【ヨルシカ】の
「だから僕は音楽を辞めた」について
MVと歌詞の意味を徹底的に
考察および解説していきたいと思います。
この楽曲は、エイミーとエルマを繋ぐ物語の中でかなり重要になってきます。
エイミー目線で歌われる詩…
ぜひ最後までご覧ください!
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楽曲名「だから僕は音楽を辞めた」とは
「だから僕は音楽を辞めた」は
ヨルシカの1st Full Albumと同名。
複数の楽曲を解釈したことで明らかになりましたが、アルバム内の楽曲、いやもしかするとヨルシカの楽曲全てが、ひとつの世界観で繋がっているのです。
別楽曲「藍二乗」の歌詞で
エルマ、君なんだよ
君だけが僕の音楽なんだ
とあったことから、主人公にとってエルマ(女性)と音楽は同意義であり、人生の全てであることが明らかになりました。
つまり「音楽を辞めた」
という本楽曲のタイトルからは
- エルマの喪失
- エルマのことを謳う(想う)のを辞めた
といった事例が推測される。
更に別楽曲「パレード」の歌詞で
歳取れば君の顔も忘れてしまうからさ
乾かないように想い出を
とあることや空に手紙を送るMVの情景から
エルマとはもう会えない状態にある
という可能性が示唆されました。
今回は「藍二乗」「パレード」の解釈を前提に考察を進めていきたいと思います。この二曲は今回紹介する「だから僕は音楽を辞めた」を深めていくうえで重要となるため、先に内容を把握しておくことをおすすめします。
では、MVの解説に移ります。
MVの意味・解釈
登場人物は「主人公」と「エルマ」
3:05からの映像で、
前半の映像に映っていたエルマは
「いない存在」
であったことが分かります。
1:06で一瞬「エルマ」と出てくるのは
喪失したエルマに対する想い
が本楽曲で叫ばれていることの裏付けであり、気持ちだけに留まらず、心から名前が滲み出たからと推測される。一瞬しか映らないのは、あまり考えないように自らを強制しているから。
そして各所に映される情景が「藍二乗」など別楽曲との繋がりを明確にしていく。
本楽曲にはどんな想いが
綴られているのでしょうか。
本題の歌詞に迫っていきます。
歌詞
考えたってわからないし
青空の下、君を待った
風が吹いた正午、
昼下がりを抜け出す想像
ねぇ、これからどうなるんだろうね
進め方教わらないんだよ
君の目を見た 何も言えず僕は歩いた考えたってわからないし
青春なんてつまらないし
辞めた筈のピアノ、
机を弾く癖が抜けない
ねぇ、将来何してるだろうね
音楽はしてないといいね
困らないでよ心の中に一つ線を引いても
どうしても消えなかった 今更なんだから
なぁ、もう思い出すな間違ってるんだよ
わかってないよ、あんたら人間も
本当も愛も世界も苦しさも
人生もどうでもいいよ
正しいかどうか知りたいのだって
防衛本能だ
考えたんだ あんたのせいだ考えたってわからないが、
本当に年老いたくないんだ
いつか死んだらって思うだけで
胸が空っぽになるんだ
将来何してるだろうって
大人になったらわかったよ
何もしてないさ幸せな顔した人が憎いのは
どう割り切ったらいいんだ
満たされない頭の奥の
化け物みたいな劣等感間違ってないよ
なぁ、何だかんだあんたら人間だ
愛も救いも優しさも
根拠がないなんて気味が悪いよ
ラブソングなんかが痛いのだって
防衛本能だ
どうでもいいか あんたのせいだ考えたってわからないし
生きてるだけでも苦しいし
音楽とか儲からないし
歌詞とか適当でもいいよ
どうでもいいんだ間違ってないだろ
間違ってないよな間違ってるんだよ わかってるんだ
あんたら人間も
本当も愛も救いも優しさも
人生もどうでもいいんだ
正しい答えが言えないのだって
防衛本能だ
どうでもいいや あんたのせいだ僕だって信念があった
今じゃ塵みたいな想いだ
何度でも君を書いた
売れることこそがどうでもよかったんだ
本当だ 本当なんだ 昔はそうだっただから僕は音楽を辞めた
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歌詞の意味・解釈
1番
考えたってわからないし
青空の下、君を待った
風が吹いた正午、
昼下がりを抜け出す想像
ねぇ、これからどうなるんだろうね
進め方教わらないんだよ
君の目を見た 何も言えず僕は歩いた
「これからどうなるんだろう」
とエルマを失った主人公は苦悩している。
そして、君(エルマ)の幻想を見る。
苦悩しているからエルマに救われたいけど、エルマは既に居ないから何も言えない。
一人ぼっちで君を想う(待つ)正午。
考えたってわからないし
青春なんてつまらないし
辞めた筈のピアノ、
机を弾く癖が抜けない
ねぇ、将来何してるだろうね
音楽はしてないといいね
困らないでよ
エルマといるとき
主人公はピアノ(作曲)をしていた。
「パレード」の歌詞で明らかになったが
エルマは物書き(作詞)であった。
しかし、エルマがいなくなったから、主人公も真似をして作詞をしようとする(パレード参照)
音楽はエルマを想い出す要素になるから
音楽はしてないといいね
とある。想い出したくないのは、自暴自棄になってしまうくらい、エルマの喪失は耐え難いものであったから。
心の中に一つ線を引いても
どうしても消えなかった 今更なんだから
なぁ、もう思い出すな
