サビ2
あゝ
立ち尽くした
あの日の頼りない背中を
今なら強く押して見せるからあゝ
僕のくだらない
表情や言葉一つで
微笑んだ君がいるから
2番のサビでは、《あの日の頼りない背中を 今なら強く押して見せるから》と歌い上げられます。
逆に言えば、あの日は頼りない背中をただ見つめることしかできなかったということ。
やはり人間的な弱さがこの楽曲には宿っています。
ドラマのプロデューサーの方のインタビューによると、楽曲制作時のドラマ側からのオーダーは「ありきたりな曲は、要らない・・・絶望している主人公に神から降臨したような・・・魂を揺さぶるような、これまでのKing Gnuさんのイメージを壊すような・・・」といったものだったとのこと。
勿論「三文小説」はこのオーダー通り、主人公を絶望から救うような強度があって、魂を揺さぶるような楽曲です。
しかしながらその歌詞に真実を覆すほどの力があるわけではないし、真実を無視して進もうとするわけでもありません。
”神から降臨したような” 強さではなく、あくまで ”三文小説しか描けない人間としての” 強さ。
King Gnuの楽曲は、いい意味で一貫してどこまでいっても人間なのです。
しかし、駄文ばかりの三文小説であっても物語を描き続ける人間の在り方を肯定することにおいて、King Gnuの右に出る者はいません。
神のような強さはない。現実を覆すことなんかできない。
それでも、《僕のくだらない表情や言葉一つで 微笑んだ君がいるから》。
もしかしたら僕の存在が君を支えられるかもしれない。
今なら、あの日の頼りない背中を押してあげられるかもしれない。
あの日の背中を押して見せる。
【現実は残酷だけどそれでも強く生きよう】というスタンス。
この部分の歌詞には、彼らなりの最大限の希望が込められているように感じられます。
ラストサビ
あゝ
駄文ばかりの脚本と
三文芝居にいつ迄も
付き合っていたいのさあゝ
君の不器用な
表情や言葉一つで
救われる僕がいるからあゝ
立ち尽くした
あの日の頼りない背中を
今なら強く押して見せるからあゝ
僕のくだらない
表情や言葉一つで
微笑んだ君がいるから
切実でシリアスな空気感から始まった「三文小説」は、気づけば圧倒されるほどに壮大でダイナミックな人間讃歌へと変貌を遂げています。
三文小説であろうと僕は描き続けたい。
君の表情や言葉一つで救われる僕がいるから。
僕の表情や言葉一つで微笑んだ君がいるから。
あの日の頼りない背中を僕が押してみせる。
そんな言葉の数々が、荘厳なストリングスや井口さんの美しいファルセットと共に魂を揺さぶるのです。
人間には、脆くて不確かでも支え合って生きていけるだけの強さがある。
そんなことを、強く強く感じさせてくれます。
感想
彼らの楽曲に底なしに明るい現実なんて全く無いし、彼らの楽曲の世界に神はいません。
しかしながら、あくまで人間としての最大限の力で、King Gnuは人間の生命の営みを肯定してくれているのです。
現実は残酷だけど、僕らならきっと強く生きていける。
これはKing Gnuが贈る、史上最強の人間讃歌なのです。
【King Gnu/三文小説】
歌詞の意味の解釈でした!
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コメント
何もかもルールや批判で押しつぶされる
世の中に癒しをくれる曲。(^^)
KingGnuの曲も世界観も、そしてメンバーの人間性、生き方が好きなので、こうやって曲について解説しもらえると、新たな発見だったりがあるので本当に助かります。正直、曲を聴いていても、その曲の意味を言葉にすることが自分にはできないので、すごいなーと思いました!ありがとうございます^_^
コメントありがとうございます、そういっていただけると嬉しい限りです…!