて紹介・解説していく。

n-bunaとsuisからなるユニット「ヨルシカ」

彼らは感情豊かで物語性のある楽曲を通じて聴く者に深い印象を与え、これまでアルバム「だから僕は音楽を辞めた」「エルマ」「盗作」「幻燈」等といった様々な名盤を生み出してきました。

 

日本中でかなり高い認知をされている彼らですが、実はまだまだ隠れた名曲があるのです。

 

サルー
サルー

本記事では根っからのヨルシカファンである私が、知らないは勿体ない隠れた名曲を紹介・解説していきます。ぜひ最後までお読みください。

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五月は花緑青の窓辺から

まず紹介していく「五月は花緑青の窓辺から」は、彼らのアルバム「だから僕は音楽を辞めた」の8番目のトラックとして2019年4月10日にリリースされました。開始10秒後から始まるロック調がカッコ良すぎるのでぜひ聴いてみて下さい。

 

歌詞は、夏の終わりへの信じがたい気持ち、かつての特別な夏の思い出、そして失われた思い出の痛みをテーマにしています。曲は、過ぎ去りつつある時間とその変化を受け入れたくない主人公の感情を反映しているようです。特に「空いた教室 風揺れるカーテン 君と空を見上げたあの夏が いつまでだって頭上にいた」というフレーズからは、過去の夏とそこに結びつく懐かしさや渇望を表現していることが読み取れます。

 

楽曲を通して、思い出への切なさや自分の感情や体験を完全に表現することのできない無力感が伝わってくるのです。最終的に、楽曲主人公は失われた過去を思い出し、その痛みが過去の人物とのつながりの証であると感じますが、それでもまだ信じられない、または受け入れがたい感情に苛まれています​​。

 

大切な瞬間を失いたくないという願望と、過去への懐かしい感情を巧みに表現した本楽曲。ロック調でありながらもヨルシカの感情的で深みのあるスタイルを反映しており、アルバムの1曲に過ぎないのが勿体ないくらいの完成度です。

 

あの夏に咲け

続いて紹介する「あの夏に咲け」は、彼らのミニアルバム「夏草が邪魔をする」からの4番目のトラック。この曲は2017年6月28日にリリースされ、ロックジャンルに分類されています。

 

「あの夏に咲け」のテーマは、青春の繊細な感情や、一瞬の美しさ、そして失われゆく時間の儚さと言ったところ。

 

歌詞では、過去の特別な夏への懐かしさや、その時代を象徴する感情が描かれています。その為、一緒に空を見上げた思い出や、バス停でのさりげないシーンなどが歌詞には織り交ぜられています。これらは過去への愛着と現実との間の葛藤を巧みに表現しているのでしょう。

 

また「君が触れたら、 た、た、ただの花さえ」の部分など、次の文節の一文字目リズムよく繰り返す歌詞が心地よくクセになります。中毒性が高いです。

 

ヨルシカの音楽は、リスナーに強烈な感情的な体験をもたらすことで知られており「あの夏に咲け」もその例外ではありません。彼らの感情的で深みのあるスタイルを反映しており、聴く者に強い印象を与える作品となっています。

 

ミニアルバム収録曲の1つにして、ファンからの根強い本楽曲。聴いたことがない方はぜひ聴いてみてください。

 

爆弾魔

「爆弾魔」は彼らのミニアルバム「負け犬にアンコールはいらない」からの3番目のトラックで2018年5月9日にリリースされました。

 

自己破壊的な傾向、理想化された若さへの憧れ、そして逃避願望を本楽曲からは感じることができます。

 

歌詞は、失恋による痛みと破壊衝動に焦点を当てており、青春時代のすべての瞬間に存在する恋人の記憶を忘れたいという願望が表現されています。

特に江戸時代の女流俳人・加賀千代女の俳句「散れば咲き 散れば咲きして 百日紅」を引用し、その象徴性を使って主人公の感情を深く掘り下げている3番歌詞には注目です。この俳句は短命ながらも次々と咲き続けるサルスベリ(百日紅)の花を通じて、失恋による痛みが新たな始まりを生むことを暗示していると解釈されています。

