2番
日々の滲みを木々に焼べて暖をとり合う
義理を誣いた彼の四肢は散り散りになる
知りもせずに意味を美意識だと崇める
擬似餌じみた恣意に御の字だった
2番冒頭では曲調が一変、K-POP的なフローで綴られる解釈が難しいパートが訪れます。
《義理を誣いた彼の四肢は散り散りになる》は恐らく神話のワンシーンの描写でしょう。
インド神話において悪の神である阿修羅は、善の神によって切り裂かれ血を吐き倒れ、血に染まった彼の肢体が地面に横たわる様が描かれているといいます。ちなみにこれが日本語の「修羅場」の語源です。
語彙が難解ですが、このパートの歌詞も一番と同様にネット社会の在り方を切り取ったものなのではないでしょうか。
世の中の汚いとされる部分を炎上という形で燃やし尽くして暖をとり合って、義理に背いた悪者の肢体は滅多打ちにされて散り散りに。その様を見て、何でそうなったかなんて理由も知らずに「良かったな」「悪者が消えて綺麗になったな」なんて言って満足する。
そんな惨状が描かれているような気がしています。
愉快な御託のフルコースに うわべの面をして可愛がった
くだんない僧と踊るくらいなら 悪魔と手繋ぐわ
愉快な御託のフルコースを並べて、好き勝手言ってるうすら寒い奴ら。
社会の常識的には正しいことをやっているんだろうけれど、一緒にされたくはないつまらない奴ら。
そんな今の世の中をここでは《くだんない僧》だと表現しています。
そんなやつらの相手をするのが正義とされる世の中だったら、いっそ悪魔とでも手を繋いでやろう。
阿修羅にでもなって、堕ちるところまで堕ちてやろう。
彼女の逃避行は続いていきます。
サビ2
逃げるえすけいぷえすけいぷえすけいぷ 仏のまま
飛べるすてっぷすてっぷすてっぷ 仰せのまま
アンダスタン アンダスタン 阿鼻地獄の果てまでロックオン騙るすにーくすにーくすにーく 嵐の中
跳ねるすきっぷすきっぷすきっぷ あっそ、へのかっぱ
アンダスタン アンダスタン あんた寝言はあの世で言って
この楽曲の主人公は、言ってしまえば世の中から ”逃げて” いて、社会から地獄の果てまで “堕ちて” います。
現実逃避で、負け犬で、社会不適合者。
そんな見方によってはみっともなくも見える生き様を、この楽曲は「阿修羅になって閻魔様さえ喰らってやる」といった具合に最高にロックに描き切っています。
世の中の道理に背いたままで、我が道を突き進んで生きていく。
つまんない奴らの相手なんかやってらんない。
そんな、まさにドクターで言えば主人公・大門未知子のような、常識にとらわれない無敵感をこれでもかというくらい感じさせてくれる楽曲でした。
世の中からの逃避行を歌った疾走感溢れるナンバー。
【Ado/阿修羅ちゃん】
歌詞の意味の解釈でした!
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コメント
これは逃避行ではなく
一切後退をしない宣戦布告では?
作詞をしたneruの今までの傾向からしても考えにくい
意識していたわけではないけどいつのまにかカッコ悪い阿修羅ちゃんとして生きて来た気がする。孤独すぎて死にそうになるが、やっぱり生き方は変えられない。自分を奮い立たせる為には有難い応援歌にも聴こえる
とてもわかりやすかったです!☺️
歌詞のパート一つ一つに着目していて、阿修羅ちゃんの心境も考察していてなかなかない詳しい説明だと思いました!
ぜひ他のボカロの歌詞考察お願いします!❤️
ガーシー等に見られる、一緒になって薄っぺらい正義感で成功者を叩いて喜んでる、奴らへの宣戦布告に聴こえる