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【ヨルシカ/ブレーメン】歌詞の意味を徹底解釈!”大した意味はない” 楽観的なマーチ。

【ヨルシカ】「ブレーメン」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。

 

注目ポイント

✓ 「ブレーメンの音楽隊」との関係

✓ 歌詞にも題にも大した意味はない?

 

骨助
骨助

憂鬱を「あっはっはっは」と笑い飛ばしてみせる楽観的な一曲。この記事ではその真意を読み解いていきます。

 

 

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待望の9か月ぶりの新曲

今回紹介していく「ブレーメン」は「月に吠える」以来9か月ぶりとなるヨルシカのデジタルリリース楽曲です。

2022年7月4日にリリースされ、同日にはYouTubeにてMVの公開もスタートしています。

「又三郎」「老人と海」など、昨年から継続している文学作品をオマージュした楽曲であり、今回はグリム童話「ブレーメンの音楽隊」をモチーフに制作されています。

 

n-bunaさんは楽曲について、Twitterで

僕達は皆ただの動物で、足りない頭を使い過ぎるくらいなら最初から考えなくてもいい。歌詞にも題にも大した意味はない。

とコメントされていました。

 

「歌詞にも題にも大した意味はない。」と言い切ってしまっているように、ヨルシカの曲の中では珍しく軽快でかなり楽観的な楽曲。

制作者本人が「大した意味はない」とおっしゃっている楽曲の意味を考察する、なんてことは本来おかしな話ですが、私も物好きなので普段通り考察させていただきます。

あわせて、童話「ブレーメンの音楽隊」についても簡単にご紹介します。

 

骨助
骨助

ちなみにn-bunaさんは「花に亡霊」リリース時にも「この曲で何を伝えたかったとか、そういうのはないです」とコメントされていました。

「ブレーメンの音楽隊」とは

「ブレーメンの音楽隊」はドイツで刊行されたグリム童話の物語の一編。

あらすじは以下のような感じです。

あるロバは歳を取って仕事が出来なくなり、飼い主から虐待を受けるようになってしまう。
飼い主の元から逃げ出したロバは、「ブレーメンに行って音楽隊に入れてもらおう」と思い立つ。
道中で同じような境遇のイヌ、ネコ、ニワトリに出会い、彼らを音楽隊に誘って旅に出る。

そんなある日、動物たちは森の中のとある家で、集まってご馳走を食べている泥棒たちを発見する。
動物たちは知恵を絞り、泥棒を家から追い払うことに成功する。
その家がすっかり気に入った動物たちは、そこで音楽を奏でながら仲良く暮らすのだった。

 

最終的には、みんなで仲良く音楽を奏でて暮らすブレーメンの音楽隊。

しかし彼らには「飼い主に虐げられていた」という辛い過去があり、そこから逃げ出して目を背けた結果として今は自由に音楽を奏でています。

人間たちと分かり合うことを一旦諦めたことで、楽観的で幸せな暮らしを手に入れたのです。

本当は辛い現実があることだって痛いほどわかっているけれど。

 

こうした「ブレーメンの音楽隊」の作品設定を踏まえると、楽曲「ブレーメン」の歌詞も単に楽観的なものではないことがわかってきます。

 

骨助
骨助

物語の内容を確認したところで、さっそく本題の歌詞を見ていきましょう。

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歌詞

ねぇ考えなくてもいいよ
口先じゃ分かり合えないの
この音に今は乗ろうよ
忘れないでいたいよ
身体は無彩色 レイドバック
ただうねる雨音でグルーヴ
ずっと二人で暮らそうよ
この夜の隅っこで

ねぇ不甲斐ない僕らでいいよ
って誘ったのは君じゃないの
理屈だけじゃつまらないわ
まだ時間が惜しいの?
練り歩く景色を真空パック
踏み鳴らす足音でグルーヴ
まるで僕らはブレーメン
たった二人だけのマーチ

さぁ息を吸って早く吐いて

精々歌っていようぜ 笑うかいお前もどうだい
愛の歌を歌ってんのさ あっはっはっは
精々楽していこうぜ 死ぬほどのことはこの世に無いぜ
明日は何しようか 暇ならわかり合おうぜ

ねぇ考えなくてもいいよ
踊り始めた君の細胞
この音に今は乗ろうよ
乗れなくてもいいよ
想い出の景色でバックパック
春風の騒めきでグルーヴ
もっと二人で歌おうよ
暇なら愛をしようよ

さぁ息を吸って声に出して

精々歌っていようぜ 笑われてるのも仕方がないね
何もかも間違ってんのさ なぁ、あっはっはっは
精々楽していこうぜ 馬鹿を装うのも楽じゃないぜ
同じような歌詞だし三番は飛ばしていいよ

