【Official髭男dism(通称:ヒゲダン)】の
「LADY(読み方:レディー)」について
歌詞の意味を徹底的に
考察および解説していきたいと思います。
聴くたびに心を貫かれるような感覚に襲われる。そんなあなたに是非読んで頂きたい内容になっています。
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時間をかけて作られた歌詞
今回紹介していく「LADY」は、髭男の1作目配信限定EPでありながらアルバム「ESCAPARADE」に収録された楽曲。
圧倒的な人気を誇る髭男屈指のラブソングですが、その歌詞は真っ直ぐなようで意味深な部分も多く秘めています。藤原さんいわく「歌詞を作るのに時間がかかった」とのこと。
作詞作曲を努めた藤原さんは楽曲について
「LADY」は恋愛の曲なんですけど、20代30代になって恋愛すると、それが初恋ということはなかなかないし、みんな気にしないと言いながらも、相手の過去のこととか、理性の裏側でこっそり気にしてるじゃないですか?そこで、記憶というものを紙に擬態化して、二人でマジックで記憶を上書きしようとするという、そういう表現を思いついて。僕の実体験も少しは混ざってるんですけど、ここに出てくる二人は、年齢は大人なんだけど子供っぽい独占欲が止められないという内容になってます。サウンドは音数も少なく、ダイナミクスも控えめで、パワーを内に秘めてるオケなんだけど、歌はソウルフルに歌う。そのコントラストが、大人なのに子供の感情が止まらないというものとリンクしていて、サビの最初のところとか、あえて幼稚っぽく歌ってみたり、そういうこともすごく考えて歌ってます。
とコメントを残しています。やはり歌詞へのこだわりが凄い。
・大人の子供みたいなラブソング
・理性の裏側でこっそり気にしていること
・記憶を紙に擬態化
インタビューコメントを参考に、上記3つのポイントを加味しつつ考察を行っていきたいと思います。
まずはタイトルに着目していきます。
楽曲名「LADY」とは
「LADY」とは本来、イギリスで貴族の夫人の敬称あるいは儀礼称号として使用されていた言葉。
これが一般的に普及して、女性への丁寧な呼びかけとして使われるようになったのが私たちがの思い描く「レディー」になります。
また女性を呼ぶ際に使われる言葉には「Woman」が一般的ですが、これに比べると「大切な存在」「エスコートしたい存在」に向けて放たれる場合が多いです。
そして言わずもがな本楽曲においての「LADY」は主人公の恋人であり、大切にしたい存在です。「大切な存在をという意を込めてのLADY」この楽曲名が歌詞の内容とどう関与していくのでしょうか。
本題の歌詞に迫っていきます。
歌詞
僕らはマジックで 記憶を上書きし合った
「初めて」を独り占めしたくて君は言ったよね 跡形もなく塗りつぶして
本当に「初めて」になれたらとそんな思いに2人して
年甲斐もなく「アイ」とフリガナつけた
痛くて 怖くて 嬉しくて夢みたいだね 幼くて
ためらってすれ違っても愛しいのはお互い様
馬鹿みたいだね 面倒くさくて
世界で一番素敵なLADY ahいつかは慣れて 辛くもなくなるさとか
過去があるから 幸せを守れるんだとか気付けばもう気の利いた事も言えなくなって
僕らなんて
なんて小さくなってしまったのだろう何度涙を流しても
消えない油性インクのしぶとい「アイ」が
痛くて 憎くて 情けなくて夢みたいだね 幼くて
意地張って離れたって寂しいのはお互い様
馬鹿みたいだね 面倒くさくて
世界で一番素敵なLADY ah不確かで もどかしくて
耐えられないほどの想いを
生まれて 初めて
君が僕にくれた 僕は君に溺れた夢みたいだね 幼くて
ためらってすれ違っても愛しいのはお互い様
馬鹿みたいだね 面倒くさくて
世界で一番素敵なLADY ah夢みたいだね 幼くて
意地張って離れたって寂しいのはお互い様
馬鹿みたいだね 面倒くさくて
世界で一番素敵なLADY ah愛しくて 愛しくて たまらないLADY ah
世界で一番素敵なLADY ah作詞作曲:藤原聡
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歌詞の意味・解釈
1番
僕らはマジックで 記憶を上書きし合った
「初めて」を独り占めしたくて君は言ったよね 跡形もなく塗りつぶして
本当に「初めて」になれたらと
まず冒頭の歌詞は「記憶というものを紙に擬態化して、二人でマジックで記憶を上書きしようとする」という藤原さんのコメント通りの内容になっています。
そして二人の行動の裏にあるものは「なれない初めてになりたい」という願い。大人だから敢えて言わないけど、お互いにお互いの過去の恋愛相手のことを気にしています。
「跡形もなく塗りつぶす」という大袈裟な行動は、独占欲が垣間見える本心と繋がった身体の動きなのです。
