2番
記憶の中の君と
今の君はどちらも真実で
鮮やかに色めく君は
もう僕の知らない色
別れてから長い年月が経って、思い出の上に幾重にも新たな出来事が塗り重ねられ、「君」は僕の知っている「君」ではなくなってしまいました。
《記憶の中の君と 今の君はどちらも真実で》
ではじゃあ今の「君」が偽りなのかといえば、決してそうではないのだとこの曲は綴っています。
冒頭でもお話しましたが、この楽曲の背景には「人間は多面的で色んな顔を持っている」という事実があります。
人は別の人間をある一面だけで判断して、それがその人の全てだと思い込もうとしてしまう生き物だけれど、実情はそうではありません。
楽曲タイトルは「カメレオン」。
カメレオンは自らの色を刻一刻と変化させていく生き物で、今の姿と昔の姿が全く違っていたとしても、それは一匹のカメレオンです。
同じように、たとえ姿や考え方が変わってしまったとしても、それが一人の人間であることには変わりないのです。
サビ2
何度でも
何度でも
塗りつぶして
今の君にお似合いの
何色でも構わないの伝えたいこの想い
それすら叶わないけど
口にすれば単純な強がり
隣に僕が居なくても
主人公と別れてから、君は変わってしまいました。
もう自分の知っている「君」ではありません。
しかしカメレオンがそうであるように、キャンバスがそうであるように、たとえその色が変わってしまったとしても「君」が「君」という一人の人間であることには何の変わりもないのです。
ただ自分の知らなかった「君」の一面が現れただけ。
その全てを理解したと思うことの方がきっと傲慢でしょう。
「君」と別れて、「君」が自分がいなくても幸せに暮らしている今になってこんなことを言うのは強がりでしかないけれど。
《今の君にお似合いの 何色でも構わないの》
なにも「君」が変わってしまったことを憂う必要はないのです。
色が変わったとしても、「君」は「君」であり続けます。
今の「君」の姿を受け入れ、肯定することが出来ればそれでいいのです。
一匹のカメレオンを愛そう。
一枚のキャンバスを愛そう。
多面的で色んな顔をもった一人の人間を、理解して受け入れて愛していこう。
この楽曲で描かれているのは、そんなメッセージであるような気がします。
突き止めたい
敵わない
君の正体は
迷宮入りの
難解なミステリー心変わり色変わり
軽やかに姿を変えたのは
悲しいほどの夕暮れ
僕の知らない君は誰?
最後に、もう一度楽曲の前提にある「人間は複雑な生き物である」「人間とは謎だらけのミステリーである」という事実を繰り返して楽曲は幕を閉じます。
記事の冒頭でも紹介しましたが、常田さんは「人間という複雑な生き物を、諦めず理解しようと向き合い続けるそこに愛があるのではと思いこの曲を書き下ろしました。」とコメントされていました。
この楽曲は、人間という多面的で複雑な生き物を全て受け入れた先にある、無償の愛と呼べるような真っ直ぐな感情を描き出した楽曲なのです。
【King Gnu/カメレオン】
歌詞の意味の解釈でした!
スポンサーリンク
コメント