歌い手であるEveに提供され爆発的な人気を生んだ超大作。
【ナユタン星人】の「惑星ループ」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。
✔惑星で比喩された届かない恋愛
✔メロディーに反して切なすぎる歌詞
✔一途な主人公の恋心の大きさ
✔歌詞の言葉1つの深さ
「トゥットゥル ルットゥ」という歌い出しからは想像もできないくらい、歌詞の意味は切ないものでした。
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実はめちゃくちゃ切ない恋愛ソング?
今回紹介していく「惑星ループ」は、ナユタン星人が作詞作曲を努めた初音ミクオリジナルソングです。その後、歌い手のEveに提供され、爆発的なヒットを記録する。(この記事を執筆している2020年3月時点でYouTubeは1881万回再生されてます。すごい)
楽曲の内容は、ぼんやり聴いていると「あーあなたに逢いたいな」などの歌詞から、恋愛ソングだと推測できるのですが、実はこれがめちゃくちゃ切ない内容になっています。
そしてこの切なさを理解するためには、歌詞はもちろんのことタイトルの意味にも着目する必要があります。
まずは楽曲タイトルを考察していきましょう。
楽曲名「惑星ループ」とは
まず「惑星」とは、辞書的に言うと
恒星の周囲を公転する、比較的大きな天体。
という意味になっています。
私たちがイメージしやすいのは太陽系の
- 水星
- 金星
- 地球
- 火星
- 木星
- 土星
- 天王星
- 海王星
の八つ(太陽から近い順)ですね。
実は本楽曲では
- 天体の1つを自分
- 天体の1つを好意を寄せるあなた
であると比喩して歌詞が綴られています。
そして「ループ」は繰り返すことを意味します。
天体の特徴を理解している方は、この時点でピンと来ているかも知れませんが、この対比が惑星ループの底知れぬ切なさの正体です。
大まかな輪郭を捉えたうえで、本題の歌詞を細かく考察していきましょう。
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歌詞
(トゥットゥル ルットゥ ルットゥッ トゥル)
銀河の隅で 惑星はグルグル周る
電波の記録 エコーが返ってきた
これで何回だ遠くの宇宙で あなたに恋をしたんだ
届かないこと 理解っているのにあーあなたに逢いたいな
って気持ちがループ ループする
頭がどうにかなりそうだ
それ以外交わせない
あーいますぐ逢いたいな
って来る日もループ ループする
この周回軌道上に あなたが居なくても(トゥットゥル ルットゥ ルットゥッ トゥル)
そこに大体愛が在るだけ
(トゥットゥル ルットゥ ルットゥッ トゥル)
そこに大体愛が在るだけ声を辿って何光年だ 延長戦に消えていく
このままパッと忘れられたら
楽だろうなあ触れられないのに見えてしまって
どうしようもないや
近くて遠いあなただ 理解ってるよあーそれでも逢いたいな
って何度もループ ループする
心があなたで鳴っている
それだけが確かだそれだけでいいよ
あぁ、星が周るように
ぼくらはずっとループする
想いが軌道を描いている
あなただけを追うよあーいますぐ逢いたいな
って命がループ ループする
この周回軌道上に
あなたが居なくてもそれ以外想えない
(トゥットゥル ルットゥ ルットゥッ トゥル)
そこに大体愛が在るだけ
(トゥットゥル ルットゥ ルットゥッ トゥル)
そこに大体愛が在るだけそこに大体愛が在るだけ
作詞:ナユタン星人
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歌詞の意味・解釈
1番
(トゥットゥル ルットゥ ルットゥッ トゥル)
銀河の隅で 惑星はグルグル周る
電波の記録 エコーが返ってきた
これで何回だ遠くの宇宙で あなたに恋をしたんだ
届かないこと 理解っているのに
まず着目したいのが「エコーが返ってきた」という独特な表現。
エコーとは、こだまや山びこのように自分の声がぼんやりと返ってくる現象のことです。
つまりあなたに対する愛を叫んだのに、帰ってきたのは自分の声だったのでしょう。もしくはあなたの返事がエコーのようにぼんやりしたもの(良い返事ではなかった)のかも知れません。
言葉1つが深い。
そして後の「遠くの宇宙」というフレーズですが、こちらは純粋に惑星間の距離がとてつもないことに加え、もっと悲しい要素を含んでいます。これを踏まえてサビ1の考察に移っていきます。
