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【RADWIMPS/うるうびと】歌詞の意味を徹底解釈!命と愛を歌った映画「余命10年」主題歌。

【RADWIMPS】「うるうびと」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。

 

注目ポイント

✔ 描かれる劇中の恋愛

✔ RADWIMPSの美しい表現

✔ ラスサビの視点の変化

 

骨助
骨助

映画の内容に触れながら、楽曲の魅力をじっくり紐解いていきます…!

 

 

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映画「余命10年」主題歌

今回紹介していく「うるうびと」は2022年3月4日公開の映画「余命10年」主題歌として書き下ろされた楽曲です。

RADWIMPSは主題歌だけでなく、「余命10年」全編の劇伴音楽の制作に携わっています。

 

映画『余命10年』本予告 2022年3月4日(金)公開

「余命10年」は2017年発売の同名小説を原作にした映画作品で、主演は小松菜奈さんと坂口健太郎さん。

不治の病に侵され余命10年を宣告された主人公・茉莉の人生が、幼馴染である和人との恋愛を通じて鮮明に描かれたラブストーリーとなっています。

闘病生活を生々しく描いた描写は、当時難病を患っていた小説の筆者である小坂流加さんの実体験に基づいたものと推測されますが、小坂さんは原作小説の文庫本の刊行を見ることなく、2017年2月に逝去されています。

 

RADWIMPSの野田洋次郎さんは映画について、

はじめて実写映画での劇伴作業は新鮮で挑戦に満ちたものでした。シーンを観ながら、茉莉や和人やその周りでたしかに生きる登場人物たちにどんな音で寄り添うべきなのか、背中を押すべきなのか、幾度もの苦悩もありました。
総合計時間にするとおそらくすでにこの映画を100回近く観ていることになります。ですが、編曲もすべて終わり最終のオーケストラの本番レコーディングでやはり、画面を観ながら涙がポロポロと出てきました。
この映画には、茉莉の人生には、きっとご覧になるあなたが明日からも生きていく意味が詰まっていると思います。

とコメントされていました。

 

映画のストーリーにどこまでも寄り添った、映画の根幹をなす楽曲「うるうびと」。

また、RADWIMPSと主演の小松菜奈さんの出会いは2011年発売の楽曲「君と羊と青」のMVにまで遡ります。

その後も2018年に「そっけない」のMVで共演するなど、10年以上の親交のある両者が映画作品という形で再び交わったという点でも非常に興味深い作品であるといえるでしょう。

 

楽曲の歌詞にはどのような想いが込められているのか、この記事では映画の内容を紹介しながら解説していきます。

 

骨助
骨助

映画の結末に関わるようなネタバレはありませんのでご安心ください。

楽曲名「うるうびと」とは

「うるう」とは暦の調整のために秒数や日数を通常より多くすること。

地球が太陽を一周するのにかかる時間は365日ちょうどではなく365.24日であるため、4年に1度2月29日を設けることでこのズレを解消しています。

 

では「うるうびと」がどういう意味なのか、というのを考えてみてもイマイチピンときませんが、ここで注目したいのが楽曲の英語名です。

タイトルは「Ms.phenomenal 」

直訳すると「普通ではない、驚くべき女性」といった意味です。

 

このことから「うるうびと」は、うるう年が4年に1度しか訪れない特殊で特別な年であるように、自分にとって「決して普通ではない大切な人」といった意味を持っているのではないでしょうか。

 

骨助
骨助

楽曲のタイトルについて確認したところで、さっそく本題の歌詞を見ていきましょう。

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歌詞

ホントみたいな嘘ばかり 頬張り続ける世界で
嘘みたいなホントばかり 抱えた君は窮屈そうに 笑った

元気すぎるこの身体に 飽きた頃に熱が出ると
なぜか妙に嬉しくてさ 大きな声で 母の元へと駆けた

心の色、形 まるで違う
二つの魂が混ざった時 何が起こるかな

あといくつ心臓があれば僕は君の手を掴んで
この胸の中に 攫(さら)えるだろう

今や人類はこの地球を 飛び出し火星を目指す
なのに僕は20センチ先の 君の方が遠い

小さすぎるその背中に 大きすぎる運命背負い
「僕も持つよ」と手貸そうにも この手すり抜け 主の元へと帰る

目を離したらすぐにまた
いびきをかきはじめる僕の 細胞起こしたのは

あといくつ心臓があれば 君にこの気持ちを
過不足なく僕は 伝えられるのだろう

今や人類を超える知能が 生まれているのに
僕の言葉は足踏みを ただ繰り返す

全人類から10分ずつだけ寿命をもらい
君の中どうにか 埋め込めやしないのかい

それか僕の残りの 命を二等分して
かたっぽをあなたに 渡せやしないのかい

そしたら「せーの」で
来世に 乗れる

あといくつ心臓があれば僕は君の手を掴んで
この胸の中に 攫(さら)えるだろう

今や人類はこの地球を 飛び出し火星を目指す
だけど僕は20センチ先の 君だけを目指す

この一つの心臓が声の限りに叫ぶよ
「あなたは私がこの世界に 生きた意味でした」

 