心に折り合いを付けようとしても
- エルマを忘れることができない
- 音楽を辞めることができない
「エルマ」も「エルマと作る音楽」も望んだって戻ってこないと分かっているのに、どちらも消えてくれない。未練がくすぶる。
だから「なぁ、もう思い出すな」
と無理やり抑え込もうとしている。
サビ1
間違ってるんだよ
わかってないよ、あんたら人間も
本当も愛も世界も苦しさも
人生もどうでもいいよ
正しいかどうか知りたいのだって
防衛本能だ
考えたんだ あんたのせいだ
自分以外の人間を見て
「あんたらはわかっていない」
と卑下している。周囲の人間は異質だと言い聞かせているうちに、自分が周りの人間と相容れない存在になっていることに気付く。
そこでふと思う。
「あんた(エルマ)のせいだ」
- あんたのせいで愛が分からなくなる
- あんたのせいで世界が様変わりした
- あんたのせいで苦しい
それほどエルマは全てだった。
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2番
考えたってわからないが、
本当に年老いたくないんだ
いつか死んだらって思うだけで
胸が空っぽになるんだ
将来何してるだろうって
大人になったらわかったよ
何もしてないさ
年を老いたくない理由に
死への恐怖
を挙げていますが、これは表面上。
パレードの歌詞で
とあるように本命はこっち。
年老いたくない真の理由は
エルマを忘れたくないから。
エルマの喪失感から自分を見失ってしまい、本当に苦しいから忘れ去ろうとするが本心ではないのです。
幸せな顔した人が憎いのは
どう割り切ったらいいんだ
満たされない頭の奥の
化け物みたいな劣等感
悲しみのどん底にいるから、
幸せそうに暮らす人々を妬んでいる。
不毛なことだと分かっているのに、割り切れない。
不幸な自分と幸福そうな他人を対比して、計り知れない劣等感を感じている。
サビ2
間違ってないよ
なぁ、何だかんだあんたら人間だ
愛も救いも優しさも
根拠がないなんて気味が悪いよ
ラブソングなんかが痛いのだって
防衛本能だ
どうでもいいか あんたのせいだ
ラブソングなんていくら聴いても、エルマが戻ってくるわけではないし、むしろ幸せそうな人達がより幸せに見えてくだけだから、ラブソングなんかが痛いとある。
耳が痛いとラブソングを遠ざけることで
自分を守っている(防衛本能)
やはり何度考えてもあんたのせい。
忘れようと何度も試みているのです。
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3番
考えたってわからないし
生きてるだけでも苦しいし
音楽とか儲からないし
歌詞とか適当でもいいよ
どうでもいいんだ間違ってないだろ
間違ってないよな
何もかもが分からないのも
生きるだけで苦しいのも
エルマがいなくなったから。
しかし、音楽にのめり込んだのも
楽しいと想えたのも
エルマがいたから。
しかしそんな音楽ですらできなくなった。
歌詞とか適当でもいいよ
というのは、“作詞を担当していたエルマがいなくなって真似をしようと試みては見たけど、上手くできなかった”という情景を映している。
「音楽なんてどうでもいいよ」
と投げやりに言う自分に対して
間違ってないよな
と恐る恐る自分に問いかけている。
音楽を否定するということは、今までのエルマとの想い出も否定することになってしまうから「間違ってないよな」というのはエルマに問いかけている側面もある。本当は「どうでもよくない」と引き止めて欲しいのかも知れません。
ラストサビ
間違ってるんだよ わかってるんだ
あんたら人間も
本当も愛も救いも優しさも
人生もどうでもいいんだ
正しい答えが言えないのだって
防衛本能だ
どうでもいいや あんたのせいだ僕だって信念があった
今じゃ塵みたいな想いだ
何度でも君を書いた
売れることこそがどうでもよかったんだ
本当だ 本当なんだ 昔はそうだっただから僕は音楽を辞めた
昔は音楽活動が楽しくてしょうがなかった。売れる売れないなんてどうでもよくて、エルマと音楽を作ることこそが本当に全てだった。しかし、エルマがいなくなったいま、価値観が変わってしまった。
エルマを失ってもなお、ズルズルと続けてきた音楽活動だったが、昔の自分との動機の違いを悟った主人公は自分に絶望する。
そして、音楽を辞める。
ラストサビ前にMVではエルマが消える。
これは
- 自分の中からエルマが消えたこと。
- エルマとともに無邪気に音楽を作っていた頃とは、別の想いで音楽を作っている自分に気付いたこと。
を表しているのではないでしょうか。
「だから僕は音楽を辞めた」
感想
点と点が結ばれて、いくつもの線が浮かび上がってきましたね。
深すぎる。毎度そうですがヨルシカの楽曲は歌詞を読み解いた後に聴き返すと、胸がキュッと締め付けられます。
- n-bunaさんの独特な世界観
- suisさんの心に浸透してくる歌声
やはり中毒性がすごいですね。
そして個人的にラストサビ前の
「間違ってないよな」
の涙が絡むような歌声がたまりませんでした。
「だから僕は音楽を辞めた」
アルバム内の他楽曲にも注目ですね。
【ヨルシカ/だから僕は音楽を辞めた】
MVと歌詞の意味の解釈でした!(‘ω’)
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