サビ1
あーあなたに逢いたいな
って気持ちがループ ループする
頭がどうにかなりそうだ
それ以外交わせない
あーいますぐ逢いたいな
って来る日もループ ループする
この周回軌道上に あなたが居なくても
「あーあなたに逢いたいな」
この歌い出しの一文だけを見ると、可愛らしいラブソングに聞こえるのですが「この周回軌道上に あなたが居なくても」が主人公とあなたの哀しすぎる運命を物語ります。
惑星は性質上、決められた恒星の周囲を公転することしかできません。さらに惑星の要件には公転軌道近くに衛星以外の天体がないことというものがあります。
つまり惑星は孤独を象徴するものであり、周回軌道上にあるものにしか出会うことができないのです。
そのため
「あーあなたに逢いたい」
と願望をこぼしたところで、その願いが叶うことは一生ないのです。まさに「気持ちをループ」するしかできることはないのです。
惑星で対比される恋愛が哀しすぎる。
2番
声を辿って何光年だ 延長戦に消えていく
このままパッと忘れられたら
楽だろうなあ触れられないのに見えてしまって
どうしようもないや
近くて遠いあなただ 理解ってるよ
ここまで解釈すると2番以降の歌詞はスッと入ってきますね。
2番の前半部分は
- 届かない君を追いかける恋愛
- 何もない周回軌道上を公転する惑星
が対比されています。切ない。
そして後半部分も「近くて遠いあなた」というフレーズが胸を締め付ける。
同じ構成の周りを公転していれば、長い時間をかけて惑星同士の最短距離まで近づける日がやってきます。しかしそれは一瞬であり、次の瞬間には近づいていたものが遠ざかっていくものに様変わりします。
近付いたと思ったら離れていく。離れたと思ったら近づいていく。リアルな片想いの情景は、まさにこれですよね。
サビ2
あーそれでも逢いたいな
って何度もループ ループする
心があなたで鳴っている
それだけが確かだそれだけでいいよ
惑星(あなた)に恋した惑星(主人公)。
上記の歌詞から伝わってきたように、主人公の恋愛は運命レベルで叶うことが難しいです。そのためあなたを追いかけることで辛い思いをするばかり。
しかしあなたという存在だけで人生の救いと言えるほど、心が救われています。それほど愛情が大きいのです。
だから辛い思いをしても生まれるのは
「あーそれでも逢いたいな」
という一途な感情ばかり。
ラストサビ
あぁ、星が周るように
ぼくらはずっとループする
想いが軌道を描いている
あなただけを追うよあーいますぐ逢いたいな
って命がループ ループする
この周回軌道上に
あなたが居なくてもそれ以外想えない
やはり最後の最後まで一途な想いが伝わる。
想いが軌道を描いている(あなたに届かない)と分かっていても、めげずにあなただけ追いかける。この周回軌道上にあなたが居ない(運命的に結ばれない)としても、一方的に想い続ける。
この強すぎる想いを具現化しているのが
命がループ ループする
というフレーズ。これまでは
気持ちがループ ループする
だったのに「気持ち」が「命」に変化している。
これは、一生をかけて想い続けるという決意表明のように解釈できるのではないでしょうか。
(トゥットゥル ルットゥ ルットゥッ トゥル)
そこに大体愛が在るだけ
(トゥットゥル ルットゥ ルットゥッ トゥル)
そこに大体愛が在るだけそこに大体愛が在るだけ
ラストフレーズでは
(トゥットゥル ルットゥ ルットゥッ トゥル)
と最初と同じフレーズが綴られる。
これは「惑星ループ」というタイトルなだけあって、気持ちがループしている様子を楽観的に表しているのでしょう。
主人公は沈静しない恋心を抱えたまま、運命に逆らうようにあなたを追いかけ続けるのです。
感想
楽曲全体を通して、主人公の大きすぎる恋心が痛いほど伝わってきたために、そこに大体愛が在る「だけ」という締めに、どうしても悲しさを感じてしまう。絶対強がってるじゃん…てね。
それにしてもナユタン星人さんの発想力の高さに驚愕しました。これほどまでに切ない恋愛を「惑星」で対比する、しかもそれがここまで型にハマるなんて、、、これは天才のなせる技と言ったところですね。
【ナユタン星人/惑星ループ】
歌詞の意味の解釈でした!(‘ω’)
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コメント
今までは恋愛ソングだと思ってだけど切ない感じだったんだ。
すごい!!!
私この歌好きだから知れてよかったー!