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【King Gnu/泡】歌詞の意味を徹底解釈!過去曲をリメイクした映画「太陽は動かない」主題歌。

【King Gnu】「泡」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。

 

注目ポイント

✔ 原曲「ABUKU」の存在

✔ 抽象的な歌詞

✔ 異質すぎる世界観

 

骨助
骨助

原曲であるSrv.Vinci「ABUKU」との関係性に触れながら、楽曲の歌詞を考察していきます…!

 

 

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映画「太陽は動かない」主題歌

今回紹介していく「泡」はKing Gnuが2021年3月5日にリリースした楽曲。

藤原竜也さん主演の映画「太陽は動かない」主題歌として製作されました。

読み方は「あぶく」です。

 

作詞・作曲を務めた常田大希さんは楽曲について、

生まれや育ちは選べない
皆それぞれ与えられた運命に
翻弄されながら足掻き抗い生きている

この映画の世界や人々は
果たして我々と無関係なのだろうか

運命の不条理さと
それでも生きることの尊さを
再確認できました

泡のような
儚いこの世界に乾杯

とコメントされています。

 

「太陽は動かない」は吉田修一のサスペンス小説を実写化した作品で、藤原竜也と竹内涼真がバディを組み、産業スパイとして激しい情報戦を繰り広げていくアクション映画。

「泡」は心臓に爆弾を埋め込まれ、常に命を危険にさらしながらも奮闘する二人の不条理な境遇にマッチした楽曲となっているようです。

 

骨助
骨助

そんな「泡」ですが、実は完全新作ではありません。

原曲はSrv.vinci「ABUKU」

Srv.Vinciというバンドが結成初期である2013年に「ABUKU」という楽曲をリリースしています。

Srv.Vinciは常田さんが主体となって活動していたバンドで、いうなればKing Gnuの前身バンド。

「ABUKU」製作当時は現在のメンバー構成ではなく、音楽性なども大きく異なっているのですが、この後に井口理、勢喜遊、新井和輝が固定メンバーとして加わり現在の形へと移り変わっていきます。

 

今回製作された「泡」は、そんなSrv.Vinciの「ABUKU」をリメイクした楽曲。

曲調や歌詞には手が加えられているものの、原曲の独創的で前衛的な面影は確かに感じられます。

 

常田さんはこのリメイクに関して、Twitterにて

一旦初心に還りまして
一旦膝曲げまして
一層ブチ飛んで参りますので
宜しく王牛きんぐぬー👑🐃

とツイートされていました。

 

「白日」が爆発的なヒットを記録して以降、2019年紅白歌合戦への出場を果たすなど破竹の勢いで音楽シーンを駆け上がったKing Gnu。

しかしその大躍進の一方で、楽曲「壇上」でも歌われているように、「紅白にも出れたし解散してもいいかも…」と考えるほどに当時のメンバーたちは疲弊していたようです。

 

そんなタイミングでの「太陽は動かない」主題歌抜擢と、7年前の楽曲「ABUKU」のリアレンジ。

単に映画の世界観にマッチしていただけではなく、King Gnuの原点回帰としての意味合いが強い楽曲となっています。

 

骨助
骨助

「ABUKU」のMVはYoutubeにて公開中です。興味のある方は是非。

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歌詞

消えたの
泡となり
消えたの
いつの間にか

わかってりゃ
もっとずっと一層
清らかに
溶け合ったのにね
この気持ち

跳ねたの
魚と成り
誰よりも
軽やかに

そのまま
もっとずっと一層
清らかに
飛んでゆけたらね
この気持ち

パチンと弾けて
泡のように消えた
呆気のない運命が
心をえぐった

確かに感じた
仄かに歯がゆい
過ぎ去った運命に
囚われたままで

パチンと弾けて
泡のように消えた
あなたは今も
どこかで元気ですか?

あの夏の匂い
仄かに歯がゆい
いつしか夢中で
追いかけてたのは影

消えたの
泡となり
消えたの
いつの間にか

わかってりゃ
もっとずっと一層
清らかに
溶け合ったのにね
この気持ち

跳ねたの
魚と成り
誰よりも
軽やかに

そのまま
もっとずっと一層
清らかに
飛んでゆけたらね
この気持ち

この気持ち

 

作詞:常田大希

歌詞の意味・解釈

1番

消えたの
泡となり
消えたの
いつの間にか

わかってりゃ
もっとずっと一層
清らかに
溶け合ったのにね
この気持ち

リアルな心音をドラム代わりにして、独特の雰囲気の中楽曲はスタート。

サビ以外の歌詞は、原曲「ABUKU」からほとんど変わっていません。

 

泡となり消えてしまった。

主語が抜け落ちていますが、後の歌詞から察するに主語は「あなた」と呼んでいる自分以外の人物です。

死んでしまったのか、はたまた遠いどこかへ行ってしまったのかは定かではありませんが、主人公は「あなた」とはもう再会することはできそうにありません。

わかってればもっと気持ちを通わせたのに。

そう悔やんでも弾けた泡は元には戻りません。

 