 

また主人公の痛みと苦悩、そして彼らが抱える逃避願望は、彼らの周囲や自己の世界を破壊することによって、いくらかの解放を見いだそうとする心理を示しています。これら複雑な楽曲テーマはまさにヨルシカの特徴であり醍醐味です。

 

メロディを楽しんだ後は感情的で深い歌詞を堪能することができる。二重に楽しめるおすすめナンバーです。

 

春ひさぎ

「春ひさぎ」は2020年7月29日にリリースされたアルバム「盗作」の3番目のトラック。

 

歌詞では音楽を盗作をした主人公のなれの果てが描かれており、この「春ひさぎ」からは、世界中の音楽家たちの葛藤が伝わってきます。

 

これまでヨルシカの楽曲を聴いてきた方なら気付くかもしれませが、本楽曲はイントロからテイストが違います。それこそイントロだけではヨルシカと気付くのは到底無理なくらいの違いです。

 

これが実は本楽曲のタイトル「春ひさぎ」に関連していて、公式MVの概要欄には春をひさぐ、は売春の隠語である。それは、ここでは「商売としての音楽」のメタファーとして機能する。と書かれていました。

 

つまり盗作を表現するべくこのテイスト変化を起こさせていたのです。いつものヨルシカと違うけどヨルシカらいしい楽曲。おすすめですぜひ聴いてみてください。

 

ちょっとコアなファン向けになるかもですが、本楽曲に関しては前に考察記事も書いています。宜しければ一緒にどうぞ。

【ヨルシカ/春ひさぎ】歌詞の意味を徹底解釈!アルバム「盗作」の核となる物語?
【ヨルシカ】の「春ひさぎ」について、歌詞とMVの意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。 読みどころ ✔ 描かれるのは音楽を盗作した主人公? ✔ MVに込められたメッセージ性...

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カトレア

「カトレア」は、2017年6月28日にリリースされたミニアルバム「夏草が邪魔をする」の2番目のトラック。個人的にイントロのベースラインがツボです。

 

この楽曲は、憧れ、無償の愛、人間の感情の複雑さといったテーマを深く掘り下げられています。

 

歌詞では脆弱性を受け入れ、誰かに全てを捧げたいという願望と、自己の本質を保持しようとする境界線を模索する人物の生き生きとしたイメージが描いていく。東京の慌ただしい日常生活を表す「排気ガス塗れの東京」や「札束で心が買えるなら本望だ」など、過去の経験や感情の重荷から逃れたいという切ない願望を示しています。

 

「カトレア」という花の繰り返し言及は、他者への無償の愛を象徴しており、「窓際の花瓶には君を挿しておくから」という歌詞の一部は、愛する人を遠くからでも守ろうとする主人公の自己犠牲的な姿勢を強調しています。また、主人公は自分の全てを失うことさえ厭わず、愛する人とのつながりを大切にしていることが伺えます。

 

人間関係の繊細な性質や、人生を通じて私たちが直面する脆弱性についての美しくもメランコリックな反映。知名度が低いながら知らないのは勿体ない、Theヨルシカなナンバーです。

 

おわりに

いかがでしょうか。ぶっちゃけ5曲に絞るのかなり迷いましたし、どこからが「隠れたナンバー」なのかが難しいとこでしたが、自分的にいいところ突けたかなと思っております。

 

どれも感情豊かで、なおかつ物語性のある歌詞で構成されており、聴く者に深い印象を与えるナンバーなんですよね。愛や人間の感情の追及、美しいメロディと重い歌詞の対比など、ヨルシカの魅力を少しでも伝えることができたのなら嬉しい限りです。

 

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