大人だから本当は言えないけど、共感してしまいました、、、
そんな思いに2人して
年甲斐もなく「アイ」とフリガナつけた
痛くて 怖くて 嬉しくて
「初めてになりたい」
という叶わない願いを表に出すさまは、まさに駄々をこねる子供みたいなもの。
だから「年甲斐もなく」という言葉が使われており、そんなどうしようもない自分たちを「アイ(愛)」と称している。
周りから見たら痛くて、ここまで相手に浸かってしまった自分がこわくて、でも愛に起因している感情だと理解しているから嬉しくて、、、
最後の一文は愛情ゆえに生まれる複雑な感情が端的に描かれているのです。
2番
いつかは慣れて 辛くもなくなるさとか
過去があるから 幸せを守れるんだとか気付けばもう気の利いた事も言えなくなって
僕らなんて
なんて小さくなってしまったのだろう
ここもまた共感深い歌詞が描かれている。
初々しい時期を超えた多くのカップルは、二人を脅かす「慣れ」のせいで、愛の言葉を疎かにしてしまいがちです。だから「気付けばもう気の利いた事も言えなくなって」という状況に主人公たちも陥ってしまう。
過去の恋愛を跡形もなく塗りつぶし合うくらい大きな想いを表現していたはずなのに、今ではほんの些細な愛情も表現できないようになっているのです。
「なんて小さくなってしまったのだろう」
という言葉から、主人公のやりきれなさがダイレクトに伝わりますが、君への愛が消えてしまったわけではありません。
このような悩みを抱えるのが何よりの愛情の証であり「伝えれないだけ」に葛藤しているのです。
何度涙を流しても
消えない油性インクのしぶとい「アイ」が
痛くて 憎くて 情けなくて
時間が形成した摩擦のせいで二人の心は擦り減っていく。
しかし初々しい頃に描いた「アイ」は何度拭っても消えてくれません。
傷つくことが嫌になって離れようとしても、あのとき描いた「アイ」が余計に二人の心を擦り減らすだけだったのです。よくある話ですが、離れてみて大切な人だったと再認識したわけです。
憎いほどの「アイ」のせいで、痛みや情けなさを感じる主人公に共感する…
3番
不確かで もどかしくて
耐えられないほどの想いを
生まれて 初めて
君が僕にくれた 僕は君に溺れた
これまでの歌詞からも十分に垣間見えた、圧倒的な愛情が「不確かで もどかしくて 耐えられないほどの想い」として表現されています。
一見「不確か」という言葉だけは逸脱しているようにも見えますが、これは「おぼつかないさま」を示す言葉であり、本心とは違う行動(離れるなど)を取ってしまう自分のことを表しています。
だから
- 君への愛情が溢れ出している意
- 自分のことが分からなくなるという意
という相反するようで隣り合わせにある二つの意を込めて「僕は君に溺れた」と言っているのでしょう。
ラストサビ
夢みたいだね 幼くて
意地張って離れたって寂しいのはお互い様
馬鹿みたいだね 面倒くさくて
世界で一番素敵なLADY ah愛しくて 愛しくて たまらないLADY ah
世界で一番素敵なLADY ah
ここまで解釈して感じたのですが、LADYのサビは、これまでの歌詞で描かれた主人公の想いが2つの教訓として綴られているのではないでしょうか。
まず1つ目の教訓は
意地張って離れても寂しいのはお互い様だった
ということ。
マンネリ化すればするほど、日常から愛の言葉が消えてしまいがちですが、これは恋が愛に変わったと認識すればいいのではないでしょうか。間違っても見切り発車で「離れる」なんて選んではダメなのです。
そしてもう1つの教訓は
ちゃんと愛の言葉を表現することの大切さ
といったところです。
1つ目の教訓に通ずるものですが、素直になれず離れてしまったことに「情けなさ」を感じていた主人公から想いを汲み取ると、やはりこれは欠かせないなと。何より「世界で一番素敵なLADY ah」というストレートな叫びがそれを表明しているのではないかと。
やはり本楽曲は壮大で共感深いラブソング。
愛ゆえに「痛み」や「情けなさ」で揺れていた主人公の背景を考えると「愛しくて 愛しくて たまらないLADY ah」という言葉が芯に刺さる。
感想
藤原さんの描写能力に改めて感服しました。
ただ聴いているだけでも、溢れんばかりの愛情が伝わってきましたが、細かく見てみると一つ一つの情動がリアルで丁寧過ぎたのです。
ドラマ的な「愛情」というよりは、まさにリアルな愛情。だからこそより共感深く、より心に響く。
「LADY」を聴くたびに感じていた心を貫かれる感覚は、ここに起因していたのかも知れない。
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歌詞の意味の解釈でした!(‘ω’)
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