作詞:野田洋次郎

歌詞の意味・解釈

1番

ホントみたいな嘘ばかり 頬張り続ける世界で
嘘みたいなホントばかり 抱えた君は窮屈そうに 笑った

「うるうびと」は茉莉に恋している和人の視点から、余命10年を宣告されている茉莉の生きる姿を描いた楽曲となっています。

 

あたかも本当のことであるかのような嘘や欺瞞が溢れるこの世界で、「難病を患っていて、あと数年しか生きることができない」という嘘みたいなホントを抱え、窮屈そうに笑う少女。

それが本作における茉莉という人物です。

彼女の境遇が、大胆な対比を通じて描写されていきます。

 

元気すぎるこの身体に 飽きた頃に熱が出ると
なぜか妙に嬉しくてさ 大きな声で 母の元へと駆けた

心の色、形 まるで違う
二つの魂が混ざった時 何が起こるかな

この部分は健康に過ごしてきた人の、ある意味であるあるのような話。

今思えば別に喜ばしい事ではないのだけれど、小さな頃はたまに熱が出たりなんかすると、子供の好奇心からか妙に嬉しくなったりするものです。

ちょっと違う自分の体調やいつもと違う周りの人の反応が物珍しく、またいつも通っている学校を休むという状況もどこか特別な感じがして。

 

しかしながら、この部分の歌詞も暗に茉莉の病状との対比になっています。

健康な少年少女は熱が出て喜ぶこともある。

でも決してそうではないのが現在の茉莉なのです。

発作が出れば命が続くとも限らない、体調の悪化をとても喜んでなどいられない状況に彼女は置かれています。

 

《二つの魂が混ざった時 何が起こるかな》

心の色も形も、置かれている状況もまるで違う。

そんな茉莉に、和人はどうしようもないほど心惹かれることとなります。

 

サビ1

あといくつ心臓があれば僕は君の手を掴んで
この胸の中に 攫(さら)えるだろう

今や人類はこの地球を 飛び出し火星を目指す
なのに僕は20センチ先の 君の方が遠い

茉莉に恋をした和人ですが、残酷なことに茉莉が生きられる時間は残りわずか。

茉莉は生きることに執着してしまわないように、もう恋はしないと決心しています。

あといくつ心臓があれば君を胸の中にさらえるだろうか。

つまり、たった一つしか心臓がない今はとても君を攫うことなどできないし、現実的に君の運命を変えることなどできないのです。

 

RADWIMPSの歌詞は知的で論理的ですが、時に科学的にありえない矛盾を犯すことで人間の非科学的な感情を切実に描き出してみせます。

《今や人類はこの地球を 飛び出し火星を目指す なのに僕は20センチ先の 君の方が遠い》

火星よりも君の方が遠いなんてことは絶対にありえません。

しかし、きっとそうだと思えてしまうほどに、和人にとって余命10年という運命を背負った茉莉ははるか遠い存在に思えてしまうのです。

火星にはいつか到達できるかもしれないけれど、彼女と同じ境遇で同じ感情を共有することなどできないのですから。

 

2番

小さすぎるその背中に 大きすぎる運命背負い
「僕も持つよ」と手貸そうにも この手すり抜け 主の元へと帰る

目を離したらすぐにまた
いびきをかきはじめる僕の 細胞起こしたのは

《大きすぎる運命》は茉莉が患っている難病、そして宣告されてしまった余命のことを指しているのでしょう。

どれだけ彼女を手伝いたいと願おうと、どう足搔こうと、その運命を共有することはできません。

掬おうとしたその手をすり抜け、いつか彼女の命は天に召されてしまいます。

 

ここまで茉莉の病気についてばかり触れてきましたが、作中の和人もまた生きる意味を見出せず、死ぬことを考えるほどに精神的に追い詰められていました。

そんな彼の人生は、茉莉と出会ったことで変わり始めます。

映画の内容をざっくりとした言葉で説明するならば、それは「和人が茉莉に生かされる物語」であり、「茉莉が和人と生きた物語」であるといえるでしょう。

 

《目を離したらすぐにまた いびきをかきはじめる僕の 細胞起こしたのは》

あえて言うまでもないことなのでここで歌詞が打ち切られていますが、この後に続く言葉は「君だった」でしょう。

生きる意味を無くした和人が君のために生きたいと思えるほどに、和人にとって茉莉は愛しくて大切な人でした。

 

骨助
骨助

この後の歌詞でも、RADWIMPSの美しい歌詞と共に和人の想いが綴られていきます。

 

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