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【東京事変/選ばれざる国民】歌詞の意味を解釈!現代社会風刺に隠されたメッセージに迫る。

【東京事変】

「選ばれざる国民」について

歌詞の意味を徹底的に

考察および解説していきたいと思います。

現代社会風刺がきいている歌詞の実態は、東京事変がどんな人たちに音楽を伝えていきたいのか。それらが込められている内容であると感じました。

是非、最後までご覧ください。

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楽曲の基本情報

→Apple Musicでフル視聴する

 

今回紹介していく「選ばれざる国民」は、2020年1月1日に配信リリースされた楽曲。また同日に東京事変の“再生”が発表されました。

 

サルー
サルー

2012年に解散した「東京事変」。実に8年ぶりの再結成に多くのファンが歓喜していましたね。私もその一人でした。

 

ちなみに東京事変に対して「椎名林檎のバンド」というぼんやりとした認知を持っていた方は「選ばれざる国民」でひっくり返されたのではないでしょうか。

 

基本的に椎名林檎がメインボーカルであることは間違いのですが、他のメンバーがとにかく「濃ゆい」のです。個性的なんですよねものすごく。

 

その個性が本楽曲では象徴されていて、歌唱するのはギターの浮雲と鍵盤の伊澤一葉、椎名林檎。また作曲も浮雲が担当しています。

 

サルー
サルー

「これぞ東京事変!」と言わんばかりにメンバーの個性が炸裂する作品に完成していますね。未視聴の方は是非この機会に視聴してみてください。

 

それでは本題の楽曲考察に移っていきます。

楽曲名「選ばれざる国民」とは

「~ざる」とは

文語の打消しの助動詞「ず」の連体形

であり、動詞および一部の助動詞の未然形に付く。打消しの意を表す言葉です。

つまり「選ばれざる」

選ばれていない

という意味になります。

 

ただ「ざるを得ない」という言葉があるのですが、「ざる」にこの意味まで含めて考えると

(選ばれていないけど)選ばないわけにはいかない

といった意味になります。

 

サルー
サルー

「ざる」は文章語的表現や慣用的表現に用いられるもので、多くの人が直感的に解釈できますが、改めて意味を考えると少し複雑に感じますね。

 

まとめると「選ばれざる国民」

選ばれないわけにはいかない国民

という意味に解釈をすることができます。

この楽曲名が歌詞の内容と

どう関与しているのでしょうか。

本題の歌詞に迫っていきましょう。

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歌詞

終日片手はオンライン
総べてはワイファイ次第
斯く言う生身はオフライン
Tokyo

晒す理想像 名前を使い分け
匿う本性 削り合うエナジー
ばれ出した素顔 加工を施せ
何も生じない ファンタジー

電波圏内燃料満タン

圏外も炎上中刺し違える群衆
善意ほど一瞬で殺意に変わる
熱心なファン皆辛辣なアンチ
センセーション飽き足らない

縺れる男女 痺れかけた粘膜
解れる情緒 忽せのリビドー
馴れ切った作法 惰性で弄れ
何も生じない エクスタシー

あわよくばワンクリック
ワンタッチワンチャンス
淫らなエクスペリエンス
もっと 鳴呼味わいたい

直ぐ美味しく 凄く美味しく
贅沢か質素か世論の骨子だ
思いっ切り遊んでは食べては
目を閉じていたい気持ち良く
好都合な因子を社会が見出す
不公平で序列に屈する民宇宙に屈する
当然平等なんて強弁

正しい行い 均しい扱い
険しい商い 約しい暮し
間違い裁け 出る杭潰せ
噂飛び交う 嚏に戦慄く
アリバイの嘘を捜し論う
私は誰

人生の本番 始まんない
一向に緞帳が上がんない
一生を訓練で終えるんだ
一人ぼっち そう完全に

いよいよ冷え込んで
妙に人恋しい一寸リスタート

元は無関係 人混み篩い分け
共犯関係 突止めるシナジー
羞らいの距離 目線で招いて
新触感の スイートスポット

すべからくワンクリック
ワンタッチワンチャンス
清らなエクスペリエンス
遂に 鳴呼喰らわせたい

在ると良いなが在る と良い
僭越か謙虚か各位の任意だ
ケセラセラ嫌っては愛しては
噛み分けていたい容赦をせず
不都合な因子を社会は見過す
シカトで結構
序列を制する民宇宙を制する
そう弁えたい
勘違いすな世界の平和を願え
這い蹲って
選ばれざる身分迎え入れ祝え
ええもう喜んで