単に「あなたが消えてしまった」のではなく、「泡となり消えてしまった」

泡が消えてしまうのは自然現象であって、人の力ではどうすることもできません。

泡となって戻ってくることもありません。

不条理な運命として別れが訪れたことが強調されています。

 

この楽曲の歌詞の大きな特徴は、当然ながら、まったくもって従来の ”King Gnuらしさ” のようなものが感じられないところです。

King Gnuの楽曲では一貫して、常に「運命は残酷だけど愛をもって生きていこう」的なテーマで楽曲が展開されていくのですが、今回の楽曲は終始「ああ運命は残酷だ…」といった雰囲気。

生きる活力というよりは、命の儚さや虚しさに重点が置かれているように思います。

 

また、King Gnuは親しみやすいメロディや歌詞を用いて、世間に広く愛される「J-POPをやる」ことをコンセプトとしているバンドです。

歌詞も基本的には一文で意味がわかる場合がほとんど。

抽象的な歌詞がかなり多い今回の楽曲は、その意味でも他の楽曲とは一線を画しています。

 

かなり前衛的な楽曲「ABUKU」を原曲としているだけに、King Gnuの楽曲としてはかなり異質な曲となっているようです。

 

骨助
骨助

新たに前衛的な音楽性に舵を切ったのではなく、あくまで原点回帰です。

 

跳ねたの
魚と成り
誰よりも
軽やかに

そのまま
もっとずっと一層
清らかに
飛んでゆけたらね
この気持ち

この部分は、恐らく不条理な運命を前にした自分の気持ちを表現しているのでしょう。

 

魚が跳ねるように、不思議と気持ちが舞い上がっていく主人公。

そのまま清らかに飛んでゆけたらいいのに。

決意というよりは願望です。

 

泡ではなく魚。

たとえ水面を跳ねたとて、泡のように弾けて消えてしまうことはできません。

空気になって、清らかに飛んでいくこともありません。

結局は残酷な運命を前に生きていくしかない。

泡と魚の違いが対比されています。

 

「現実を前にした祈りを歌った曲である」という点では、「白日」とは近しいものを感じます。

個人的な考えですが、「白日」も「運命は残酷だけど愛をもって生きていこう」みたいなKing Gnuのテーマからは外れているので少々異質な存在です。

 

楽曲はサビへと展開していきます。

 

サビ1

パチンと弾けて
泡のように消えた
呆気のない運命が
心をえぐった

確かに感じた
仄かに歯がゆい
過ぎ去った運命に
囚われたままで

《パチンと弾けて 泡のように消えた》

大切な人との残酷な別れ。

仄かに歯がゆい。

あまりに呆気のない運命が心をえぐります。

私たちの人生は、過ぎ去った運命に囚われたままで。

 

常田さんの「生まれや育ちは選べない 皆それぞれ与えられた運命に 翻弄されながら足掻き抗い生きている」という言葉がまさにこのサビの歌詞に現れています。

 

Srv.Vinci「ABUKU」はいわゆるサビの部分がない楽曲なので、サビはこの楽曲で唯一新たに作られたものです。

 

ここまで《泡》や《魚》の話だけだけで抽象的だった世界が、ここで《運命》や《心をえぐった》のような具体的なワードが出てくることで一気にわかりやすくなっています。

華のあるサビが注釈的に追加されることで、前衛的な楽曲「ABUKU」が現在のKing Gnu流のJ-POP「泡」へと昇華しているのです。

 

パチンと弾けて
泡のように消えた
あなたは今も
どこかで元気ですか?

あの夏の匂い
仄かに歯がゆい
いつしか夢中で
追いかけてたのは影

《あなたは今もどこかで元気ですか?》

死んでしまっているならば遠い世界で。あるいは、まだ生きているのであれば遠いどこかで。

泡のように消えてしまったあなたの今を想っています。

 

ふとした瞬間にフラッシュバックする、あなたと過ごしたあの夏の匂い。

仄かに歯がゆい。

私たちは夢中になって、もうそこにはいない誰かの思い出を必死に追いかけています。

《いつしか夢中で追いかけてたのは影》

どうしようもない運命に、必死に抗っています。

 

「泡」のサビは1回だけで、あとは「ABUKU」の歌詞の繰り返し。

 

ひたすらに虚しくて、どこまでも儚い。

懐かしくも哀しい感情を呼び起こされる素敵な楽曲でした。

感想

Srv.Vinci「ABUKU」をリメイクした一曲。

万人にとって親しみやすいとは言い難い前衛的なメロディと抽象的な歌詞で、現在のKing Gnuの作風や世界観とは全く異なっています。

だけど懐かしくて儚い。

King Gnuのいつもとは違う側面を存分に満喫できる作品です。

 

【King Gnu/泡】

歌詞の意味の解釈でした!

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