さぁ息を吸って早く吐いて
ねぇ心を貸して今日くらいは

精々歌っていようぜ 違うか
お前ら皆僕のことを笑ってんのか?なぁ
精々楽していこうぜ 死ぬほど辛いなら逃げ出そうぜ
数年経てばきっと一人も覚えてないよ

ぜえぜえ歌っていようぜ 身体は動く?お前もどうだい
愛の歌を歌ってんのさ あっはっはっは
精々楽していこうぜ 死ぬほどのことはこの世に無いぜ
明日は何しようか 暇なら笑い合おうぜ
そのうちわかり合おうぜ

作詞:n-buna

歌詞の意味・解釈

1番

ねぇ考えなくてもいいよ
口先じゃ分かり合えないの
この音に今は乗ろうよ
忘れないでいたいよ
身体は無彩色 レイドバック
ただうねる雨音でグルーヴ
ずっと二人で暮らそうよ
この夜の隅っこで

「ブレーメンの音楽隊」の結末のように、夜の隅っこでただ音楽に身を委ねる二人。

一見楽しそうに見える彼らですが、直面している世の中の生き辛さからは目を背けています。

 

《ねぇ考えなくてもいいよ 口先じゃ分かり合えないの》

気が合わない人。無理難題を押し付けてくる人。いじめや差別。

そんな自分を取り巻く問題を「どうせ口先じゃ分かり合えないから」と諦めて、逃げ出して、考えないようにして、彼らは今はただ音楽に乗っています。

 

飼い主の虐待から逃げ出して音楽を奏でる「ブレーメンの音楽隊」と彼らは同じ。

この楽曲は何も考えず、ただ楽観的に希望を歌っているのではありません。

どうにもならない問題から逃げ出して、その解決を諦めた上で笑いながら愛の歌を歌っているのです。

 

ねぇ不甲斐ない僕らでいいよ
って誘ったのは君じゃないの
理屈だけじゃつまらないわ
まだ時間が惜しいの?
練り歩く景色を真空パック
踏み鳴らす足音でグルーヴ
まるで僕らはブレーメン
たった二人だけのマーチ

この部分の歌詞は「ブレーメンの音楽隊」で言うところの、ロバの次に音楽隊に加わるイヌの視点。

 

「難しいことから逃げ出して音楽にでも乗っていよう」と誘われて彼について行ったのに、彼もまだプライドを捨て切れておらず、自分の体裁を保とうとしています。

《理屈だけじゃつまらないわ まだ時間が惜しいの?》

そういうのはもういいから、時間なんてもう惜しまずに不甲斐なく逃げていようよ。

何も考えないで、ただ音楽に身を任せよう。

二人目の音楽家は一人目にそう諭します。

 

《まるで僕らはブレーメン たった二人だけのマーチ》

ブレーメンの音楽隊は本来ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリの4匹で構成されますが、ここではまだ二人だけ。

この後のサビの歌詞で彼らは仲間を募っているので、まだ3人目以降の仲間待ちといったところでしょう。

 

さぁ息を吸って早く吐いて

この部分の歌詞は言ってしまえば特に意味はないでしょう。

ただ、音に合わせて深呼吸をすると実に気持ちがいいです。

ゆっくり息を吐こうとすると《早く吐いて》と肩透かしを食らう感じがユーモラスですね。

 

サビ1

精々歌っていようぜ 笑うかいお前もどうだい
愛の歌を歌ってんのさ あっはっはっは
精々楽していこうぜ 死ぬほどのことはこの世に無いぜ
明日は何しようか 暇ならわかり合おうぜ

生きる上で直面してしまった困難から逃げ出した二人は、バカみたいに楽観的に愛の歌を歌って街を闊歩してみせます。あっはっはっは。

《笑うかいお前もどうだい》

ブレーメンの音楽隊のように仲間を募りながら彼らは進みます。

 

死ぬほどのことはこの世に無い。

命を落としてあげるだけの価値のあることなんかこの世に無い。

だからもっと楽をして、辛いことからは死にたくなる前に逃げればいい。

 

《明日は何しようか 暇ならわかり合おうぜ》

上手く気が合わない他人と分かり合うことなんて、二の次で十分です。

暇じゃなかったらできないままでもいいのかもしれません。

 

2番

ねぇ考えなくてもいいよ
踊り始めた君の細胞
この音に今は乗ろうよ
乗れなくてもいいよ
想い出の景色でバックパック
春風の騒めきでグルーヴ
もっと二人で歌おうよ
暇なら愛をしようよ

さぁ息を吸って声に出して

2番の歌詞も基本的には1番と同じことを歌っています。

今はただ音に乗っていればいい。なんなら乗れなくても別にいい。

そのくらい楽観的に、音楽の質とかそういうものには無関心に、彼らは音に乗っています。

 

《暇なら愛をしようよ》

別に「愛し合おうよ」でもよかったはずだしその方が日本語としては自然なのに、ここでは《暇なら愛をしようよ》

もっと二人で歌って、まあ暇だったら「愛」とかいう遊びをやってみようか、くらいの愛を軽視してる感じがn-bunaさんらしいと言うか何と言うか、面白いところです。

骨助
骨助

2番のサビでは改めて、自分たちが”馬鹿なふり”をしていることが強調されます。

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