作詞:椎名林檎

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歌詞の意味・解釈

終日片手はオンライン
総べてはワイファイ次第
斯く言う生身はオフライン
Tokyo

晒す理想像 名前を使い分け
匿う本性 削り合うエナジー
ばれ出した素顔 加工を施せ
何も生じない ファンタジー

電波圏内燃料満タン

歌い出しの歌詞では

インターネット・SNSが発達した現代日本の風刺

が描かれています。

 

終日片手はオンライン

というのはまさに常に携帯を握りしめている私たち現代人を指していて、

 

晒す理想像 名前を使い分け
匿う本性 削り合うエナジー

という部分はSNSでアカウントを使い分けているさまを描いている。“加工を施せ”というのは、今では当たり前になった「加工写真」のことをいっているのでしょう。

 

これらを総じてファンタジー(幻想的な事象)であると言っているのですが、斯く言う生身はオフラインと冒頭から比較をしているために、現代社会を「皮肉」に感じているのではないかと筆者は解釈しました。

 

続く歌詞を追っていきましょう。

圏外も炎上中刺し違える群衆
善意ほど一瞬で殺意に変わる
熱心なファン皆辛辣なアンチ
センセーション飽き足らない

縺れる男女 痺れかけた粘膜
解れる情緒 忽せのリビドー
馴れ切った作法 惰性で弄れ
何も生じない エクスタシー

  • 善意と殺意
  • ファンとアンチ

この紙一重な関係が敢えて描かれているのは、いつまで経っても両者がSNS上でぶつかり合っている(炎上している)からでしょう。

 

客観的に見るとしょうもない戦いがダラダラと続いているわけです。センセーション(気持ち)のぶつかり合いですね。

 

また後半部分では

エクスタシーを感じなくなった男女関係

が描かれています。簡単に言うとマンネリ化している状態のことです。忽せ(ゆるがせ)とは物事をいいかげんにしておくさま、リビドーとは性的欲望を意味します。

あわよくばワンクリック
ワンタッチワンチャンス
淫らなエクスペリエンス
もっと 鳴呼味わいたい

上記の歌詞で述べた

  • ダラダラしたSNS
  • マンネリ化した男女

に対する内容がこのサビになります。

 

歌詞の「ワンクリック」は音楽を再生する意味のワンクリックであり、東京事変の“再生”音楽の“再生”が掛け合わされているのでしょう。(能動的三分間で“君の再生装置で蘇らせてくれ”とありましたが、その伏線が回収されていますね)

 

選ばれざる国民のジャケットには「loading」と綴られているのですが、これも東京事変が再生中であることを意味しており、上記で述べたダラダラした者たちにエクスタシーを届けるといったメッセージが隠れているのでしょう。

直ぐ美味しく 凄く美味しく
贅沢か質素か世論の骨子だ
思いっ切り遊んでは食べては
目を閉じていたい気持ち良く
好都合な因子を社会が見出す
不公平で序列に屈する民宇宙に屈する
当然平等なんて強弁

すぐおいしい、すごくおいしい

といったチキンラーメンを彷彿させるキャッチフレーズに掛けられているのは、再生装置をクリックするだけで快楽に浸ることができる“音楽”です。

 

またその下の文も“音楽”についての歌詞。

“目を閉じる”という行動で五感のうちの「視覚」をあえて遮断することで、敏感になるのは「聴覚」という感覚。だから気持ちよく目を閉じた先に迎えて欲しいのは“音楽”であるはず。だから音楽にとって“好都合な因子”なのだ。

 

しかしそんな都合のいい音楽でさえも「不公平で序列に屈する民宇宙に屈する」のである。強弁とは、無理に理屈をつけて、 自分の意見や言い訳を通そうとすること。

 

まるで「音楽を評価するのは君だ」と言わんばかりの歌詞だなと。だから「選ばれざる国民」なのかも知れない。

 

ぼんやりとメッセージの輪郭が見えてきましたね。

続く歌詞を追っていきましょう。

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