2番
白い壁が暖かい陽に染って
綺麗な街をこえていると
なんだか悲しくなったんだ
移りゆく景色これからの生活を想って暗がりへ
そっと目を閉じた
2番もまた切ない。
何が切ないのかと言うと「なんだか悲しくなったんだ」という主人公の心情がビシビシと伝わってくるのが切ない。
1番の自分を置いて季節が進む…といった解釈と似たようなところがありますが、自分とは対照的に景色は綺麗に染まっていくのです。そして素敵な景色を一緒にみたい君はもういない。
何かに付けて、確かにいない君を感じては切なさを覚えながら、、、そしてついに自分の未来にいない君の存在を感じながら、暗い未来から目を背けるように目を閉じる、、、
サビ2
茜色の空を眺めながら
肩にもたれかかって
夢みたいな日常がいつしかありました
寄り道は気づかないしあわせの形だね
変わらない階段と景色を刻んで
まどろみの中へまどろみの中へ
繰り返される「まどろみの中へ」
サビ1と同じ内容ですが、2番Aメロの解釈を終えたうえで見ると、まどろみの中へ行こうとするのは、君がいない未来を暗中模索する葛藤まみれの主人公を映していることがよく分かります。
過去だけが明るくて、未来が暗い。
まどろみの中しか進む先がないのです…
3番
茜色の空の下 子供が笑ってる
夜明けの海に涙沈めた
現実から目を逸らすように、これまでの歌詞には決定的な感傷的な表現はありませんでしたが、糸が切れたように最後のフレーズでは「夜明けの海に涙沈めた」という圧倒的な悲観表現が綴られています。
茜色の空の下といった煌びやか景色の中で、楽しくはしゃぐ子供。繰り返される周囲と自分の幸せのギャップに糸が切れたのかも知れません。
また繰り返される周囲と自分の幸せのギャップというのは、歌詞全体の解釈をしてきたことで度々感じてきたことですが、最後にもう少しこの部分から踏み込んだ考察をしたいと思います。
このギャップが象徴されているのは、実は歌詞だけではないのです。
何を隠そうクリームというタイトルもまさに同じ。
たばこをふかしている自分が見えているのは、苦いタバコの煙。そのはずなのに、甘いクリームがタイトルになっているのは、やはり幸福度のギャップを象徴している。
「クリーム」は悲観的な主人公と対照的な言葉であり、主人公のセンチメンタルを強調させるものだったのです。
感想
孤独になってしまった主人公。
目を逸らすさまや暗闇でもがくさまに、同じ境遇と経験したことのある人はかなり共感できたのではないでしょうか。
それにしてもくじらさんの綴る詞は、何気なさの中に奥ゆかしさがあるというか、、、噛めば噛むほど味が出てくるものばかりですね。短い歌詞の中で主人公のぼんやりとした憂鬱が凝縮されていました。
【yama/クリーム】
歌詞の意味の解釈でした!
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